ドイツ語の音楽用語集

このページは,Richard Wagner (RW),Gustav Mahler (GM),Richard Strauss (RS),Anton Bruckner,Paul Hindemith などで使用されているドイツ語の訳例やコメント集(ほんの一部だけイタリア語,フランス語等を含む).どの曲で使用されているかの情報は「略記一覧」を参照のこと.
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/ bedeutet stets: starkes Portamento![RS: Held]
"/"は常にはっきりとしたポルタメントを意味する!
/ bedeutet: vom einem Ton zum andern schleifen (portamento) [RS: Held]
"/"は2音間のポルタメントを意味する.
3 teilig[B: 6]
(弦楽器は)3つの部分に分かれて
4tel Note im Jagdthema länger[B: 4-2]
狩のテーマにおける4分音符は長めに
5 volle Takte lang[RS: Dom]
5小節間の長さで
abdämpfen[GM]
(≒ dampen, mute, deaden / smorzare, attutire)
【一般的な意味】
① (音・光・衝撃・色などを)弱める,和らげる,鈍くする.
② (感情や痛みを)抑える,鎮める.
【音楽用語としての訳例】
「(振動を)止める」,「(シンバルやティンパニなどの)余韻を手で消す」,「弱音器を付ける」,「音を消す(ミュートする)」,「音色を和らげる」
abgestimmte[GM]
(≒ coordinated, balanced, tuned / accordato, bilanciato, coordinato) abstimmen の過去分詞 abgestimmt の格変化形
【一般的な意味】
① (互いに)調整された,調和した,整合された,(服装などが)コーディネートされた.
② 投票された,表決された.
【音楽用語としての訳例】
「(ボウイングなどが)そろえられた」,「(音量や音色の)バランスが調整された」,「(他の楽器とピッチが)合わせられた」
abnehmen[GM]
(≒ to decrease, to diminish, to remove / diminuire, calare, levare, togliere)
【一般的な意味】 
① (量・程度・力などが)減少する,減る,衰える
② (帽子・眼鏡などを)取る,外す
③ (重さ・体重が)減る
④ (受話器を)取る
【音楽用語としての訳例】
「(音量・力強さ・テンポなどが)減少する」,「衰える」,「弱くなる」(diminuendoや calando に相当)

GM では①②どちらの意味でも使用例がある.
abreißen[GM]
(≒ tear off, break off, stop abruptly / strappare, interrompere, troncare)
【一般的な意味】
① もぎ取る,引きちぎる,(建物を)取り壊す.
② (急に)途切れる,中断する,(話や連絡が)切れる.
【音楽用語としての訳例】
「(音やフレーズを)急に断ち切る」,「余韻を残さずに止める」,「分断する」,「(nicht abreißen で)音を途切れさせずに」
Abstieg[RS: Alpen]
下山,下り道,下り坂
abstoßen[H: KM3]
(≒ to push off, to repel, to reject, detached / respingere, rigettare, (mus.) staccare, staccato)
【一般的な意味】
① (物理的に)突き放す,押し出す,はねつける.
② (感情的に)嫌悪感を抱かせる,不快にさせる.
③ (不要なものを)売り払う,処分する.
【音楽用語としての訳例】
「staccato」,「音を切って」,「突くように」,「(管楽器で)タンギングを明確に」,「(弓を)離して弾く」

「(音を)はっきりと分離して」,「音を切り離して」,「突き放すように」(しばしば staccato や martellato のように,音と音の間に明確な間隔を置く奏法を指す)
Abstufungen[GM]
(≒ gradations, shadings, nuances / gradazioni, sfumature)
Abstufung の複数形
【一般的な意味】
① (色・音・光などの)段階的な変化,濃淡,グラデーション,陰影.
② 段階づけ,等級,区別,差異.
【音楽用語としての訳例】
「(強弱やテンポの)段階的な変化」,「(強弱の)細かい区別」,「陰影」,「ニュアンス」,「階調」
abwärts[B: 3], [B: 5]
(≒ downward) 下へ,下って
abweichen[GM]
(≒ deviate, diverge, vary / deviare, scostarsi, differire)
【一般的な意味】
① (進路・規則・基準・話題などから)逸れる,外れる,背く.
② (形・性質・意見などが)異なる,食い違う.
【音楽用語としての訳例】
「(強弱などが)異なる」,「(テンポを)変える」,「(指定されたテンポから)逸脱する」,「(前のテンポから)離れる」,「(音程が)ずれる」
Achtel[GM]
八分音符."Achtel auschlagen"は「8つ振り」としているが,これは「8分音符を基準にカウントする」を意訳している.
achten[GM]
(≒ pay attention, heed, respect, observe / fare attenzione, badare, rispettare, osservare)
【一般的な意味】
① (~に)注意を払う,気をつける,留意する,目をつける.
② 尊敬する,尊重する,重んじる.
【音楽用語としての訳例】
「注意して」,「(~に)気をつけて」,「(リズムや強弱などを)厳守して」,「(他のパートを)よく聴いて」
Akzente[H: KM4]
(=accent) "Akzent" アクセント
alle in den Bläsern als トレモロ音符 notirten Stellen sind mit Zungenschlag auszuführen.[RS: Qui]
すべての管楽器のトレモロ音符で記されている音はタンギング(フラッター)で演奏する.
alles sehr stark und markiert[B: 1]
(弦楽器は)全員たいへん強く,はっきりと(際立たせて)
allgemein[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ general, universal, common / generale, universale, comune)
【一般的な意味】
① 一般的な,全般的な,普遍的な,公の.
② (副詞的に)一般に,総じて,広く.
allmählich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ gradually / gradualmente)
【一般的な意味】
だんだんと,次第に,徐々に.

[RW: Oper], [RS: Oper] では ”allmälig“ となっているところもある.
allmählich alle anderen hinzu[H: Welt]
徐々に残りの全員が入ってくる
allmählich an Stärke immer anwachsen[B: 8-2]
徐々に強さを増していく ."anwachen"(≒ to increase)
allmählich immer mehr abnehmend[RS: Qui]
徐々にますます遅くなる
Alm[RS: Alpen]
(夏に利用される)山地の牧草地
Almosenier[RS: Oper]
(≒ almoner, chaplain / elemosiniere, cappellano)
【一般的な意味】
① (宮廷・貴族の館・軍隊・病院などに仕える)専属司祭,従軍司祭,チャプレン.
② 施し役,慈善係(貧民への金品の施しを分配する職).
【音楽用語としての訳例】
「(オペラの役名として)司祭」,「(宮廷)司祭」,「施し役」

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
als[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ than, as, when / di, che, come, quando)
【一般的な意味】
① (比較級と共に用いられて)~よりも.
② (資格・役割・様態を表して)~として.
③ (過去の事柄を表す接続詞として)~した時に.
【音楽用語としての訳例】
「(~)よりも」,「(~)として」,「(als ob で)あたかも~のように」,「(~の時)のように」
also[GM], [RS: Oper]
(≒ therefore, thus, so / dunque, quindi, perciò, così)
【一般的な意味】
① したがって,それゆえ,だから(論理的帰結).
② つまり,すなわち,言い換えれば.
③ (文頭などで)さて,それでは.
【音楽用語としての訳例】
「したがって」,「それゆえ」,「すなわち」,「(前の指示を受けて)そのように」,「(RSの "Also sprach Zarathustra" などで)かくして」
altväterisch[GM]
(≒ old-fashioned, antiquated, archaic / all'antica, arcaico)
【一般的な意味】
① 古風な,旧式な,時代がかった,古めかしい.
② 祖先伝来の,家長風の,昔気質の.
【音楽用語としての訳例】
「古風に」,「昔風に」,「時代がかった様子で」,「(レントラーなどが)古めかしく」,「野暮ったく(田舎風に)」

GM の交響曲第6番第2楽章にのみ使用例がある.
Andacht[RS: Oper], [RS: Zara]
(≒ devotion, reverence, prayer / devozione, raccoglimento)
【一般的な意味】
① (神への)祈り,礼拝,勤行.
② 敬虔な気持ち,畏敬の念,信心,(精神の)集中.
【音楽用語としての訳例】"mit Andacht" で「敬虔に」,「祈るように」,「信心深く」,「畏敬の念を持って」,「うやうやしく」,
Anfang[GM]
(≒ beginning, start / inizio, principio)
【一般的な意味】
① 始まり,開始,冒頭,初期.
② 起源,発端.
【音楽用語としての訳例】
「冒頭」,「開始」,「(wie im Anfang で)冒頭のように(Tempo I)」,「(vom Anfang で)最初から(Da Capo)」
Angabe[GM]
(≒ indication, statement, instruction / indicazione, istruzione)
【一般的な意味】
① 指示,指定,表示,記述.
② 報告,情報,供述.
③ (口語で)大言壮語,ホラ.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポや発想記号などの)指示」,「指定」,「書き込み」,「標示」
angegeben[GM]
(≒ indicated, specified, stated / indicato, stabilito) angeben の過去分詞
【一般的な意味】
申告された,指定された,述べられた,表示された.
【音楽用語としての訳例】
「指定された通りに」,「(テンポなどが)指示されたように」,「(メトロノームなどについて)書かれた通りに」
angehalten[GM]
(≒ held back, stopped, sustained / ritenuto, sostenuto, fermato) anhalten の過去分詞
【一般的な意味】
① 止められた,停止させられた.
② 促された,しつけられた.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポを)抑制して」,「引き止めて(ritenuto)」,「(音を)十分に保って(tenuto)」など.
「遅くして」と訳している.
Angst[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ fear, anxiety, anguish / paura, angoscia, ansia)
【一般的な意味】
不安,恐れ,恐怖,苦悩.
【音楽用語としての訳例】
「(voll Angst で)不安に満ちて」,「おののいて」,「怯えて」,「不安そうに」
ängstlich[RW: Oper], [RS: Oper]
Angst の項を参照.
anhalten[GM], [RW: Oper]
(≒ stop, halt, hold back / fermare, arrestare, trattenere)
【一般的な意味】
① (人や車を)止める,停止させる,呼び止める.
② (息を)殺す,止める.
③ (状態・天候などが)続く,持続する.
④ (~するように)しつける,促す.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポを)抑える」,「引き止める(リテヌート)」,「立ち止まる」,「(音を)保つ」

GM では「遅くして」,RW では「間を置いて」と訳している. ”anhalten” は "ritenuto" あるいは "fermata","gehalten" は "tenuto" くらいのニュアンスか.名詞の "Anhalten" は「休止」と訳している.
Anhang[H: KM3]
(≒ appendix) 付録,補遺
Anmerkung für den Dirigenten: Von hier * ) bis poco a poco calando ganze Takte schlagen![RS: Juan]
指揮者への注意: この*) からpoco a poco calandoまでは1つ振り!
anmutig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ graceful, charming, pleasant / grazioso, amabile, leggiadro)
【一般的な意味】
① (姿・動作などが)優美な,しとやかな,愛らしい,奥ゆかしい.
② 魅力的な,感じのよい,愛想のよい.
【音楽用語としての訳例】
「優美に」,「愛らしく」,「しとやかに」,「チャーミングに」,「(anmutig bewegt で)優美な動きで」
anreißen[GM]
(≒ pluck forcibly, tear at, sketch / strappare, pizzicare)
【一般的な意味】
① (封などを)破って開ける,(布などを)少し裂く.
② (話題などを)切り出す,触れる.
③ (図面などを)下書きする,スケッチする.
④ (マッチを)擦る.
【音楽用語としての訳例】
「(弦を)強くはじく」,「(鋭く)かき鳴らす」,「(ハープや弦楽器で)強いピチカートで」,「(音を)引っ掛けるように」
anschlagen[GM]
(≒ strike, touch, sound / toccare, battere, intonare)
【一般的な意味】
① (鐘・鍵盤・戸などを)叩く,打つ,鳴らす.
② (ビラ・ポスターなどを)掲示する,貼り出す.
③ (値段・価値などを)見積もる,評価する.
④ (薬・治療などが)効く,効果を現す,(犬が)吠え出す.
【音楽用語としての訳例】
「(鍵盤や弦を)叩く」,「(音を)出す」,「(打楽器を)打つ」,「発音する」,「(特定の音色やテンポを)打ち出す」,「(弦を)弾く」

交響曲第7番第3楽章において低弦の指板に当たる(指板を打つ)くらいの強いピチカートを要求するときに使われている.
anschließend[B: 1], [RW: Oper]
(≒ following, connecting, subsequent / seguente, attaccato, successivo) anschließen の現在分詞
【一般的な意味】
① 続いて起こる,次の,後に続く.
② (副詞的に)引き続いて,その後に,追って. ③ 隣接した,接続した.
【音楽用語としての訳例】
「(切れ目なく)続いて」,「直結して(attacca)」,「次の」,「これに続く」
anschwellen[GM], [B: 8-1], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ swell, increase, grow / crescere, aumentare, ingrossare)
【一般的な意味】
① (音・声・風などが)次第に大きくなる,強まる,高まる.
② (川や水かさが)増水する,みなぎる.
③ (体の一部が)腫れる,膨れる.
【音楽用語としての訳例】
「(音を)膨らませて」,「音量を増して(cresc.)」,「(音が)沸き上がるように」,「(音を)張りつめて」

"nicht Anschwellung"「大きくしないで」が [B: 8-1]にある.
Anstieg[RS: Alpen]
登山,登山道,上り坂
Anstrengung[H: Con], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ effort, exertion, strain / sforzo, fatica, impegno)
【一般的な意味】
① 努力,骨折り,尽力.
② (肉体的・精神的な)緊張,激しい活動,過労.
【音楽用語としての訳例】
「力み」,「緊張」,「("ohne Anstrengung" で)力まずに」,「(同)苦もなく」,("mit Anstrengung" で「必死になって」,「力を込めて」,「緊張して」,「無理をして」,「苦労して」など.
antworten[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ answer, reply, respond / rispondere, replicare)
【一般的な意味】
① (質問・手紙・呼びかけなどに)答える,返事をする,返答する.
② (刺激・信号などに)反応する,応じる.
anwachsen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ grow, increase, swell / crescere, aumentare)
【一般的な意味】
① (量・程度・音などが)増大する,募る,強まる.
② (川の水などが)増水する,満ちる.
③ (植物が)根付く,癒着する.
【音楽用語としての訳例】
「音量を増して」,「(cresc. して)大きく」,「(音を)膨らませて」,「(anwachsend で)次第に強めて」
Anweisung[GM]
(≒ instruction, direction, order / istruzione, indicazione, ordine)
【一般的な意味】
① 指示,指図,命令,指令.
② 使用法,手引き,マニュアル.
③ (銀行の)支払い指図書,送金為替.
【音楽用語としての訳例】
「指示」,「指定」,「(楽譜上の)書き込み」,「演奏指示」
atmen[GM]
(≒ breathe, respire / respirare)
【一般的な意味】
① 呼吸する,息をする,息づく.
② (雰囲気や精神などを)発散する,漂わせる.
【音楽用語としての訳例】
「呼吸をして」,「(管楽器や歌で)ブレスを取って」,「(フレーズの合間で)一呼吸置いて」,「(音楽を)呼吸させて」
Auf blumige Wiesen[RS: Alpen]
花咲く草原
auf der Bühne[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ on the stage, visible / sul palcoscenico, in scena)
前置詞 auf と名詞 Bühne の複合表現
【一般的な意味】
① 舞台の上で,表舞台で.
② (比喩的に)公然と,人前で.
【音楽用語としての訳例】
「舞台上で(演奏すること)」,「表舞台で」,「客席から見える場所で」
auf und ab[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ up and down, to and fro / su e giù, sali e scendi)
auf と ab の組み合わせ
【一般的な意味】
① 上へ下へと,上下に,(部屋などを)行ったり来たり,あちこちへ.
② (道などが)起伏のある,(運命・相場・感情などが)浮き沈みのある,変動する.
【音楽用語としての訳例】
「(音型が)上下して」,「(旋律が)昇降して」,「(ボウイングで)上げ下げして」,「(感情や強弱が)高まったり静まったり」,「(波のように)うねって」

GM では交響曲第6番第3楽章に "auf-und abwogend" ,交響曲第8番第2部に "auf und abschwebend" とある."wogen" は「(大きく ) 波打つ」,「波打つように動く」,"schweben" は「浮かぶ」,「漂う」,「宙づりになっている」の意.[RW: Oper]や [RS: Oper] では「行ったり来たり」,「上下に」と訳している.
aufdringlich[GM], [RW: Oper]
(≒ obtrusive, intrusive, importunate / invadente, importuno)
【一般的な意味】
① (人や態度が)押し付けがましい,出しゃばりな,しつこい.
② (色・音・光などが)けばけばしい,目障りな,強烈な.
【音楽用語としての訳例】
「押し付けがましく」,「出しゃばって」,「(nicht aufdringlich で)目立たないように」,「(同)邪魔にならないように」,「(特定の声部が)突出して」

GM では "nicht aufdringlich" は「押しつけがましくなく」と訳している.
auffahrend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ flaring up, vehement, starting up / impetuoso, scattante, veemente)
auffahren の現在分詞
【一般的な意味】
① (怒りや驚きで)激昂する,カッとなる,いきり立つ,(座席から)跳ね起きる,飛び起きる.
② (乗り物が)乗り上げる,衝突する,(門などを)開く.
【音楽用語としての訳例】
「激昂して」,「荒々しく」,「(感情が)爆発するように」,「急激に」,「(急に)湧き上がるように」

①の意味で訳していることが多い.
auffallen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ stand out, be conspicuous / spiccare, risaltare)
【一般的な意味】
① (人や物が)目立つ,人目を引く,際立つ,異彩を放つ.
② (ある事実に)気がつく,(特徴などが)印象に残る.
【音楽用語としての訳例】
「目立つ」,「際立つ」,「(ohne aufzufallen で)目立たぬように」,「(同)さりげなく」,「(他の声部より)突出して」
aufgeregt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ excited, agitated, nervous / agitato, eccitato, nervoso)
aufregen の過去分詞
【一般的な意味】
① (精神的に)興奮した,高ぶった,激した,動揺した.
② 慌てた,取り乱した,そわそわした.
【音楽用語としての訳例】
「興奮して」,「激して」,「せき込んで」,「動揺して」,「気もそぞろに」,「(心理的に)ざわめいて」
Aufschwung[GM]
(≒ soaring, upswing, flight, impetus / slancio, volo)
【一般的な意味】
① (精神や感情の)高揚,昂ぶり,飛躍,飛翔.
② (経済や活動の)上昇,発展,活況.
③ (体操の)蹴上がり.
【音楽用語としての訳例】
「飛翔」,「飛躍」,「高揚」,「(感情の)高まり」,「(mit Aufschwung で)飛翔するように」,「勢いよく」
aufzufassen[RS: Dom]
(≒ to be conceived, to be interpreted, to be understood / da intendersi, da concepire)
auffassen の zu 不定詞
【一般的な意味】
① (事柄をあるように)解釈する,受け止める,みなす.
② (言葉や意味を)理解する,把握する,聞き取る.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポやリズムを~として)捉える」,「解釈する」,「(拍を~のように)感じる」,「(~のつもりで)演奏する」
aufzustellen[RS: Qui], [RW: Oper]
(≒ to be placed, to be set up / da collocare, da disporre)
aufstellen の zu 不定詞
【一般的な意味】
① (人や物を)配置する,並べる,設置する,(建物を)建てる.
② (説・記録・計画などを)立てる,打ち立てる,主張する.
【音楽用語としての訳例】
「(楽器を~に)配置する」,「(スタンドなどに)据え付ける」,「(舞台裏などに)待機させる」,「(シンバルなどを)吊るすように固定する」など.

[RW: Oper] では"aufstellen"は「整列する」としている.
Augenblicke [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Alpen]
(≒ moments, instants / momenti, istanti)
Augenblick の複数形
【一般的な意味】
① 瞬間,一瞬,瞬きする間,短い時間.
② (現在の)時期,時節,目下.
【音楽用語としての訳例】
「一瞬」,「瞬間」,「(einen Augenblick で)一瞬の間」,「(同)少しの間」,「(単数形で)ほんの束の間」
ausbrechen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ break out, erupt, burst forth / erompere, scoppiare, scatenarsi)
【一般的な意味】
① (囚人や動物が)逃げ出す,脱走する,脱獄する.
② (戦争・火事・病気・嵐などが)突発する,勃発する,(火山が)噴火する.
③ (汗・涙・感情などが)急に吹き出る,ほとばしる,(笑い声などが)どっと起こる.
④ (壁や歯などの)一部が欠けて落ちる,折れる.
【音楽用語としての訳例】
「(音が)爆発して」,「(感情を)爆発させて」,「突発的に(激しく)」,「(急激に)沸き起こって」
ausbreitend[GM]
(≒ spreading out, broadening, expanding / allargando, spianato)
ausbreiten の現在分詞
【一般的な意味】
① (物を)広げる,展開する,(腕を)伸ばす.
② (範囲・勢力などが)広がる,拡張する,(伝染病などが)蔓延する.
③ (詳細に)述べる,詳説する.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポや表現を)幅広く」,「広がりを持って」,「雄大に」,「ゆったりと (allargando) 」,「(音を)拡散させて」など.

"breit"とほぼ同じ指示とみてよいだろう.
Ausdruck[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ expression / espressione)
【一般的な意味】
① (感情・思想などの)表現,表出,(顔の)表情.
② 言葉,言い回し,語法,用語.
③ (印刷の)刷り,プリントアウト.
【音楽用語としての訳例】
「表現」,「表情」,「情感」,「(mit Ausdruck で)表情豊かに (espressivo)」,「心を込めて」,「(mit innigem Ausdruck で)心からの情感を込めて」
ausdrucksvoll[GM]
(≒ expressive, full of expression / espressivo)
【一般的な意味】
① 表情豊かな,表現力に富んだ,味わい深い.
② 意味ありげな,意味深長な.
【音楽用語としての訳例】
「表情豊かに」,「感情を込めて」,「表情をたっぷりと付けて」,「味わい深く」
ausgelassener[RS: Till], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ more exuberant, more unrestrained / più sfrenato, più esuberante)
ausgelassen の比較級,あるいは格変化形
【一般的な意味】
① (比較級として)より陽気な,いっそう奔放な,さらに羽目を外した.
② (形容詞の格変化形として)非常に陽気な,浮かれた,抑えがきかない.
【音楽用語としての訳例】
「(比較級として)より奔放に」,「いっそう熱狂的に」,「さらに浮かれて」,「(格変化として)タガが外れたような」,「狂乱した」
aushalten[B: 3], [RS: Zara], [RS: Qui], [RW: Oper]
(≒ sustain, hold, endure / sostenere, tenere)
【一般的な意味】
① (苦痛や不快な状況に)耐える,持ちこたえる,我慢する.
② (状態が)続く,長持ちする.
【音楽用語としての訳例】
「(音を)十分に保つ」,「(音価通りに)伸ばす」,「(音を)持続させる(ソステヌート)」,「(切らずに)保ち続ける」
ausholen[GM], [RW:Oper]
(≒ swing back, reach back, take a run-up / prendere lo slancio, slanciarsi)
【一般的な意味】
① (打撃や投擲のために)腕を振りかぶる,勢いをつける,身構える.
② (話などを)遠回しに始める,長々と述べる,詳述する.
【音楽用語としての訳例】
「身構えて」,「(指揮や演奏で)大きく振りかぶって」,「勢いをつけて」,「(音を出す)予備動作を大きにとって」
Ausklang[RS: Alpen]
(≒ conclusion, fading away, dying away / conclusione, fine, epilogo)
【一般的な意味】
① (音や響きの)鳴り終わり,余韻,消えていくこと.
② (行事・一日・時代などの)終わり,結び,終末,エピローグ.
auslaufen[H: KM1-1]
(≒ run out, peter out, fade away / sfumare, scemare, finire)
【一般的な意味】
① (液体が)流出する,漏れる,枯渇する.
② (船が)出航する,港を出る.
③ (物事・期間・契約などが)終わる,満了する,(徐々に)停止する.
④ (機械や運動が)惰性で動いて止まる,(余勢で)走り終える.
【音楽用語としての訳例】
「(音やフレーズが)消えていく」,「(動きが)止まっていく」,「(余韻で)終わる」,「流れるように終わらせる」,「(力を抜いて)惰性で終わる」など.

[H: KM1-1]での"auslaufen lassen" は,「(サイレンを止めるのだが,すぐに音を消さずに)徐々に音が弱まっていくままにしておく」くらいのニュアンスであろうか.
ausser sich[RW: Oper], [RS: Oper]
außer sich の項を参照.
außer sich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ beside oneself, frantic, out of one's mind / fuori di sé)

【一般的な意味】
① 我を忘れて,逆上して,(怒り・悲しみ・喜びなどで)正気でなくなって.
② 夢中になって.
【音楽用語としての訳例】
「我を忘れたように」,「狂気じみた様子で」,「我を失うほど激しく」

喜びで「我を忘れる」こともあるが,怒り,恐怖,絶望といった強い衝動によって理性を失っている状態を指すこともある.
äusserst[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
äußerst の項を参照
äußerst[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ extremely, utmost / estremamente, estremo)
äußerst の別表記(außer の最上級)
【一般的な意味】
① この上なく,極めて,非常に,甚だ.
② (空間・時間的に)最も外側の,一番端の,ギリギリの.
【音楽用語としての訳例】
「極めて」,「最大限に」,「(他の形容詞を強めて)この上なく」,「極度に」,「限界まで」
Auswahl[GM]
(≒ selection, choice / selezione, scelta)
【一般的な意味】
① 選ぶこと,選択,選定,選抜.
② 品揃え,選り抜きの品,(詩などの)選集,抜粋.

GM の交響曲第8番では,①の意味で用いられている.
AV[RS]
Allgemeines Verzeichnis の略

Allgemeines Verzeichnis der Werke von Richard Strauss:Richard Strauss 作品総合目録

全作品を通し番号で管理するための目録.作曲年代順を基本に全作品に 1 から連番を付与したもの.”TrV” とは違い,冒頭主題 (incipit) は扱わず,改定の区別もしない.年代順に番号を振ったもので,事務的,管理的なもの.研究・同定のためには "TrV" ,全集・出版社管理のためには"AV",という二重管理が行われている.

"TrV" の項も参照のこと.
Bache[RS: Alpen]
"Bach" は,「小川 (≒) brook」
bald~, bald~[GM]
(≒ now ..., now ...; sometimes ..., sometimes ... / ora ..., ora ...)
【一般的な意味】
① ある時は~,またある時は~.
② ~かと思えばまた~する(相反する状態が交互に現れる様子).
【音楽用語としての訳例】
「ある時は~,またある時は~」,「~したり,~したり」,「(bald schnell, bald langsamなどで)速くなったり遅くなったり」,「気迷うように」
Bandes[H: KM3]
(≒ volume) "Band" は(本の )「巻」,「冊」
barsch[GM], [RW: Oper]
(≒ gruff, brusque, harsh / brusco, rude, aspro)
【一般的な意味】
① (態度や声が)ぶっきらぼうな,荒々しい,ぞんざいな,無愛想な.
② (味が)ひどく渋い,(寒さが)刺すような.
【音楽用語としての訳例】
「荒々しく」,「ぶっきらぼうに」,「とげとげしく」,「ぞんざいに」,「(音を)叩きつけるように」

子供の魔法の角笛"Lob des hohen Verstands"にある歌唱指示.「とげとげしく」と訳している.なお,RWにも使用例がある.文脈によっては「無愛想に」「荒々しい口調で」,「冷たく言い放って」などでもよいだろう.
Bassclarinette, Fagotte, Hörner, Violoncelle müssen so leise sein, dass die führende Stimme (Oboe und Solovioline) mühelos hervortritt[RS: Qui]
バスクラリネット,ファゴット,ホルン,チェロは主導する声部(オーボエとソロヴァイオリン )がたやすく目立つように静かに演奏しなければならない.
Bässe (Violen u. Celli) deutlich hervortretend, immer fort[B: 5]
低音部(ビオラとチェロ)は常にはっきりと,目立って
Bässe jedoch deutlich hervortretend (Celli u. Violen)[B: 5]
「低音部(チェロとビオラ)は,しかしながら,はっきりと目立って」."hervortretend"に引き続く指示として追記されている.
beängstigen[GM]
(≒ frighten, alarm, oppress / spaventare, angosciare, opprimere)
【一般的な意味】
① (人を)怖がらせる,不安にさせる,脅かす.
② (心配・不安などで)胸を締めつける,重苦しくさせる,悩ます.
【音楽用語としての訳例】
「(beängstigend で)恐ろしいほどに」,「不安を煽るように」,「脅かすように」,「胸が締めつけられるように」,「気味悪く」

”mit beängstem Ausdruck”は「不安な表情で」とした.
bedächtig[GM]
(≒ deliberate, unhurried, measured / comodo, misurato, ponderato)
【一般的な意味】
① (動作や話し方が)ゆっくりとした,落ち着いた,急がない.
② 思慮深い,慎重な,用心深い.
【音楽用語としての訳例】
「落ち着いて」,「急がずに」,「ゆっくりと」,「慎重に」,「(一音一音を)噛みしめるように」,「(テンポを)ゆったりと取って」
bedeutend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ significant, considerable, meaningful / importante, notevole, considerevole)
bedeuten の現在分詞
【一般的な意味】
① 重要な,意義深い,意味のある.
② (量・程度などが)かなりの,相当な,著しい.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポ修飾などで)大幅に」,「著しく」,「際立って」,「(主題などを)重要に」,「意味ありげに」,「(bedeutend langsamer で)ぐっと遅く」
bedeutungsvoll[RS: Zara], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ meaningful, significant, expressive / significativo, espressivo, pieno di significato)
【一般的な意味】
① 意味深長な,意味ありげな,含みのある.
② 重要な,重大な,意義深い.
【音楽用語としての訳例】
「意味深く」,「意味ありげに」,「重々しく」,「(一音一音に)深い意味を込めて」,「(動機などを)強調して」
Bediente[RS: Oper]
(≒ servant, attendant, lackey / servo, servitore)
bedienen の過去分詞 bedient の名詞化
【一般的な意味】
① 召使い,使用人,従僕,(身分の低い)家来.
② (店などの)店員,給仕.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
befehlend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ commanding, peremptory / imponente, autoritario)
befehlen の現在分詞
【一般的な意味】
命令するような,威圧的な,高圧的な.
【音楽用語としての訳例】
「命令的に」,「威圧的に」,「断固として」
befremdet[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ disconcerted, estranged, surprised / sconcertato, sorpreso, stranito)
befremden の過去分詞
【一般的な意味】
① (様子や言動を)奇異に感じた,違和感を抱いた,不審に思った.
② 驚きあきれた,面食らった,疎外感を覚えた.
【音楽用語としての訳例】
「怪訝そうに」,「不審げに」,「奇異なものを見るように」,「面食らって」,「よそよそしく」
Begeisterung[RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Held]
(≒ enthusiasm, rapture, ecstasy / entusiasmo, slancio)
【一般的な意味】
① 熱狂,感激,有頂天,恍惚.
② 熱意,やる気,強い関心.
③ (芸術的・宗教的な)霊感,インスピレーション.
【音楽用語としての訳例】
「熱狂的に」,「感激して」,「高揚して」,「(mit Begeisterung で)熱意を持って」,「(精神的に)高まって」,「情熱的に」
begleitend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ accompanying, attending / accompagnante)
begleiten の現在分詞
【一般的な意味】
① 同行する,付き添う,案内する,護衛する.
② (現象などが)付随する,伴う.
【音楽用語としての訳例】
「伴奏して」,「付き添って」,「(ソロに)合わせて」,「(主旋律を)支えて」,「(begleitende Stimmen で)伴奏声部」
behäbig[GM]
(≒ comfortable, slow-moving, stodgy / comodo, pesante, lento)
【一般的な意味】
① (体格が)ずんぐりした,太鼓腹の,肥満した.
② (動作や思考が)のろい,鈍重な,緩慢な.
③ 落ち着き払った,悠然とした,(生活などが)安楽な.
【音楽用語としての訳例】
「ゆったりと」,「落ち着いて」,「(少し)重々しく」,「鈍重に」,「(レントラーなどで)野暮ったく」,「(テンポを)急がずに」

子供の魔法の角笛 "Des Antonius von Padua Fischpredigt" にあり,「のっそりと」と訳している.また,RS の Der Rosenkavalier では「ゆったりと」,Ariadne auf Naxos では「重々しく」と訳しているが,どれも訳出には迷う.
behaglich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ comfortable, cozy, leisurely / comodo, piacevole)
【一般的な意味】
① (場所や雰囲気が)心地よい,快適な,くつろいだ,安楽な.
② (人や動作が)ゆったりした,のんびりした,満ち足りた.
【音楽用語としての訳例】
「ゆったりと」,「心地よさそうに」,「くつろいで」,「のんびりと」,「(GMなどで)田舎風にのどかに」
behutsam[K: App]
(≒ cautious, gentle, careful / cauto, prudente, delicato)
【一般的な意味】
① (壊れやすい物や人を扱うように)慎重な,用心深い,細心の注意を払った.
② そっとした,静かな,(手つきなどが)丁寧な.
【音楽用語としての訳例】
「慎重に」,「そっと」,「(音を)大切に」,「用心深く」,「(音を立てないように)静かに」
beibehalten[H: KM2]
(≒ maintain, keep, retain / mantenere, tenere)
【一般的な意味】
① (状態・習慣・権利・住所などを)維持する,保つ,保持する,変えない.
② (意見・態度・方向などを)守り通す,固持する.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポを)保つ」,「(同じ速さを)維持する」,「変えないで」,「(im Tempo beibehalten で)イン・テンポで」,「(以前のテンポを)持続する」
beide ohne Dämpfer[RS: Alpen]
両方ともミュートなしで
beinahe[GM], [B: 5]
(≒ almost, nearly / quasi)
【一般的な意味】
① ほとんど,もう少しで,危うく(~するところ),~に近い.
【音楽用語としての訳例】
「ほとんど」,「~に近い」,「(beinahe unhörbar で)ほとんど聞こえないほどに」,「(beinahe Adagio で)アダージョに近い速さで」
beinahe doppelt so langsam[RS: Qui], [RS: Held]
ほぼ2倍の遅さで
beinahe doppelt so schnell[RS: Held]
ほぼ2倍の速さで
Beinahe Melodie im gleichen Rhythmus wie im Allabreve-Takte, jedoch langsamer[B: 5]
ほとんど旋律のように,アラ・ブレーヴェ拍子と同じリズムで.しかしより遅く.

ここでの「リズム」とは「テンポ感」のことを意図していると思われる.
beiseite[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ aside, apart / a parte, in disparte)
【一般的な意味】
① 脇へ,横へ,片隅に.
② (誰にも聞こえないように)こっそりと,内緒で.
③ (冗談などは)さておき,別として.
【音楽用語としての訳例】
「(オペラのト書きで)傍白」,「脇へ」,「(他の登場人物に)聞かれないように」,「(楽器を)置いて」

für sichvor sich の項も参照.
beklommen[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ anxious, uneasy, oppressed / angosciato, oppresso, ansioso)
beklemmen の過去分詞
【一般的な意味】
① (恐怖や不安で)胸が締めつけられるような,息苦しい,重苦しい.
② 不安な,おののいた,おどおどした,心細い.
【音楽用語としての訳例】
「不安げに」,「胸が詰まるように」,「重苦しく」,「息苦しい感じで」,「(不安で)締め付けられるように」
bemessen[GM]
(≒ measured, calculated, proportioned / misurato, calcolato, proporzionato)
bemessen の過去分詞
【一般的な意味】
① (寸法・分量・期間などを)測定する,計る,算出する.
② (分量などを)割り当てる,配分する,制限する.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポやリズムを)正確に計って」,「(拍を)厳密に保って」,「(時間を)切り詰めて」,「(genau bemessen で)厳格な拍子で」,「(音価を)几帳面に」
bereits[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ already / già)
【一般的な意味】
① すでに,もう,早くも(予想より早く).
② (未来を表す語と共に)今すぐに,ただちに.
Berg[H: Sch]
(≒ mountain) 山,丘
Bericht[GM]
(≒ report, account, narrative / racconto, relazione, resoconto)
【一般的な意味】
① 報告,通知,報道,連絡.
② (出来事などの)記述,物語,語り.
beruhigen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ calm down, soothe, quiet / calmare, tranquillizzare, quietare)
【一般的な意味】
① (人・神経・感情などを)落ち着かせる,静める,なだめる,安心させる.
② (痛みや波などを)和らげる,鎮める.
③ (再帰的に sich beruhigen で)落ち着く,静まる,収まる.
【音楽用語としての訳例】
「落ち着いて」,「(テンポを)静めて」,「(徐々に)遅く(calando / ritardando)」,「(興奮を)鎮めるように」,「なだめるように」,「平穏に」
beschleunigen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ accelerate, speed up, hasten / accelerare, affrettare)
【一般的な意味】
① (速度・動きなどを)速める,加速する,スピードを上げる.
② (成長・工程・時期などを)早める,促進する.
【音楽用語としての訳例】
「速く(アッチェレランド)」,「(テンポを)速める」,「急き込んで」,「(nicht beschleunigen で)走らないように」
beschwingt[RS: Held], [RS: Oper]
(≒ winged, lively, buoyant / alato, animato, vivace)
beschwingen の過去分詞
【一般的な意味】
① 翼のある,翼を与えられた.
② (精神的に)高揚した,心が弾む,軽快な,活気に満ちた.
【音楽用語としての訳例】
「軽快に」,「弾むように」,「活気を持って」,「(リズムに)乗って」,「(足取り)軽く」
besetzen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ occupy, fill, cast / occupare, coprire, distribuire)
【一般的な意味】
① (場所・土地・座席・地位などを)占める,占領する,(席を)取る.
② (役職や配役などを)割り当てる,任命する.
③ (ふち・飾りなどを)付ける,縫い付ける.
【音楽用語としての訳例】
「(楽器を)編成する」,「(パートを)割り当てる」,「(役を)キャストする」,「(stark besetzt で)大編成で」,「(doppelt besetzt で)倍管で(プルトを倍にして)」

GM では「配置する」の意味で使われていることが多い.大地の歌第4楽章には"stark besetzt"という指示があるが,これは「複数人で(厚めに)編成せよ」という意味であろう.
besonders[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ especially, particularly / specialmente, particolarmente)
【一般的な意味】
① 特に,とりわけ,格別に,際立って,非常に.
② 別に,特別に,個別に.
bestimmt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ determined, resolute, distinct / deciso, risoluto, marcato)
bestimmen の過去分詞
【一般的な意味】
① 断固とした,決然とした,確固たる,意思の強い.
② 定められた,一定の,ある(特定の),確かな.
【音楽用語としての訳例】
「決然と」,「断固として」,「はっきりと」,「(リズムを)強調して(マルカート)」,「(確信を持って)力強く」

主に①の意味だが,GM の Glocken に対する指示では②の意味で使われている.
betreffen[GM]
(≒ concern, affect, regard / riguardare, concernere)
【一般的な意味】
① (事柄が人や物に)関係する,関わる,影響を及ぼす.
② (人・主語を)対象とする,問題にする.
③ (was ... betrifft の形で)~に関しては,~について言えば.

GM では①の意味で用いられている.
bewegt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ moved, agitated, animated / mosso, agitato, animato, commosso)
bewegen の過去分詞
【一般的な意味】
① 動かされた,動きのある,揺れ動く.
② 心を動かされた,感動した,興奮した.
③ (人生などが)変化に富んだ,波乱の多い.
【音楽用語としての訳例】
「動きを持って(mosso)」,「(少し)速く」,「生き生きと」,「感動的に」,「激動して」,「(Mäßig bewegt で)適度な動きで(moderato)」
Bewegter (im künftigen Allegro-Tempo)[B: 5]
より動いて(のちにAllegroのテンポになる)
Bewertung[H: KM3]
(≒ evaluation, assessment, rating / valutazione, stima, giudizio)
【一般的な意味】
① 評価,査定,見積もり,値踏み.
② (成績や批評などの)評点,評定,レビュー.
bezeichnen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ designate, mark, indicate / indicare, marcare, segnare)
【一般的な意味】
① (記号や名札を)付ける,目印を付ける,表示する.
② (~と)呼ぶ,称する,描写する,形容する.
③ 指し示す,意味する,象徴する.
【音楽用語としての訳例】
「(はっきりと)示す」,「(リズムや旋律を)強調する(マルカート)」,「(genau bezeichnet で)指示通り正確に」,「際立たせる」,「(アクセントを)付ける」
bisbigliando[GM]
(≒ whispering, murmuring / flüsternd)
イタリア語 bisbigliare の現在分詞(bispigliando は古風な綴り,または異綴り)"bisbigliare" は「ささやく」,「ひそひそ話す」や「つぶやく」,「ぼそぼそ話す」の意味がある.
【一般的な意味】
① ささやく,小声で話す,耳打ちする.
② (葉や水などが)さらさらと鳴る,ざわめく.
【音楽用語としての訳例】
「ささやくように」,「(ハープなどで)異名同音を用いた微細なトレモロで」,「ざわめくような音色で」

[RS: Duett] には "bispiglando" という表記もある.
bispigliando[GM]
bisbigliando の項を参照.
bitte[RS: Juan], [RS: Oper]
(≒ please, request, plea / per favore, prego, supplica)
bitten の一人称単数,命令形,または不変化詞としての用法
【一般的な意味】
① (依頼・要求・命令を丁寧に添えて)どうか,どうぞ,お願いします.
② (感謝に対する応答で)どういたしまして.
③ (聞き返しとして)えっ,何ですか,もう一度お願いします.
④ (名詞 die Bitte として)願い,頼み,懇願.
bitter[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ bitter, harsh, severe / amaro, aspro)
【一般的な意味】
① (味が)苦い.
② (経験・失望などが)つらい,苦しい,悲痛な,厳しい.
③ (態度・言葉などが)激しい,手厳しい,憎々しげな,冷笑的な.
【音楽用語としての訳例】
「苦々しく」,「悲痛に」,「厳しく」,「つらく」,「(音色を)鋭く」,「憎々しげに」

GM の交響曲第3番第5楽章では「切なく」と訳した.
Blechbläser[H: K49], [H: K50]
金管楽器
bleibt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ remains, stays, persists / rimane, resta)
bleiben の3人称単数現在形,または2人称複数命令形
【一般的な意味】
① (ある場所に)とどまる,居残る,滞在する.
② (ある状態の)ままである,(~し)続ける.
③ 残る,余る,遺される.
【音楽用語としての訳例】
「留まって」,「(テンポなどが)そのままで」,「変わらずに」,「(~の)ままで」,「(Das Zeitmaß bleibt で)速さを変えずに (l'istesso tempo) 」
bloß[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ mere, only, bare / solo, soltanto, nudo)
【一般的な意味】
① (体や剣などが)裸の,むき出しの,覆いのない.
② (限定して)単なる,ほんの,ただの.
③ (副詞・心態詞として)ただ~だけ,単に,
④(命令文で)いいから~せよ,(禁止で)ゆめゆめ~するな.

GM では③の意味で用いられている.
blumige[RS: Alpen]
"Blume" は「花」(≒ flower)
Bogen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ bow / arco)
【一般的な意味】
① 弓,(狩猟用・競技用の)弓.
② 弓なりに曲がったもの,アーチ,弧,カーブ.
③ (建築の)アーチ,(川の)屈曲部.
④ (紙の)一枚,一帖.
【音楽用語としての訳例】
「弓」,「楽弓」,「スラー」,「フレーズの区切り」,「タイ」

mit dem Bogen: 「弓を使って(アルコ)」
Phrasierungsbogen: 「フレーズの弧」
Bogenwechsel: 「弓の返し」

[RW: Oper] や [RS: Oper] ではもちろん①の意味での使用例が数多くある.
boshaft[K: Cap], [RS: Oper]
(≒ malicious, spiteful, wicked / malizioso, cattivo, maligno)
【一般的な意味】
① (人や言動が)悪意のある,意地の悪い,底意地の悪い,陰険な.
② (病気などが)悪性の,たちが悪い.
【音楽用語としての訳例】
「悪意を持って」,「意地悪く」,「皮肉っぽく」,「(スケルツォなどで)毒を含んだように」
Bravour[GM]
(≒ bravery, brilliance, virtuosity / bravura)
フランス語 bravoure を語源とする名詞
【一般的な意味】
① (困難な状況における)勇気,勇敢さ,果敢な振る舞い.
② (技術的な)卓越した腕前,見事な手際,熟練.
【音楽用語としての訳例】
「華々しく」,「超絶技巧を駆使して」,「堂々と」,「(技巧的に)鮮やかに」

交響曲第7番第5楽章にのみ使用例がある."mit Bravour"は「華麗に」と訳している.
breit[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Hr2], [H]
(≒ broad, wide, expansive / largo, largamente, ampio)
【一般的な意味】
① (幅・面積などが)広い,広大な,幅のある.
② (話・描写などが)長々とした,詳細な,くどい.
③ (態度などが)横柄な,ふてぶてしい.
【音楽用語としての訳例】
「幅広く」,「ゆったりと(ラルゴ)」,「堂々と」,「(テンポを)遅く」,「重々しく」,「(音を)十分に保って」

「幅広く」とよく訳されているがやや意味不明なので,「ゆったりと」としてる. ”allargando” とニュアンスが似ているか.もっとも,弦楽器に使用される場合は "breit geschtrichen" は「幅広く弓を使って」のような意味になる."breit" だけなら「広がりをもって」のような訳でもよいかもしれない."nicht breit" はテンポを引き締める意味もあるだろう.
Breit, majestätische Halbe[H: KM4]
ゆったりと堂々とした2分音符で
Bruckner hat selbst die Besetzung mit vier Hörnern empfohlen. D.H.[B: 7]
ブルックナー自身は4本のホルンを配置することを推奨していた(編集者による注).
brutal[GM]
(≒ brutal, violent, savage / brutale, violento)
【一般的な意味】
① (人や行為が)残忍な,野蛮な,暴力的な,獣のような.
② (事実などが)露骨な,赤裸々な,荒削りの,容赦のない.
【音楽用語としての訳例】
「暴力的に」,「野蛮に」,「荒々しく」,「(音を)叩きつけるように」,「粗暴に」,「容赦なく」

交響曲第6番第4楽章にのみ使用例がある.「粗暴に」と訳している.
Cäsur[GM]
(≒ caesura, break, pause / cesura)
ラテン語の caesura(切り取ること)に由来.
【一般的な意味】
① 句切り,切れ目,境界.
②(歴史や人生などの)大きな転換点,断絶.
【音楽用語としての訳例】
「休止」,「句切り」,「息継ぎ(ブレス)」,「(短い)間」

一区切りついたことを示し.演奏者に「ここで一息つく(あるいは音楽的な句読点を打つ)」ことを促す.Luftpause に近いか.
Charakter[GM]
(≒ character, nature, mood / carattere, natura)
【一般的な意味】
① (人や物の)性格,性質,特質,個性,人柄.
② (地位や身分に伴う)資格,称号,役柄.
③ 文字,字体,記号.
【音楽用語としての訳例】
「性格」,「特性」,「(曲の)気分」,「品格」,「(im Charakter... で)~の風格で」,「~のような感じで」,「(~の)雰囲気で」
Choral "Für deinen Thron tret ich hiermit."[H: Trau]
コラール「汝の玉座に向かって我ともに歩む」
Choral bis zum Ende fff[B: 5]
コラール.終わりまでfffで
Componist[RS: Juan]
作曲家
Consonanten[GM]
(=Konsonanten) 子音
cuivrez[GM]
これはフランス語."schmetternd" の項を参照
d.h.[GM]
(=das heißt ≒ meaning, that is, in other words) つまり,すなわち
D.H., d.H.[B: 7], [B: 8-2]
(=Der Herausgeber) 編集者,編集発行人
dahinhuschend[K: Cap]
(≒ scurrying along, whisking past, fleeting / guizzando via, scorrendo, sfuggente)
dahinhuschen の現在分詞
【一般的な意味】
① (幽霊・小動物・影などが)音もなくサッと通り過ぎる,不意に現れて消える,こそこそと走る.
② (時間などが)飛ぶように過ぎ去る.
【音楽用語としての訳例】
「サッと通り過ぎるように」,「(風のように)疾走して」,「かすめるように」,「幻影のように素早く」
Dämpfer[GM]
(≒ mute, damper, silencer / sordina, smorzatore)
【一般的な意味】
① (振動・音・衝撃などを)弱める装置,緩衝器,ショックアブソーバー.
② (意気込みに対する)水入り,興ざめ,気勢を削ぐもの.
③ (料理用の)蒸し器.
【音楽用語としての訳例】
「弱音器(sordina)」,「(ピアノなどの)ダンパー(止音器)」,「(mit Dämpfer で)弱音器を付けて(con sordino)」,「(Dämpfer ab / weg で)弱音器を外して(senza sordino)」

"Dämpfer auf" の項も参照.
Dämpfer ab[GM]
"Dämpfer abnehmen" あるいは "Dämpfer absetzen" の略.”Dämpfer auf” の項を参照.
Dämpfer auf[GM]
GM の場合,"Dämpfer aufsetzen" の略で,「ミュートをつける」の意味であるが,ドイツ語の音楽指示において "auf","ab" について混乱があるので整理しておく必要がある.この混乱の原因は,指示が「楽器の状態(開閉)」を指しているのか,「奏者の動作(載せる・外す)」を指しているのかという視点の違いにある.

1. 動作に着目する場合,GM では動詞 aufsetzen(載せる)と abnehmen(取り去る)の略記として扱われている.すなわち,"Dämpfer auf":ミュートをつける(aufsetzen:駒やベルに載せる動作).”Dämpfer ab”:ミュートをはずす(abnehmen, absetzen:取り去る動作)となる.したがって,GM の場合は「auf = 装着」と解釈すべき.
2. 状態に着目する場合(現代・一般的な語法),楽器の出口(ベル)がミュートで「閉じているか」「開いているか」という物理的な状態を指す."Dämpfer zu":ミュートをつける(zu:出口を閉める)の対義語として ”Dämpfer auf”:ミュートをはずす(auf:出口を開ける,オープンにする),となるので,現代の金管楽器奏者の間では,こちらの「Open(開く)」という意味で auf が使われることも多い.このため GM の指示と真逆の解釈が生まれる原因となっている.
Dämpfer weg[RS: Alpen]
「弱音器をはずす」の意味であるが "weg" の使用例は GM にはない.”weg” は,「取り除かれて」,「除去されて」.”Dämpfer auf” の項を参照.
darf[GM]
(≒ may, be allowed to / potere, essere permesso)
dürfen の1人称単数および3人称単数現在形
【一般的な意味】
① (~)してもよい,許されている(許可).
② (否定語と共に)~してはいけない,~するべからず(禁止).
【音楽用語としての訳例】
「(~しては)いけない」,「(~しては)ならない」,「(~しても)よい」,「(nicht schleppen darf などで)~しないように」,「(~する)ことは許されない」

交響曲第8番第2部に"Darf vorher unter keinen Umständen auffallen"(これより前の部分ではいかなる状況にあっても決して目立ってはならない)と強い調子で書いてあるのが面白い.リハのときに独唱者がゴソゴソ動いて GM がブチ切れたに違いない.
darstellen[GM], [RW: Oper]
(≒ represent, portray, depict, perform / rappresentare, raffigurare, interpretare)
【一般的な意味】
① (絵や言葉で)表現する,描写する,描く.
② (舞台で役を)演じる,扮する.
③ (ある事柄を)意味する,(~に)相当する,構成する.
Darstellung[RS: Tod]
(≒ representation, performance, depiction / rappresentazione, esecuzione)
【一般的な意味】
① (絵画・言葉などによる)表現,描写,記述,説明.
② (演劇・芸術などの)上演,演技,パフォーマンス,演出.
③ (表やグラフによる)表示,提示.
【音楽用語としての訳例】
「演奏」,「解釈」,「表現」,「提示」,「(役の)演技」,「(作品の)具現化」
Das dritte und vierte Hörnerpaar übernehmen die Tuben[B: 8-1]
ホルンの3組目および4組目(要するに5,6,7,8thホルン)はワーグナーテューバに持ち替え
das zweite Cello am 1.Pult mit der untersten Stimme.[RS: Qui]
チェロの第1プルトの第2奏者は下声部を演奏する.
dasselbe[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ the same, identical / lo stesso, il medesimo)
【一般的な意味】
同じもの,同一のもの,変わらないこと.
【音楽用語としての訳例】
「同じ」,「同様に」,「(dasselbe Zeitmaß / Tempo で)同じ速さで(l'istesso tempo)」,「前と同じように」

"derselbe","dieselbe" も同じ."dasselbe"は後ろに中性名詞が続くときに用いられる.
ただし,上記とは違う使われ方もある.[RW: Oper] や[RS: Oper] などに出てくる少し古い文体や硬い文体では,es(それ)と言う代わりに dasselbe(それそのもの,同上のもの)を使って,対象を強調したり,名詞の繰り返しを避けたりすることがあるようだ.
decken[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ cover, shield, coincide / coprire, proteggere, coincidere)
【一般的な意味】
① (物を)覆う,被せる,包み隠す.
② (テーブルの)用意をする,配膳する.
③ (費用・需要などを)賄う,満たす.
④ (幾何学などで)合致する,ぴったり重なる.
⑤ (攻撃から)身を守る,かばう,掩護する.
【音楽用語としての訳例】
「(音を)覆う」,「(他の音を)かき消す」,「(音が)重なる」,「(声の響きを)カバーする(coperto)」,「(演技で)かばう」

[GM] では "nicht decken" で「かき消さないように」と訳している.
declamirend[RS: Qui]
(≒ declaiming, reciting / declamando, recitando)
deklamieren の現在分詞(declamirend は古風な綴り)
【一般的な意味】
① (詩や演説などを)朗読する,熱弁を振るう,格調高く語る.
② 大げさに言う,美辞麗句を並べる.
【音楽用語としての訳例】
「語るように(declamando)」,「朗読風に」,「言葉の抑揚を強調して」,「(旋律よりも)言葉を重視して」
demnach[H: Tanz]
(≒ therefore, accordingly, consequently / dunque, di conseguenza, perciò)
【一般的な意味】
① それゆえ,したがって,だから(前述の事柄からの帰結).
② それに応じて,その通りに(そうした事情なので).
demütig[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ humble, submissive, meek / umile, sottomesso)
【一般的な意味】
① (神や人に対して)へりくだった,謙虚な,恭しい,卑下した.
② 従順な,甘んじて受け入れる,慎ましやかな.
【音楽用語としての訳例】
「謙虚に」,「へりくだって」,「恭しく」,「慎ましやかに」,「(神妙に)頭を垂れて」

demütig:謙虚・恭しい(中立〜やや肯定的)
devot:過剰に従順 / 卑屈 / 媚びた(否定的ニュアンスが強い)
現代ドイツ語では devot = 卑屈で相手に迎合的 という語感が強いようだ.
Den Manen des unsterblichen Mozart am Ende eines dankerfüllten Lebens[RS: Son-2]
感謝に満ちた人生の終わりにあたり,不滅のモーツァルトの御霊に捧ぐ.
Der Gutzgauch auf dem Zaune saß[H: Sch]
よきカッコウ(=Gutzgauch)が柵の上に座っていた (The cuckoo sits on the fence)
Der Klavierauszug dient nur zum Einstudieren und darf nicht für Aufführungen benutzt werden.[H: K49]
ピアノ用スコア(の部分)は,練習(研究)のときのみに使い,実演で使用してはならない.
der zweite Spieler am 1.Pult tacet.[RS: Qui]
1プルトの第2奏者は休み.
derb[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ rough, coarse, sturdy, rude / ruvido, rozzo, robusto)
【一般的な意味】
① (布・木材などが)粗い,ざらざらした,(作りが)頑丈な,荒削りの.
② (人や態度が)粗野な,ぶっきらぼうな,無作法な,デリカシーのない.
③ (体つきなどが)がっしりした,たくましい,強健な.
【音楽用語としての訳例】
「粗野に(ruvido)」,「荒っぽく」,「(レントラーなどで)田舎風に粗く」,「野太く」,「力強く(robusto)」,「ぶっきらぼうに」

GM では交響曲第9番第2楽章でのみ使用例がある.「粗野に」と訳している.
derselbe[GM]
(≒ the same, identical / la stessa, la medesima)
【一般的な意味】
① (女性名詞,または複数を指して)同じもの,同一のもの,変わらないこと.
【音楽用語としての訳例】
「同じ」,「同様に」,「(derselbe Rhythmusで)同じリズムで」,「前と同じように」

"dasselbe","dieselbe" も同じ."derselbe"は後ろに男性名詞が続くときに用いられる.
deutlich[GM]
(≒ clear, distinct, articulate / chiaro, distinto, marcato)
【一般的な意味】
① (音・姿・輪郭などが)はっきりした,明瞭な,鮮明な,聞き取りやすい.
② (意味・発言などが)明白な,分かりやすい,露骨な.
【音楽用語としての訳例】
「はっきりと」,「明瞭に」,「くっきりと」,「(発音を)明確に」,「(旋律を)際立たせて」,「(アーティキュレーションを)明確に」
deutlich phrasiert[K: Cap]
はっきりとしたフレーズで
devot[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ submissive, servile, humble / sottomesso, servile, umile)
【一般的な意味】
① (態度が)過度にへりくだった,卑屈な,服従的な,隷属的な.
② (古語として)信心深い,献身的な.
【音楽用語としての訳例】
「卑屈に」,「へりくだって」,「もみ手をするように」,「服従して」,「(過度に)恭しく」,「ペコペコして」

「へりくだって」などとしている.
demütig:謙虚・恭しい(中立〜やや肯定的)
devot:過剰に従順 / 卑屈 / 媚びた(否定的ニュアンスが強い)
現代ドイツ語では devot = 卑屈で相手に迎合的 という語感が強いようだ.
Dickicht[RS: Alpen]
(≒ thicket, brushwood, tangle / boscaglia, macchia, folto)
【一般的な意味】
① (木や草の)茂み,藪(やぶ),密林,雑木林.
② (比喩的に)入り組んだもの,錯綜(さくそう),(規則や嘘などの)もつれ.

[RS: Alpen]では「茂み」,「藪」
Die 3 letzten Noten des Hauptthemas die Streicher immerfort kurz abwärts[B: 5]
弦楽器の主要主題の最後の3つの音は絶えず短くdownで(弾く ) .
Die Accentuierung darf natürlich nur zu ppp proportioniert geschehen.[B: 5]
アクセントはもちろんpppに見合った程度でしか行われない.
die beiden Clarinetten stets in gleicher Stärke.[RS: Dom]
両方のクラリネットは常に同じ強さで.
Die Erstfassung des I. Satzes von 1925 findet sich im Anhang des vorliegenden Bandes Seite 94 ff.[H: KM4]
1925年の初版の第1楽章はこの巻の補遺の94ページ以下にある.

(注)使用楽譜には「補遺」はない.
Die G-Saiten der zweiten Geigen werden auf fis hinabgestimmt; der als g notierte Ton klingt demnach fis.[H: Tanz]
2ndヴァイオリンのG線はfisに下げて調弦する;gで表記されている音はしたがってfisの音が鳴る.
Die Nachschläge sind bestimmt, aber sehr leicht zu markieren; und so immer[B: 1]
後打音ははっきりと,しかしたいへん軽やかに際立たせなければならない.
Die Onkels: "Ganz die Mama!":[RS: Dom]
叔父たち:「ママそっくり!」
Die Orgel sehr schwach zu registrieren, so dass sie durchgängig als begleitend und die Streichinstrumente als führend erscheinen.[RS: Zara]
オルガンは一貫して伴奏として(演奏し),弦楽器が主導して現れる(聞こえる)ように弱くレジストレーションする.
Die Pauken sowie die beiden Trommeln sind mit Holzkopf-Paukenschlageln zu schlagen[H: Con]
ティンパニと二つの太鼓を,木製のヘッドを持つマレットで叩くことが要求されている.
Die Sechzehntel sollen die Schnelligkeit der Triolenachtel vorher haben[H: KM2]
16分音符は前の3連符の8分音符の速さで
Die Sonne verdüstert sich allmählich[RS: Alpen]
太陽が徐々に暗くなる
Die Tanten: "Ganz der Papa!"[RS: Dom]
叔母たち:「パパそっくり!」
Die ursprüngliche Fassung der Solo-Stimme T.52-67 findet sich im Anhang des vorliegenden Bandes Seite 285.[H: KM3]
初版のソロパートの第52小節から第67小節までは,この巻の補遺の285ページにある.

(注)使用楽譜には「補遺」はない.
Die Viertelnote im Jagdthema immer etwas länger[B: 4-2]
狩のテーマにおける4分音符はつねにいくらか長めに
Diener[RS: Oper]
(≒ servant, attendant, bow / servo, servitore, inchino)
【一般的な意味】
① 召使い,使用人,従僕,家来.
② (挨拶としての)深々としたお辞儀,最敬礼.

RW の Parsifal における "4 Dienern" は「奉仕者」と訳している.
Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
Dienerschaft[RS: Oper]
(≒ servants, domestics, household staff / servitù, domestici)
【一般的な意味】
① 召使い,使用人たち,家来たち,従者たち,(文脈により「お付きの者たち」,「屋敷のものたち」)

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
dient[H: K49]
(≒ serves, functions / serve, è utile)
dienen の3人称単数現在形
【一般的な意味】
① (人・国・神などに)仕える,奉仕する,勤務する.
② (物事が~の)役に立つ,(~として)使われる,機能する.

[H: K49]では②の意味で使われている."dienen zu ~" は,「~のために使われる」
Diese 3 B-schläge nur für chromatische Pauken, außerdem wegzulassen.[RS: Bur]
この3つのB音は,半音階的に調律可能なティンパニを使用する場合のみ演奏し,それ以外は省略する.
Diese kleinen Tempobezeichnungen sind stets nur als unbedeutende Modifikationen desselben Zeitmasses aufzufassen.[RS: Dom]
小さな(フォントの)テンポの指示はいつでも,同じテンポの中でのほんのわずかな変更としてのみ解釈される.
dieselbe[GM]
(≒ the same, identical / lo stesso, il medesimo)
【一般的な意味】
① (男性名詞を指して)同じもの,同一のもの,変わらないこと.
【音楽用語としての訳例】
「同じ」,「同様に」,「(dieselbe Atr で)同じやり方で」,「(dieselbe Bewegung で)同じ動きで」,「前と同じように」

"dasselbe","derselbe" も同じ."dieselbe"は後ろに女性名詞が続くときに用いられる.
Dieser und die nachfolgenden Posaunensätze müssen ungeheuer markant zur Darstellung kommen u. sind, eventuell die Schallbecher gegen das Publikum gerichtet, zu blasen![RS: Tod]
こことあとに続くトロンボーンのパッセージは極端に際立って演奏されなければならない.場合によってはベルを(直接)客席に向けて吹く!
Dieses Stück wurde am 21. Januar 1936 in London, am Tage nach dem Tode König George V. von England, geschrieben und vom Englischen Rundfunk (BBC) am 22. Januar in einem Gedächtniskonzert zum erstem Mal ausgeführt, wobei der Komponist den Solopart spielte.[H: Trau]
この作品は,1936年1月21日にロンドンで,イングランド王ジョージ5世の死の翌日に作曲され,1936年1月22日にイギリス放送協会(BBC)による追悼演奏会で初演され,その際,作曲者自身がソロ・パートを演奏した.

BBCのオフィスの一室を借りて,1月21日の11時から17時までのあいだに一気に書き上げた,というエピソードがある.
dito[GM]
(≒ ditto, the same / detto, idem, lo stesso)
イタリア語の detto(言われたこと)に由来
【一般的な意味】
① 同上,同じく,右に同じ(反復を避けるために用いる).
doch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ yet, however, but, surely / ma, però, tuttavia, eppure)
【一般的な意味】
① (逆説・対比)しかし,けれども,だが,それにもかかわらず.
② (強調・確認・意外)やはり,まさか,(~だ)ぞ,(~では)ないか.
③ (否定の疑問文に対する肯定の返答)いいえ(そうではなくて~だ),いや.
④ (命令文で)~してくれ,まあ~しなさい(語調を強める,あるいは和らげる).
Don Quixote, der Ritter von der traurigen Gestalt.[RS: Qui]
ドン・キホーテ,悲しげな姿をした騎士.
Doppelfuge[RS: Dom]
2重フーガ
doppelt[RS: Till], [RS: Zara], [RS: Qui], [RS: Held]
(≒ double, twofold / doppio)
【一般的な意味】
① 2倍の,2重の.
② 2つ折りの.
③ 二面性のある,二義的な.

GM でも使われているが, GM の場合は倍管を指示するときなどのみでしか使われていない.速度に対する指示としては例えば "doppelt so schnell (langsam) " は「2倍の速さで(遅さで)」となる.
Dpfr[H: Mat], [H: K48], [H: Con], [H: Welt]
(≒ Dämpfer) ミュート
drängend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [K: Cap], [K: App]
(≒ urging, pressing, pushing / stringendo, incalzante)
drängen の現在分詞
【一般的な意味】
① 押しのける,押し合う,(群衆などが)密集した.
② 切迫した,差し迫った,急を要する,執拗な.
【音楽用語としての訳例】
「せき込んで」,「(テンポを)速めて(stringendo)」,「急き立てるように」,「切迫して」
Dreien[B: 8-1], [B: 8-2]
3人の
dreifach womöglich (Zusats d.H.)[B: 8-2]
「できれば3台で(編集者による補足)」."Zusatz"は編集者や校訂者が補足として付け加えた説明や指示.
dreinfahren[GM]
(≒ interrupt, intervene, burst in / intervenire, interrompere, irrompere)
【一般的な意味】
① (会話や行為に)突然割り込む,横槍を入れる,干渉する.
② (雷などが)落ちる,(災いなどが)襲う.
③ (暴力的に)殴りかかる,攻撃する.
【音楽用語としての訳例】
「(突然)割り込むように」,「(乱暴に)入る」,「(他を遮って)突入する」,「(音を)叩きつけるように入る」,「(殴りかかるように)激しく出る」

交響曲第6番第1楽章にのみ使用例がある「突っ込むように」と訳している.ちなみに ”dareinfahren” もほぼ同じ意味だが, 微妙なニュアンスの違いがあるようだ.
dreinfahren:
勢いよく,突然,乱暴に「割り込む」「突っ込む」という,動作の激しさや突発性が強調されることが多い.
●dareinfahren:
文字通り「その中へ(乗り物などで)入る」という物理的な意味でも使われたり,介入するという意味でも使われる.
Dreitaktig, dreitaktig[RS: Juan], [RS: Dom]
「3小節単位で」.GM では"3 taktig" のように表記されている.
drohend[RS: Till], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ threatening, menacing / minaccioso)
drohen の現在分詞
【一般的な意味】
① (人や態度が)脅迫的な,威嚇するような,凄みのある.
② (危険や嵐などが)差し迫った,不吉な,険悪な.
【音楽用語としての訳例】
「脅すように」,「威嚇的に(minaccioso)」,「不気味に」,「不吉に」
Duenna[RS: Oper]
(≒ chaperone, governess / dama di compagnia, governante)
【一般的な意味】
① (かつてのスペインやポルトガルで)若い貴婦人の付き添い役を務める年配の女性,お目付け役,シャペロン.
② 女性家庭教師,養育係.
【音楽用語としての訳例】
「(若い女性の)付き添い役」,「お目付け役」,「侍女監督」,「家庭教師」

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
duftig[GM]
(≒ airy, hazy, delicate, fragrant / vaporoso, leggero)
【一般的な意味】
① (織物・衣装などが)薄く透き通るような,ふわっとした,空気のように軽い.
② (花などが)よい香りのする,芳しい.
③ (雰囲気などが)霞んだ,ぼんやりとした.
【音楽用語としての訳例】
「空気のように軽く」,「霞んだように(vaporoso)」,「ふわっと」,「繊細に」,「(香り立つように)優美に」

交響曲第2番第5楽章に"leicht und duftig gespielt"とあり,"leicht"を「軽やかに」と訳しているので"duftig"は「繊細に」と訳した.
dumpf[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ dull, muffled, hollow, gloomy / cupo, sordo, soffocato)
【一般的な意味】
① (音・声などが)こもった,鈍い,重苦しい,澄んでいない.
② (光・雰囲気などが)どんよりした,薄暗い,陰気な,鬱屈した.
③ (感覚・痛みなどが)鈍い,ぼんやりした.
【音楽用語としての訳例】
「くぐもった」,「(音が)こもった」,「鈍く」,「(響きを)止めて」,「(ティンパニなどで)余韻を消して」,「陰鬱に(cupo)」,「(音色を)暗く」
dünnen[H: Es]
(≒ thin, rarefy / assottigliare, sottile)
dünn の格変化形,または動詞(ausdünnen と同義)
【一般的な意味】
① (動詞として)薄くする,間引く,希薄にする.
② (形容詞 dünn の変化形として)薄い,細い,痩せた,(液体などが)水っぽい.
【音楽用語としての訳例】
「(音色を)薄く」,「(響きを)透かして」,「(テクスチュアを)薄くする」,「か細く」,「貧弱に」
durch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ through, by means of, throughout / attraverso, per, mediante)
【一般的な意味】
① (空間的に)~を通って,~を通り抜けて,~の向こう側へ.
② (手段・原因として)~によって,~を通じて,~のおかげで.
③ (時間的に)~の間中ずっと,~を通して.
【音楽用語としての訳例】
「~を通して」,「~によって」,「(durch ... gedämpft などで)~で」,「(時間的に)ずっと」,「(響きが)突き抜けて」,「(音が)通る」
Durch Dickicht und Gestrüpp auf Irrwegen[RS: Alpen]
藪や茂みを通るうちに道を見失って
durchaus[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ absolutely, thoroughly, throughout / assolutamente, interamente)
【一般的な意味】
① 全く,完全に,徹底的に,断じて.
② どうしても,ぜひとも.
③ (肯定文で)なるほど,もっともだ.
【音楽用語としての訳例】
「あくまでも」,「徹底的に」,「終始」,「どこまでも」,「(修飾語を強めて)断固として」,「(否定語と共に)決して(~ない)」

ちなみに ”durchwegs” (または "durchweg" ) もほぼ同じ意味だが, 微妙なニュアンスの違いがあるようだ.
durchaus:
「あくまでも」「断じて(絶対に)」という,意志の強さや程度の徹底さを強調するニュアンス.
durchwegs (または durchweg):
「終始一貫して」「例外なく」という,時間的・空間的にずっとそうである(ムラがない)ことを強調するニュアンス.
durchweg mit dem zweiten Pedal zu spielen[H: KM2]
全体を通して第2ペダル(ダンパーペダル)を使って弾く
durchwegs[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ throughout, consistently, without exception / sempre, costantemente)
durchweg の別形(特に南ドイツ・オーストリアで使われる)
【一般的な意味】
① 終始,一貫して,最初から最後まで.
② 例外なく,軒並み,全面的に.
【音楽用語としての訳例】
「終始」,「一貫して」,「(durchwegs leise などで)常に(弱く)」,「(sempre の意味で)絶えず」,「例外なく」

ちなみに ”durchaus” もほぼ同じ意味だが, 微妙なニュアンスの違いがあるようだ.
durchaus:
「あくまでも」「断じて(絶対に)」という,意志の強さや程度の徹底さを強調するニュアンス.
durchwegs (または durchweg):
「終始一貫して」「例外なく」という,時間的・空間的にずっとそうである(ムラがない)ことを強調するニュアンス.
düster[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ gloomy, somber, dark, sinister / cupo, oscuro, tetro)
【一般的な意味】
① (光がなく)暗い,薄暗い,陰気な,どんよりした.
② (気分や表情が)沈んだ,憂鬱な,陰鬱な.
③ (未来や雰囲気が)不吉な,険悪な,不気味な.
【音楽用語としての訳例】
「暗く(cupo)」,「陰鬱に」,「沈鬱に」,「不気味に」,「(音色を)くすませて」,「重苦しく」

GM では大地の歌第1楽章にのみ使われている.「陰鬱に」と訳している.
eben[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ even, level, just, exactly / uguale, piano, appena, esattamente)
【一般的な意味】
① (表面が)平らな,平坦な,滑らかな,起伏のない.
② (時間的に)たった今,ついさっき.
③ (強調して)まさに,ちょうど,(比較で)~と同じくらい.
④ (心態詞として)つまり,だから,(あきらめを含んで)まあ,仕方なく.
【音楽用語としての訳例】
「(ebenso の形で)~と同様に」,「(~と)同じく」,「(音の粒などを)均等に」,「むらなく」,「平坦に」,「(ト書きで)たった今」

GM では③の意味で使われている.
ebenfalls[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ likewise, also, as well / anche, parimenti, idem)
【一般的な意味】
① 同様に,同じく,(~も)また.
② その上,さらに.
【音楽用語としての訳例】
「(他と)同様に」,「同じく」,「(~も)また」,「(前の指示と)同じように(simile)」
ebenso[GM]
(≒ just as, equally, likewise / altrettanto, parimenti)
【一般的な意味】
① (前のものと)同様に,同じように,その通りに.
② (形容詞などを伴って)同じくらい,同程度に.
【音楽用語としての訳例】
「(~と)同様に」,「同じく」,「(~と)同じくらい」,「(ebenso... wie... で)~と同じくらい...に」,「(ebenso schnell で)同じ速さで(l'istesso tempo)」
edel[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ noble, dignified, precious / nobile, maestoso)
【一般的な意味】
① 気高い,高貴な,(家柄が)貴族の.
② (精神・心が)崇高な,高潔な,品位のある.
③ (貴金属・宝石などが)高価な,上質な.
【音楽用語としての訳例】
「高貴に(nobile)」,「気高く」,「品格を持って」,「上品に」,「(mit edlem Ausdruck で)気高い表現で」,「荘重に」
edlen[GM], [RW: Oper]
"edel" の格変化形
eifersüchtig[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ jealous, envious / geloso, invidioso)
Eifersucht は「嫉妬」.
【一般的な意味】
① (恋愛関係において)嫉妬深い,焼き餅を焼く.
② (他人の幸運・成功などを)ねたむ,うらやむ,そねむ.
【音楽用語としての訳例】
「嫉妬して」,「嫉妬深く」,「ねたんで」,「(心を)焦がして」
eigenhändig[GM]
(≒ with one's own hand, personally, handwritten / di propria mano, autografo)
【一般的な意味】
① 自分の手で,自らの手で,直接(他人を介さずに).
② 自筆の,直筆の(タイプや印刷ではない).

GM では②の意味.
eigensinnig[RS: Oper]
(≒ stubborn, obstinate, willful / ostinato, caparbio, testardo)
【一般的な意味】
① (人や性格が)強情な,頑固な,片意地な,人の言うことを聞かない.
② (子供などが)わがままな,自分勝手な.
【音楽用語としての訳例】
「頑固に」,「強情に」,「わがままに」,「(リズムなどを)気ままに」,「執拗に」,「自分の意志を押し通すように」

これは RS の Salome における Oboe に対する指示である.「意固地に(執拗に)」とした.
eilen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hurry, rush, speed / affrettare, accelerare, stringere)
【一般的な意味】
① 急ぐ,急行する,慌てる,せき込む.
② (事態が)急を要する,緊急である.
【音楽用語としての訳例】
「急いで」,「走って」,「(テンポを)速める」,「せき込んで」,「(nicht eilen で)急がないで」,「(同)走らないように」
Ein Stab aus einem Glockenspiel (Klang Fis(の譜例) , ebenso notiert) [H: KM1-1]
グロッケンシュピールから取り外した音板(譜例通りに Fis の音を鳴らす)
eindringen[RS: Oper]
(≒ penetrate, intrude, invade / penetrare, irrompere)
【一般的な意味】
① (力ずくで)侵入する,押し入る,(敵などが)攻め込む.
② (水・光・音などが)入り込む,染み込む,貫通する.
③ (秘密や本質に)深く立ち入る,食い込む.
eindringlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ urgent, insistent, forceful / insistente, incisivo, penetrante)
【一般的な意味】
① (要求・警告などが)執拗な,しつこい,切実な,熱心な.
② (印象・声などが)強烈な,心に深く食い入る,胸に迫る,忘れがたい.
einfach[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Juan]
(≒ simple, plain / semplice)
【一般的な意味】
① 単純な,簡素な,手が込んでいない,あっさりした.
② 質素な,飾り気のない,地味な.
③ 簡単な,容易な,わかりやすい.
④ (副詞的に)ただ,単に,まったく.
【音楽用語としての訳例】
「単純に(semplice)」,「素朴に」,「飾り気なく」,「(技巧を凝らさず)淡々と」,「無邪気に」,「(感情を込めすぎず)あっさりと」

(≒ in unison) 「ユニゾンで」,「単一の」など.[RS: Juan]で前の divisi の状態から戻るときに使われている.GM にも使用例はあるが GM では「質素な」,「簡素な」,「簡単な」の意味でしか使われていない.一般には前者の意味で使用されることが多い.
Eingang[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ entrance, entry, introduction / ingresso, entrata)
【一般的な意味】
① 入り口,玄関(建物や敷地などの内部へ入るための場所).
② 到着,受領(郵便物や書類などが届くこと).
③ 導入部,はじめ(物語や説明などの冒頭部分).
【音楽用語としての訳例】
「導入部」,「(カデンツァなどの前の)入り口」,「導入フレーズ」,「(対位法的な楽曲での)声部の導入」

"Einleitung" とは違い,小規模で断片的なもの,
einhalten[GM], [RW: Oper]
(≒ observe, maintain, stop / osservare, mantenere, fermare)
【一般的な意味】
① (規則・約束・期限などを)守る,順守する,履行する.
② (進行などを)止める,中断する,休止する.
③ (感情などを)抑制する,食い止める.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポやリズムを)正確に守る」,「(厳格に)保つ」,「(指定を)順守する」,「(動きを)止める」,「(一時)休止する」

ただ,GM では②の意味では使われていないようである.③のニュアンスで「テンポを落として」としている.
einige[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ some, a few, several / alcuni, qualche)
einig の複数形(または格変化形)
【一般的な意味】
① いくつかの,数人の,いくらかの,若干の.
② (単数形 einiges で)かなりのもの,相当な量.
【音楽用語としての訳例】
「数人で」,「いくつかの」,「(プルトなどの)一部が」,「(only a few の意味で)数台で」,「(einige davon で)そのうちの数人」
einleiten[H: KM5], [H: K48], [H: K50], [H: Mat], [H: Sch], [H: Fl], [H: Welt]
(≒ introduce, initiate, lead in / introdurre, iniziare, preparare)
【一般的な意味】
① (事柄・処置・時期などを)開始する,着手する,幕を開ける.
② (人や会議を)紹介する,導入する,(~への)手引きをする.
③ (液体・ガスなどを)導き入れる,注入する.
【音楽用語としての訳例】
「(主題や旋律を)導入する」,「(新しい部分へ)導く」,「(テンポ変更などを)準備する」,「開始する」,「(次の展開を)切り出す」

[H]で頻繁に用いられている.「始める」でもよいだろうが,(次のモードに入るために)「準備する」,「身構える」くらいのニュアンスと考えてよさそうだ.
Einleitung[GM], [RS: Oper]
(≒ introduction, preface / introduzione, preludio)
【一般的な意味】
① 導入,紹介,手引き,入門.
② (書物・演説などの)序文,前書き,枕.
③ (手続き・処置などの)開始,着手.
【音楽用語としての訳例】
「序奏部」,「イントロダクション」,「前奏」

"Eingang" と比較するとやや大規模なもの.
einsetzen[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ come in, enter, set in, employ / entrare, attaccare, impiegare)
【一般的な意味】
① (部品などを)はめ込む,取り付ける,挿入する.
② (人や兵力を)投入する,任命する,(力や資金を)使う.
③ (現象・動作・音楽などが)始まる,起こる,開始する.
④ (賭け金などを)賭ける.

音楽用語としては③の意味で用いられていることが多い.
Einstudiren[H: K49]
(≒ rehearsing, studying, preparation / concertazione, studio, preparazione)
Einstudieren の古風な綴り
【一般的な意味】
① (演劇・音楽などを)上演できるように練習する,稽古する,リハーサルする.
② (役や学問を)習得する,暗記する,身につける.
【音楽用語としての訳例】
「(オペラなどの)音楽稽古」,「練習」,「(上演のための)準備」,「(演奏の)仕上げ」,「(歌唱などの)指導」
Eintragung[GM]
(≒ entry, registration, marking, notation / annotazione, iscrizione, segnatura)
eintragen の名詞化
【一般的な意味】
① 記入,記載,登録,記帳.
② (帳簿や日記への)書き込み,メモ.
【音楽用語としての訳例】
「(楽譜への)書き込み」,「(ボウイングやブレスの)記入」,「指定」,「(作曲者や指揮者による)メモ」,「(演奏上の)注意書き」
Eintritt in den Wald[RS: Alpen]
森に入る
einzeln[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ single, individual, separate / singolo, individuale, separato)
【一般的な意味】
① 個々の,個別の,単一の,別々の.
② 一人ずつの,一つずつの,ばらばらの.
【音楽用語としての訳例】
「個別に」,「単独で」,「(複数ではなく)一人で」,「(音を)一つずつ」,「(楽器を)単体で」,「(tutti ではなく)ソロで」
einzig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ only, sole, unique / unico, solo, solamente)
【一般的な意味】
① たった一つの,唯一の,(~だけ)独りの.
② 比類のない,独特な,ユニークな.
【音楽用語としての訳例】
「唯一の」,「(~だけ)単独で」,「ただ一つの」,「(die einzige ... で)~だけが」
einzuhalten[B: 8-1]
(≒ to be observed, to be maintained / da osservare, da mantenere)
einhalten の zu 不定詞
【一般的な意味】
① (規則・約束などを)守るべき,順守する(ための).
② (進行などを)止める,中断する.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポなどを)守ること」,「(正確に)保つべき」,「(厳格に)維持して」,「(streng einzuhalten で)厳守すること」

[B: 8-1]において,①の意味で用いられている.
elastisch[RS: Zara]
(≒ elastic, flexible, springy / elastico, flessibile)
【一般的な意味】
① (ゴムやバネのように)弾力のある,伸縮自在の,弾性のある.
② (精神・動作・計画などが)柔軟な,融通の利く,しなやかな,反発力のある.
【音楽用語としての訳例】
「弾力を持って」,「柔軟に」,「(テンポを)揺らして(rubato)」,「(リズムに)バネを持たせて」,「(硬直せずに)しなやかに」
Elegie[RS: Alpen]
(≒ elegy, lament, dirge / elegia, lamento)
【一般的な意味】
① (文学における)悲歌,哀歌,挽歌(死者を悼む詩).
② 悲しみ,哀愁,憂鬱な気分.
elegischem[H: Welt]
(≒ elegiac, mournful, plaintive / elegiaco, mesto)
elegisch の格変化形
【一般的な意味】
① 哀調を帯びた,悲しげな,哀愁の漂う,憂鬱な.
② 悲歌(エレジー)の,挽歌の.
【音楽用語としての訳例】
「哀愁を帯びて」,「悲しげに」,「哀歌風に」,「(mit elegischem Ausdruck で)哀愁を込めて」
Empfindung[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ feeling, sentiment, sensation / sentimento, sensazione)
empfinden の名詞化
【一般的な意味】
① (精神的な)感情,情緒,気持ち,感慨.
② (肉体的な)感覚,知覚.
【音楽用語としての訳例】
「感情」,「情緒」,「情感」,「(mit Empfindung で)感情を込めて(con sentimento)」,「(同)深く感じ入って」,「気分の表出」

GM では「情感」と訳した.
empfohlen[B: 7]
(≒ recommended, suggested, advisable / raccomandato, consigliato)
empfehlen の過去分詞
【一般的な意味】
① (人・物・方法などが)推薦された,推奨された,勧められた.
② (~するのが)望ましい,得策である.
【音楽用語としての訳例】
「推奨される」,「(メトロノーム記号などが)あくまで目安としての」,「勧められる」,「(~するのが)望ましい」
empfunden[GM]
(≒ felt, sensed, perceived / sentito, percepito)
empfinden の過去分詞
【一般的な意味】
① (痛み・喜び・悲しみなどを)感じた,覚えた,味わった.
② (あるように)受け止めた,思った,知覚した.
【音楽用語としての訳例】
「(感情を)込めた」,「感じ入った」,「(tief empfunden で)深く感情を込めて(sentito)」,「情感豊かな」,「(心で)感じられた」
endend[H: K48]
(≒ ending, concluding, finishing / finendo, terminando, concludendo)
enden の現在分詞
【一般的な意味】
① 終わる,終了する,完結する.
② (~という結果で)終わる,(~に)なる.
【音楽用語としての訳例】
「終わる」,「終わりになる」,「(~で)終わって」,「(~のように)結んで」,「(leise endend などで)~に終わる」

"endend --- Ruhig einleiten" は,「終わって...落ち着いて始める」
endgiltige[GM]
(≒ final, definitive, conclusive / finale, definitivo, ultimo)
endgiltig の格変化形(現代の正書法では endgültig)
【一般的な意味】
① 最終的な,最後の,終わりの.
② 決定的な,確定的な,変更できない.
【音楽用語としての訳例】
「最終的な」,「決定稿の」,「(迷いなく)確定した」,「最後の」,「(endgiltige Fassung で)決定版」
endlich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ final, finite, at last, finally / finalmente, ultimo)
【一般的な意味】
① ついに,ようやく,やっと(待ち望んでいたことが起こる様子).
② 有限の,終わりのある(無限ではないこと).
Engelkonzert[H: Mat]
天使の合奏
Entfernung[GM]
(≒ distance, removal, remoteness / distanza, lontananza)
【一般的な意味】
① 距離,隔たり,間隔,遠方.
② 除去,取り外し,排除.
③ 解雇,免職.
【音楽用語としての訳例】
「遠くで」,「(舞台裏などの)離れた場所で」,「(音の)距離感」,「(aus der Entfernung で)遠くから(da lontano)」,「(in der Entfernung で)遠くで」
entrüstet[RS: Qui]
(≒ indignant, outraged / indignato, sdegnato)
entrüsten の過去分詞
【一般的な意味】
(不正,不当な扱い,無礼などに対して正義感から)憤慨した,立腹した,憤った.
【音楽用語としての訳例】
「憤然として」,「憤慨して」,「怒りを含んで」,「(不正や侮辱に対して)怒って」
entschlossen[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ determined, resolute / deciso, risoluto)
entschließen の過去分詞
【一般的な意味】
① (態度・表情・性格などが)決然とした,断固とした,意志の固い.
② (ある行動をとることを)決心した,決意した.
【音楽用語としての訳例】
「決然と」,「断固として」,「きっぱりと」,「意志を込めて」
entschuldigend[RS: Oper]
(≒ apologetic / scusante)
entschuldigen の現在分詞
【一般的な意味】
弁解がましい,言い訳をするような,謝るような,申し訳なさそうな.
【音楽用語としての訳例】
「詫びるように」,「弁解するように」,「申し訳なさそうに」,「言い訳がましく」

RS の Intermezzo にのみ使用例がある.
entsetzt[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ horrified, appalled, aghast / inorridito, terrorizzato)
entsetzen の過去分詞
【一般的な意味】
(突然の恐怖や嫌悪感,予期せぬ出来事に対して)ぞっとした,仰天した,愕然とした,恐れおののいた.
【音楽用語としての訳例】
「ぞっとして」,「愕然として」,「恐れおののいて」,「恐怖にかられて」,「唖然として」
entsprechen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ correspond, match, suit, comply / corrispondere, adeguarsi)
【一般的な意味】
① (物事・内容・数量などが)一致する,対応する,相当する.
② (要求・期待・目的・条件などに)かなう,ふさわしい,合致する,応じる.
【音楽用語としての訳例】
「(・・・に)一致する」,「(・・・に)ふさわしい」,「(性格や状況に)応じて」,「(指示などに)従って」
entstellt[RW: Oper], [RS: Till]
(≒ distorted, disfigured, garbled / sfigurato, deformato)
entstellen の過去分詞
【一般的な意味】
① (顔や姿などが)ひどく損なわれた,醜く変形した,崩れた.
② (事実・意味・内容などが)歪曲された,ねじ曲げられた,誤って伝えられた.
【音楽用語としての訳例】
「歪んで」,「(旋律やリズムが)崩れて」,「異様な形になって」,「グロテスクに変形して」,「原形をとどめないほどに」
entzückt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ delighted, enchanted, enraptured / deliziato, incantato)
entzücken の過去分詞
【一般的な意味】
(美しさや喜びなどで)うっとりした,大喜びの,魅了された,有頂天の,恍惚とした.
【音楽用語としての訳例】
「うっとりとして」,「喜びに満ちて」,「魅了されて」,「恍惚として」

GM では交響曲第8番第2部にのみ使用例がある.
ergriffen[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ moved, touched, deeply affected / commosso, toccato)
ergreifen の過去分詞
【一般的な意味】
(強い感情・感銘を受けて)心を打たれた,深く感動した,心を奪われた,感極まった.
【音楽用語としての訳例】
「感動して」,「深く心を動かされて」,「情感を込めて」,「(畏敬の念に)打たれて」,「万感の思いで」
erhobner[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ raised, uplifted, exalted / alzato, sollevato, esaltato)
erheben の過去分詞 erhoben の格変化形(erhobener の短縮形)
【一般的な意味】
① (物理的に)持ち上げられた,高く掲げられた,振り上げられた.
② (声・音などが)張り上げられた,高められた.
③ (気分・精神などが)高揚した,誇らしげな,威厳のある.
【音楽用語としての訳例】
「(楽器のベルなどを)高く掲げて」,「(手や指揮棒を)振り上げて」,「高らかに」,「高揚して」,「誇らしげに」,「威厳を持って」

GM では子供の魔法の角笛 "Der Tamboursg'sell" にのみ使用例がある."mit sehr erhobner Stimme"は「たいへん高らかに声を上げて」と訳している.
erleichtert[RS: Oper]
(≒ relieved / sollevato)
erleichtern の過去分詞
【一般的な意味】
① (心配・不安・苦痛などが去って)ほっとした,安堵した,気が楽になった.
② (負担・重量・刑罰などが)軽減された,軽くなった,緩和された.
【音楽用語としての訳例】
「ほっとして」,「安堵して」,「胸をなでおろして」,「(緊張が解けて)楽な気持ちで」
Erleichterung[RS: Dom]
(≒ relief, alleviation / sollievo, alleggerimento)
【一般的な意味】
① (苦痛・負担・心配などが)軽くなること,軽減,除去.
② 安堵,安心,ほっとすること.
【音楽用語としての訳例】
「安堵」,「救い」,「慰め」,「(緊張の)緩和」

演奏を簡単にするための代案の譜例が記されている.
erlöschen[GM]
(≒ extinguish, go out, die away / estinguersi, spegnersi)
(≒ verlöschen, verschwinden)
【一般的な意味】
① (火・光などが)消える.
② (生命・感情・音などが)尽きる,消滅する,絶える.
③ (権利・有効性などが)失効する.
【音楽用語としての訳例】
「消え入るように」,「(音が)絶える」,「消滅する」,「(響きが)死に絶える」
ermattend[RS: Zara]
(≒ tiring, weakening, flagging / languendo, smorzando)
ermatten の現在分詞
【一般的な意味】
疲れ果てていく,衰弱していく,勢いを失っていく.
【音楽用語としての訳例】
「力が衰えるように」,「弱り果てて」,「次第に弱く(遅く)」,「疲れを見せて」
ermüdet[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tired, weary, exhausted / stanco, affaticato)
ermüden の過去分詞
【一般的な意味】
疲れた,疲労した,くたびれた.
【音楽用語としての訳例】
「疲れたように」,「だるそうに」,「疲労して」

GM では大地の歌第2楽章にのみ使用例がある.「けだるく」と訳している.
ernst[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ serious, earnest, grave / serio, grave)
【一般的な意味】
① 重大な,深刻な,ゆゆしき.
② 真面目な,真剣な,本気の.
③ 厳格な,厳しい,(顔つきなどが)険しい.
erregt[RW: Oper], [RS: Oper], [H: Welt], [K: Cap], [K: App]
(≒ excited, agitated / agitato, eccitato)
erregen の過去分詞
【一般的な意味】
① (感情が)高ぶった,興奮した,激した.
② (神経などが)刺激された.
【音楽用語としての訳例】
「激して」,「興奮して」,「(感情が)高ぶって」,「焦燥感を持って」,「荒々しく」
erreicht[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ reach, attain, achieve / raggiungere, arrivare)
erreichen の過去分詞
【一般的な意味】
① (場所・目的地に)着く,到達する.
② (目的・年齢・水準などを)達成する,(・・・に)達する.
③ (連絡などが)つく,(手などが)届く.
【音楽用語としての訳例】
「(クライマックスなどに)達する」,「(指定のテンポに)到達する」,「至る」
erscheinen[RS: Zara], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ appear, seem / apparire, sembrare)
【一般的な意味】
① 現れる,姿を見せる,出現する.
② (出版物などが)公刊される.
③ (・・・のように)思われる,見える.
【音楽用語としての訳例】
「現れる」,「登場する(ト書きなどで)」,「(主題などが)出現する」
Erscheinung[RS: Alpen]
(≒ appearance, apparition, phenomenon / apparizione, fenomeno)
【一般的な意味】
① 現れること,出現,登場.
② 現象,出来事.
③ 亡霊,幻影.
④ 外見,風采.

[RS: Alpen] では③の意味であろう.RS のDer Rosenkavalier の 第2幕の Octavian の登場シーンでの "Erscheinung" は,単なる「出現」というよりは,「(高貴で輝かしい人物の)姿,立ち居振る舞い,威容」といったニュアンス.
erschöpft[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ exhausted, spent / esaurito, sfinito)
erschöpfen の過去分詞
【一般的な意味】
① 疲れ切った,精根尽きた.
② (資源などが)使い果たされた.
【音楽用語としての訳例】
「疲れ切って」,「精根尽きたように」,「力を使い果たして」
erschreckt[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ frightened, scared / spaventato, impaurito)
erschrecken の過去分詞
【一般的な意味】
(何かによって)驚かされた,怖がらせられた.
【音楽用語としての訳例】
「おびえたように」,「怖がって」

"erschreckt" は(誰か,何かによって)驚かせられた,怖がらせられた」という受動的な状態,または原因が外部にある状態を表す.
"erschrocken" は「(自分自身が)驚いた,びっくりした,怖がった」という内発的な感情の状態,または動作の結果としての状態を表す.
erschrocken[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ frightened, startled, terrified / spaventato, atterrito)
erschrecken の過去分詞
【一般的な意味】
(自分で)驚いた,びっくりした,怖がった.
【音楽用語としての訳例】
「はっと驚いて」,「びっくりして」,「ぎょっとして」

"erschreckt" は(誰か,何かによって)驚かせられた,怖がらせられた」という受動的な状態,または原因が外部にある状態を表す.
"erschrocken" は「(自分自身が)驚いた,びっくりした,怖がった」という内発的な感情の状態,または動作の結果としての状態を表す.
erschüttert[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shaken, shocked, profoundly moved / scosso, commosso, sconvolto)
erschüttern の過去分詞
【一般的な意味】
① (建物などが)揺さぶられた,震撼した,ぐらついた.
② (精神的に)強い衝撃を受けた,激しく動揺した,心を深く打たれた.
【音楽用語としての訳例】
「震撼して」,「激しく動揺して」,「深い感動をもって」,「心を揺さぶられて」
Erschütterung[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shock, tremor, upheaval / scossa, commozione)
【一般的な意味】
① 震動,揺れ,動揺,衝撃.
② (精神的な)衝撃,動揺,激しい感動.
【音楽用語としての訳例】
「(精神的な)衝撃」,「激しい動揺」,「(物理的な)震動」,「揺るぎ」

GM では子供の死の歌 "Nun will die Sonn' so hell aufgeh'n" にのみ使用例がある."mit Erschütterung" は「深い衝撃をもって」と訳している.
erst[B: 2]
(≒ only, not until, first / solo, non prima di)
【一般的な意味】
① (時間)やっと,ようやく,〜になって初めて.
② (順序)最初の,第一の.
③ (程度)たったの,ほんの.
ersterbend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ dying away, fading / morendo, perdendosi)
ersterben の現在分詞
【一般的な意味】
次第に弱まって消え去ろうとしている.
【音楽用語としての訳例】
「消え入るように」,「だんだん弱く」,「(音や響きが)絶え入るように」

GM では「死に絶えるように」と訳しているが, 「消え入るように」でもよいだろう.GM には "ersterbend" ではなく単に "morendo" としているところも多数ある.個人的には"ersterbend"は感情的,内省的なニュアンスがあり,"morendo" (これももちろん "morire"「死ぬ」に 由来している用語ではある )は「静寂へ向かっていく」,あるいは「自然に消滅していく」というニュアンスを感じているが,GM はどんなニュアンスの違いを感じていたのだろうか.
Erstes Zeitmaß, beschleunigt[B: 3]
最初のテンポに戻し,加速する
erzählen[GM]
(≒ tell, narrate, recount / raccontare, narrare)
【一般的な意味】
① 語る,話す,物語る.
② (〜について)知らせる.
【音楽用語としての訳例】
「語るように」,「物語調で」,「叙述的に」

GM の大地の歌第6楽章にのみ使用例がある.
etwas deutlicher u. allmälich ausdrucksvoller[RS: Dom]
いくらかはっきりと,そして徐々に表情豊かに
Etwas nachgebend im Tempo[B: 4-1]
いくらかテンポを緩めて
fach[GM]
(≒ compartment, subject, category / scomparto, materia, registro)
【一般的な意味】
① 棚,仕切り,区分.
② 専門分野,学科.
③ (劇場)役柄,(音楽)パート.
【音楽用語としての訳例】
「(編成の)声部」,「(オペラの)役柄」,「(演奏パートの)区分」
fahren[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ drive, travel, move / guidare, viaggiare)
【一般的な意味】
① (乗り物で)行く,旅行する,運転する.
② (物が)動く,流れる.
③ (ある態度や状態を)続ける,貫く,保つ.
【音楽用語としての訳例】
「(リズムやテンポを)保って進む」,「進む」,「演奏する」
Fantastische Bilder entschwundener Herrlichkeit, Gefühle der Wehmut und des Schmerzes inmitten sonnigster Gegenwart[RS: It]
消え去った栄光の幻想的な情景,燦々とした現在のただ中にある,哀愁と苦痛の感情.
Fassung[H: KM3]
(≒ version, composure, setting / versione, calma, montatura)
【一般的な意味】
① 版,バージョン,仕立て.
② 落ち着き,冷静さ.
③ (貴金属の)台座,縁取り.
fast[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ almost, nearly / quasi)
【一般的な意味】
ほとんど,もう少しで,危うく.
【音楽用語としての訳例】
「ほとんど」,「まもなく」
fehlen[GM]
(≒ be missing, lack, be absent / mancare, essere assente)
【一般的な意味】
① 欠けている,不足している,存在しない.
② 失敗する,間違える.
【音楽用語としての訳例】
「(〜が)欠けている」,「(編成が)不足している」

"Druckfehler"は「誤植」
feierlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ solemn, ceremonial, festive / solenne, cerimoniale)
【一般的な意味】
① 厳粛な,荘厳な,重々しい.
② 祭典の,祝典的な.
【音楽用語としての訳例】
「厳粛に」,「荘厳に」,「重々しく」,「儀式的に」

GM では「荘厳に」と訳している.
ferne[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ far, distant / lontano)
fernの格変化形
【一般的な意味】
遠い,遠く離れた.
【音楽用語としての訳例】
「遠くから」,「遙かに」,「(響きが)遠い感じ」
fernerhin[GM]
(≒ furthermore, henceforth / inoltre, d'ora in poi)
【一般的な意味】
今後さらに,その上,なお.
fest im gewonnenen, lebhaften Zeitmaß[RS: Held]
到達した生き生きとしたテンポをしっかりと保つ
fest, festes[RS: Zara], [RS: Held], [RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ firm, steady, fixed / fermo, saldo)
【一般的な意味】
① しっかりした,堅固な,不動の.
② (時間が)固定した,一定の.
【音楽用語としての訳例】
「堅固に」,「確固たる」,「しっかりした」,「不動の」
Festes Zeitmaß (mäßig langsam )[RS: Held]
一定のテンポで(適度にゆっくりと)
Festes Zeitmaß, mäßig langsam[RS: Alpen]
一定のテンポで,適度にゆっくりと
feurig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ fiery, ardent, passionate / focoso, ardente)
【一般的な意味】
火のような,燃えるような,情熱的な,熱烈な.
【音楽用語としての訳例】
「熱烈に」,「情熱的に」,「火のように」,「(躍動感を込めて)熱く」
ff.[H: KM4]
(=folgende Seiten) 以降のページ
findet sich[H: KM3]
(≒ is found, is located, occurs / si trova, è contenuto)
finden の現在形三人称単数と sich (再帰代名詞)
【一般的な意味】
① (場所・状態などが)見つかる,発見される,存在する.
② (意見・解決策などが)得られる,たどり着く.
③ (表現などが)使われている,含まれている.
【音楽用語としての訳例】
「存在する」,「見られる」,「(楽譜中に)含まれている」,「(楽章の後に)続く」
flebile[RS: Juan]
(≒ feeble, plaintive, weak / flebile)
イタリア語
【一般的な意味】
① (音などが)か細い,弱々しい,かすかな.
② 悲しげな,嘆くような,もの悲しい.
【音楽用語としての訳例】
「弱々しく」,「か細く」,「もの悲しく」,「嘆くように」,「弱く柔らかな音で」
fließend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ flowing, fluent, continuous / fluente, scorrevole)
fließen の現在分詞
【一般的な意味】
① (水や液体などが)流れている,流動性の,絶え間ない.
② (言葉や動作が)なめらかな,よどみない,流暢な.
③ (境界や移行などが)曖昧な,連続的な.
【音楽用語としての訳例】
「流れるように」,「なめらかに」,「よどみなく」,「(テンポを)滞りなく保って」,「流暢に」

音楽の流れを「中断させない」,「連続性を保つ」という表情上の指示として重要.
flott[GM]
(≒ quick, brisk, dashing / svelto, brioso)
【一般的な意味】
① きびきびした,すばやい,威勢のいい.
② (服装などが)粋な,しゃれた.
③ (乗り物などが)快速な,軽快な.
【音楽用語としての訳例】
「きびきびと」,「威勢よく」,「活発に」,「小気味よく」

GM では「軽快に」と訳している.
flüchtig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ fleeting, transient, hasty / fugace, frettoloso, superficiale)
【一般的な意味】
① (時間・印象などが)つかの間の,束の間の,あっけない.
② (動作や知識などが)慌ただしい,浅薄な,大ざっぱな.
③ 逃亡中の,逃げている.
【音楽用語としての訳例】
「つかの間に」,「慌ただしく」,「軽快に」,「飛び去るように」,「(音を)素早く大ざっぱに」,「さっと」

この用語については GM においては GM の意図からは外れるかと思いながらも最大公約数的に「軽やかに」と訳している.
flüssig[GM], [RS: Oper], [K: Cap]
(≒ liquid, fluid, fluent / liquido, scorrevole)
【一般的な意味】
① 液体の,流動性の,溶けた.
② (動作や言葉が)なめらかな,流暢な,よどみのない.
③ (資金などが)手元にある,流動的な.
【音楽用語としての訳例】
「なめらかに」,「よどみなく」,「流れるように」,「流動的に」

GM においては交響曲第5番第4楽章にのみ使用例がある.「よどみなく」と訳している.
flüstern[GM]
(≒ whisper / sussurrare)
【一般的な意味】
① ささやく,ひそひそ話す.
② (音などが)かすかに聞こえる.
【音楽用語としての訳例】
「ささやくように」,「ひそひそと」
folgt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ follows, ensues / segue, avviene)
folgen の現在形三人称単数
【一般的な意味】
① (人・物・時間などが)後に続く,次に来る.
② (規則や命令などに)従う,応じる.
③ (論理的に)帰結する,当然の結果となる.
【音楽用語としての訳例】
「(〜が)続く」,「次に来る」,「(指示に)従う」
folgt sofort der nächste Satz[H: KM1-1]
ただちに次の楽章へ進む
fort[GM]
(≒ gone, away, continued / andato, via, continuato)
【一般的な意味】
① 立ち去って,いなくなって,去って.
② 終わって,なくなって.
③ 引き続き,先に,どんどん.
【音楽用語としての訳例】
「続けて」,「先に進んで」,「どんどん」,「引き続いて」

"fort und fort" は「絶えず」,「どんどん」,"in einem fort" は「絶えず」,「ずっと」,「連綿と」
fort u. fort[B: 4-2], [B; 5]
(≒ continuously, on and on, non-stop / continuamente, senza sosta)
fort (副詞) と und (u.の略) の複合表現
【一般的な意味】
絶え間なく,どんどん先に,延々と,ひたすら.
【音楽用語としての訳例】
「絶え間なく続けて」,「どんどん強く(または速く)」,「ひたすら前進して」,「間断なく」
fort u. fort getragen[B: 4-1]
絶え間なくゆったりと
fortlaufend[GM]
(≒ continuous, running, ongoing / continuo, in corso)
fortlaufen の現在分詞
【一般的な意味】
① 継続的な,絶え間ない,連続した.
② (番号などが)順を追って続く.
【音楽用語としての訳例】
「絶え間なく」,「続けて」,「中断することなく」,「連続的に」
frech[GM], [RS: Oper]
(≒ cheeky, impudent, bold / sfacciato, impertinente)
【一般的な意味】
① 生意気な,厚かましい,ずうずうしい.
② 大胆な,図々しい.
③ (古い用法で)活発な,元気のいい.
【音楽用語としての訳例】
「生意気に」,「厚かましく」,「大胆不敵に」,「図々しく」

GM では交響曲第3番第3楽章,交響曲第4番第2楽章の木管楽器に指示がある.「厚かましく」と訳した.
Frei im Vortrag[RS: Alpen]
(≒ Free in delivery, with rhythmic freedom / Libero nell'esecuzione, a piacere)
【一般的な意味】
(表現や話し方などが)自由に,制約を受けずに.
【音楽用語としての訳例】
「演奏(表現)において自由に」,「テンポを自由に取って」,「(奏者の)任意で」,「ルバートを利かせて」
freihängend[GM]
スタンド等に固定せず,自由に吊るした状態の(シンバルで)
frisch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ fresh, lively, brisk / fresco, vivace)
【一般的な意味】
① 新しい,新鮮な,作りたての.
② 生き生きとした,元気のいい,さわやかな.
③ (色が)鮮やかな,(傷などが)新しい.
【音楽用語としての訳例】
「新鮮に」,「生き生きと」,「快活に」,「さわやかに」,「活気をもって」
fröhlich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ cheerful, merry, joyful / allegro, lieto)
【一般的な意味】
① 楽しそうな,陽気な,快活な(人の気質や表情,雰囲気が明るい様子).
② 喜ばしい,おめでたい(事柄や行事などが喜びをもたらす様子).
【音楽用語としての訳例】
「楽しげに」,「陽気に」,「晴れやかに」
führend[RW: Oper], [RS: Zara]
(≒ leading, guiding, primary / principale, guida)
führen の現在分詞
【一般的な意味】
① 導いている,案内している.
② (地位・役割が)指導的な,主要な,優勢な.
③ (道などが)通じている,続いている.
【音楽用語としての訳例】
「主導的な」,「優勢な」,「旋律を導くように」,「主要な声部として」

[RS: Zara] では "begleiten" 「伴奏する」の対比で用いられている. RW では,①あるいは③の意味.
für sich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ by oneself, independently, separately / per sé, da solo, separatamente)
【一般的な意味】
① 自分自身のために,自分だけで.
② 単独で,別個に,他とは切り離されて.
③ (表現などが)それ自体で,本質的に.
④ 秘密に,内密に.

直訳すると「自分のために」
行為が “内側に閉じている”(他人に聞こえない,完全に内的)
「心の中で」,「ひとりで」,「密かに」など.

一方で,"vor sich" は直訳すると「自分の前で」
行為が “外に向かって” 現れている(独り言や小声含むが外部化されている)
「独り言のように」,「自分に向かって(声を出して)」など.

どちらも「独り言のように」と訳していることが多い.
furchtbar[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ terrible, dreadful / terribile, spaventoso)
【一般的な意味】
① 恐ろしい,怖い,凄まじい.
②(副詞として)ひどく,非常に,ものすごく.
【音楽用語としての訳例】
「恐ろしく」,「凄まじい勢いで」,「激しく」

「非常に(sehr)」のさらに上をいく極端な強調として使われたりもする.
G Saite aufangs breit markig[B: 5]
G線で始めて,ゆったりと,しっかりと
G-Saite wieder normale Stimmung[H: Tanz]
G線は再び通常の調弦に戻す
galant[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ gallant, polite, chivalrous / galante, cortese)
【一般的な意味】
① 礼儀正しい,丁重な,紳士的な.
② (女性に対して)親切な,慇懃な.
③ (歴史的に)機知に富んだ,優雅な.
【音楽用語としての訳例】
「優雅に」,「典雅に」,「洗練されて」,「機知に富んで」
ganz[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Mac]
(≒ whole, entire, quite, very / intero, tutto, molto)
【一般的な意味】
① (形容詞として)全体の,全部の,完全な.
② (副詞として)全く,非常に,すっかり.
③ (副詞として)確かに,完全に.
【音楽用語としての訳例】
「全体で」,「完全に」,「非常に」,「全く(〜の通りに)」

"im ganzen" は「総じて」,「概して」,全体的に」
”ganze Takt”は「1つ振り」(「全音符を基準にカウントする」を意訳している)
"ganz wenig"はほんの少し
gebrochen[GM]
(≒ broken, fractured, arpeggiated / spezzato, frammentato, arpeggiato)
brechen の過去分詞
【一般的な意味】
① 壊された,割られた,折れた.
② (約束などが)破られた,(法律などが)犯された.
③ (声・光などが)途切れた,分散した,濁った.
【音楽用語としての訳例】
「分散された(和音)」,「アルペジオで」
gebunden[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ bound, tied, slurred / legato, legato)
binden の過去分詞
【一般的な意味】
① 縛られた,結ばれた,結束された.
② (規則や義務などに)拘束された,制約された.
③ (詩や文章が)韻律に従った,整えられた.
【音楽用語としての訳例】
「スラーで」,「legato で」,「なめらかに」
Gedächtnis[H: Trau]
(≒ memory, remembrance / memoria, ricordo)
【一般的な意味】
① 記憶,記憶力.
② 追憶,思い出.
③ (歴史的)記念,追悼.
gedämpft[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ muted, damped, subdued / sordinato, smorzato)
dämpfen の過去分詞
【一般的な意味】
① 弱められた,抑えられた,鎮められた.
② (光が)薄暗い,(色が)くすんだ.
③ (音が)ミュートされた,消音された,こもった.
【音楽用語としての訳例】
「弱音器をつけて(ミュートして)」,「音を抑えて」,「くぐもった音で」,「ひそやかに」

GM ではおもに打楽器で使われている.「消音して」と訳しているが,ティンパニに関しては布などでの消音を,スネアドラム (kleine Trommel) あるいはテナードラムに関しては「響線なしで」を意味することもあったりとといろいろ.金管楽器に用いられていた場合は「ミュート(弱音器)をつけて」であろう.
gedehnt[GM]
(≒ lengthened, prolonged, sustained / allungato, prolungato, sostenuto)
dehnen の過去分詞

【一般的な意味】
① 引き延ばされた,伸ばされた,拡張された.
② (時間などが)長引いた,持続した.

【音楽用語としての訳例】
「引き延ばして」,「遅らせて」,「テンポを保ちつつ音を十分に持続させて」,「ゆったりと」

GM では「引き伸ばして」と訳している."allargando" あるいは "largamente" に近い.ドイツ語では "verbreitern" とも似ているだろう.
Gefahrvolle[RS: Alpen]
(≒ perilous, dangerous / pericoloso, rischioso)
Gefahr の格変化形と voll の複合形容詞(Gefahrvoll の格変化形)
【一般的な意味】
危険な,危ない,きわどい.
Geflüster[GM]
(≒ whispering, murmur / sussurro, bisbiglio)
【一般的な意味】
① ささやき声,ひそひそ話.
② (音の)ざわめき,かすかな音.
Gefolge[RW: Oper], [RW: Oper]
(≒ entourage, retinue, followers / seguito, accompagnamento)
【一般的な意味】
① 随員,供回り,付き人(主君や重要人物に付き従う人々の集団).
② (比喩的に)結果として生じるもの,余波,伴う現象.
Gefühl[GM]
(≒ feeling, emotion, sense / sentimento, emozione)
【一般的な意味】
① 感情,気持ち,情熱.
② 感覚,感触.
③ 直感,センス,感覚.

GM では"feeling"のニュアンスで「気持ち」と訳した.ただこれは,子供の魔法の角笛 "Der Tamboursg'sell" にしかない.
gefühlvoll[RS: Held], [RS: Dom]
(≒ feelingly, soulful, emotional, affectionate / con sentimento, espressivo)
【一般的な意味】
① 感情のこもった,情愛深い.
② 感受性の豊かな,多感な.
③ 感動的な,心を打つ.
【音楽用語としての訳例】
「感情を込めて」,「心から」,「感動的に」,「感情豊かに」

"Gefühl" ならば GM にもある.
gegen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ against, toward, approximately / contro, verso, circa)
【一般的な意味】
① (前置詞として)〜に対して,〜に反対して.
② (前置詞として)〜の方へ,〜に向かって.
③ (前置詞として)(時間・数量が)約〜,およそ〜.
④ (名詞として)反対,対立.
gehalten[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ held, sustained, restrained / tenuto, sostenuto, trattenuto)
halten の過去分詞
【一般的な意味】
① 保たれた,保持された,維持された.
② (音や時間が)持続された,長引かせられた.
③ 冷静な,控えめな,抑制された,遠慮された,節度のある.
【音楽用語としての訳例】
「音の長さを保って(sostenuto)」,「持続させて(tenuto)」,「抑えて」,「抑制された音で」

GM では「音の長さを保って」( ≒ sostenuto) などとしているが,「冷静に」,「控えめに」,「節度のある」などのニュアンスもあり,一意に訳すのもよくないかもしれない."gehalten"は"tenuto" あるいは"sostenuto",”anhalten”は"ritenuto"くらいのニュアンスか.
geheimnisvoll[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ mysterious, secretive / misterioso, segreto)
【一般的な意味】
① 神秘的な,秘密に包まれた.
② 人知を超えた,不思議な.
③ 謎めいた,意味深長な.
【音楽用語としての訳例】
「神秘的に」,「秘密めいて」,「謎めいた響きで」,「幽玄に」

GM においては「神秘的に」と訳した.RW,RSのオペラでは多くの使用例がある.そこでは「謎めいて」,「秘密めいて」と訳していることが多い.
gehend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ walking, going, moving / andante, camminando)
gehen の現在分詞
【一般的な意味】
① 歩いている,行っている,進行中の.
② (物事が)進んでいる,進行している.
③ (比喩的に)受け入れられている,通用している.
【音楽用語としての訳例】
「歩くような速さで(andante)」,「進むように」,「歩行速度で」

GM では嘆きの歌(1880)第1部にのみ使用例がある.
Geiger[GM]
(≒ violinist / violinista)
【一般的な意味】
① ヴァイオリン奏者,フィドル奏者.
② (古い用法で)行商人,大道芸人.

"Geige"は「ヴァイオリン」
geläufig[H: K49]
(≒ fluent, nimble, familiar / scorrevole, familiare)
【一般的な意味】
① (言葉や技術などが)流暢な,熟達した,なめらかな.
② よく知られている,馴染み深い,周知の.
gemächlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Hr2]
(≒ leisurely, unhurried, comfortable / comodo, agiato)
【一般的な意味】
① (動作や速度が)ゆったりとした,緩やかな,あくせくしない.
② (気分や態度が)のんびりした,くつろいだ,気楽な.
【音楽用語としての訳例】
「ゆったりと」,「急がずに」,「のんびりと」,「くつろいで」,「悠然と」
gemässigt[GM], [RW: Oper]
(≒ moderate, temperate / moderato)
mäßigen の過去分詞 (標準表記:gemäßigt)
【一般的な意味】
① (気候などが)穏やかな,温帯の.
② (態度・速度・要求などが)節度のある,適度な,極端でない.
【音楽用語としての訳例】
「適度に」,「中くらいの(速さで)」,「穏やかに」

GM では「穏やかに」と訳しているが「控えめに」でもうよいだろう.
gemein[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ common, vulgar, mean / comune, volgare, ordinario)
【一般的な意味】
① 卑俗な,下品な,粗野な.
② (現代語として)意地悪な,ひどい,卑劣な.
③ 一般の,共通の,通常の,普通の.

GM では子供の魔法の角笛 "Der Schildwache Nachlied” にのみ使用例があり,ここでは③の意味で用いられている.
gemessen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ measured, grave, stately, deliberate / misurato, grave, solenne)
messen の過去分詞
【一般的な意味】
① (態度・動作・歩調などが)威厳に満ちた,重々しい,沈着な,一挙手一投足を慎重に行うような,節度を保った.
② (時間やリズムが)正確に計られた,計算された,均整のとれた,拍動が一定した.
③ (感情などが)抑制された,節度のある,落ち着いた.
【音楽用語としての訳例】
「(葬送の足取りのように)重々しく」,「威儀を正して」,「一音一音を十分に踏みしめて」,「(テンポを揺らさず)正確な歩みで」,「厳粛に」

いろいろ訳がありかなり迷うが,結局「落ち着いて」とした.ただし,GM の交響曲第5番第1楽章の"gemessenem Schritt"だけは「規則正しい歩調で」と訳している.
gemütlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ comfortable, cozy, genial / comodo, piacevole)

【一般的な意味】
① (場所・雰囲気などが)居心地の良い,くつろいだ,快適な.
② (人・性格などが)気さくな,愛想の良い,温厚な.
③ (動作・速度などが)のんびりした,せかせかしない,気楽な.

【音楽用語としての訳例】
「くつろいで」,「気楽に」,「心地よく」,「のんびりと」

交響曲第7番第5楽章にのみ使用例がある.「くつろいで」と訳している.
genau[B: 8-1], [RS: Dom], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ exact, precise, accurate / esatto, preciso)
【一般的な意味】
① 正確な,精密な,狂いのない.
② 厳密な,厳格な,きちょうめんな.
③ (副詞として)まさにその通り,ちょうど.
【音楽用語としての訳例】
「正確に」,「きっちりと」,「(リズムや指示を)厳守して」
Genehmigung[H: KM1-1]
(≒ permission, approval, consent / permesso, approvazione)
【一般的な意味】
① 許可,認可,承諾,同意.
② (書面による)許可証,認可証.
【音楽用語としての訳例】
「(出版や上演の)許可」,「承認」,「(著作権表示などで)同意」
Genesende[RS: Zara]
(≒ convalescent, recovering person / convalescente)
genesen の現在分詞 genesend の名詞化
【一般的な意味】
① 病気から回復しつつある人,快方に向かっている人.
② 療養者.

Beethoven: Op.132 での "Heiliger Dankegesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lidischen Tonart" は「病から快復した者による神への神聖な感謝の歌,リディア旋法で」
gerieben[GM], [RS: Oper]
(≒ rubbed, grated, crafty / strofinato, grattugiato)
reiben の過去分詞
【一般的な意味】
① こすられた,摩擦された.
② (食材などが)すりおろされた.
③ (口語で)ずる賢い,抜け目のない,老獪な.
【音楽用語としての訳例】
「(打楽器などを)こすって」,「摩擦させて(音を出す)」

GM では嘆きの歌(1880)第2部にのみ使用例がある.シンバルに対する指示で,いわゆる「クラッシュ」ではなく擦ることにより持続性があり微妙に揺らぐような音色を生み出す効果を狙っている.「擦って鳴らす」と訳している.
gerissen[GM]
(≒ torn, cunning, plucked / strappato, astuto)
reißen の過去分詞
【一般的な意味】
① (紐や紙などが)切れた,裂けた,ちぎれた.
② (人が)ずる賢い,抜け目のない,老獪な.
【音楽用語としての訳例】
「pizzicato(強く)」,「(弦を)強くはじいて」,「(弦が指板に当たるほど)激しくピチカートで」,「引き裂くように」

"sharp" の意味もあるようなので,GM では「鋭く切って」と訳している.ほかにも「鍵盤からすばやく手をあげる」等の意味もある.
gerührt[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ moved, touched, stirred / commosso, toccato)
rühren の過去分詞
【一般的な意味】
① (感情的に)感動した,心打たれた,胸がいっぱいになった.
② (液体などが)かき混ぜられた.
【音楽用語としての訳例】
「感動をもって」,「感情を込めて」,「深く心を動かされたように」
Gesangsperiode[B: 4-2]
(≒ Song period, Lyrical section / Periodo cantabile, Periodo melodico) Gesang (歌) + s (接合辞) + Periode (楽節,期間) の複合名詞
【一般的な意味】 ① 歌唱の期間,歌っている時期. ② (音楽形式において)歌謡的な性格を持つ楽節,旋律区画.
【音楽用語としての訳例】 「cantabileな楽節」,「歌謡主題部」,「第2主題群(特にブルックナーの交響曲において)」

この用語は Anton Bruckner(およびその弟子や研究者)が,自身の交響曲のソナタ形式における「第2主題群」を指すために用いた独特の用語であり,実質的に彼の造語(または独自の定義語)と見なされている.ドイツ語圏では,ソナタ形式の第2主題は Seitensatz(副次楽節)や Seitensthema(副次主題)と呼ばれている.しかし,Bruckner はこの用語を避け,意図的に Gesangsperiode(歌謡主題部/歌唱楽節)と呼んだ.これには以下の理由がある.

【性格の対比】
Bruckner のソナタ形式は,第1主題が「リズム的・動機的・荘厳」であるのに対し,第2主題は極めて「旋律的・抒情的(cantabile)・複旋律的」であることが特徴.彼はこの対比を明確にするため,「単なる副次的な主題」ではなく「歌うような独自の領域(Periode)」という意味を込めている.

【構造的な独立性】
Bruckner の「第2主題」は,単一の旋律ではなく,複数の声部が絡み合う複雑で長いセクション(群)を形成している.これを単なる「テーマ(Thema)」と呼ぶには規模が大きすぎるため,「Periode(楽節/一区切りの期間)」という言葉が選ばれた.

「ソナタ形式の第2主題群」を指す専門用語として使用するのはBruckner(および Bruckner 研究)に特有の用法のようだ.
gesättigten[GM]
(≒ saturated, full, rich / saturo, pieno)
sättigen の過去分詞 gesättigt の格変化形
【一般的な意味】
① (食欲などが)満たされた,満腹した.
② (化学的に)飽和した.
③ (色・光・音などが)濃い,深みのある,充実した.
【音楽用語としての訳例】
「(響きが)飽和した」,「たっぷりと」,「豊麗な」,「充実した(音で)」

GM では交響曲第3番第6楽章でのみ使用例がある.「満ち足りた」と訳している.
geschehen[B: 5]
(≒ happen, occur, be done / accadere, avvenire) 動詞 geschehen の不定詞(原形),および過去分詞
【一般的な意味】
① (事件・出来事が)起こる,生じる,現れる.
② (〜が)なされる,行われる,実現する.
③ (完了形 es ist geschehen として)終わった,済んだ,過去のこととなった.
geschliffen[GM]
(≒ polished, sharpened, refined / levigato, raffinato)
schleifen(強変化)の過去分詞
【一般的な意味】
① (刃物や宝石などが)研がれた,磨かれた,カットされた.
② (言葉・態度・芸術などが)洗練された,磨き抜かれた,あか抜けた.
【音楽用語としての訳例】
「洗練された」,「(リズムなどが)鋭く研ぎ澄まされた」,「磨き抜かれた」

GM では交響曲第5番第3楽章にのみ使用例がある.「鋭く」と訳している.
geschmeidig[RS: Dom], [RS: Oper]
(≒ supple, flexible, smooth / flessibile, morbido)
【一般的な意味】
① (体や素材などが)柔軟な,しなやかな,弾力性のある,曲げやすい.
② (動作・言語・態度などが)滑らかな,融通の利く,巧みな.
【音楽用語としての訳例】
「しなやかに」,「柔軟に」,「滑らかに」,「(角張らず)円滑に」
geschrieen[GM]
(≒ screamed, shouted / gridato, urlato)
schreien の過去分詞(旧正書法の綴り.新正書法では geschrien となることが多い)
【一般的な意味】
① 叫んだ,怒鳴った,大声を上げた.
② (色や対比などが)けばけばしい,激しく衝突する.
【音楽用語としての訳例】
「叫ぶように」,「絶叫して」,「(楽器が)金切り声を上げて」

GM では子供の魔法の角笛 "Revelge" にのみ使用例がある.
geschwätzig[K: Cap]
(≒ talkative, chattering, loquacious / con leggerezz, loquace, chiacchierone)
【一般的な意味】
① おしゃべりな,口数の多い,多弁な.
② (内容が)噂話の好きな,ゴシップ好きの.
【音楽用語としての訳例】
「おしゃべりのように(木管楽器など)」,「ぺちゃくちゃと」,「ざわめくように」
geschwind[K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ swift, fast, quick / presto, veloce, rapido)
【一般的な意味】
① 速い,素早い,迅速な.
② 即座の,敏速な.
【音楽用語としての訳例】
「速く」,「急速に」
Geschwindmarsch[H: Sere]
「速いマーチ」."geschwind" は「速い」,「早急な」
Gestalt[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shape, form, figure / forma, figura)
【一般的な意味】
① 形,形態,外観,輪郭.
② (人の)姿,容姿,体つき,身長.
③ (物語などの)登場人物,キャラクター.
gestossen[GM], [RW: Oper]
"gestoßen" の旧正書法またはスイスドイツ語の綴り."gestoßen" の項を参照.
gestoßen[GM]
(≒ pushed, detached / spinto, staccato, martellato)
stoßen の過去分詞.
【一般的な意味】
① 突かれた,押された,衝突した.
② (粉末状に)砕かれた,つぶされた.
③ (不快感などを)与えられた,突き放された.
【音楽用語としての訳例】
「(弓で)突くように」,「音を切って」,「(管楽器で)タンギングをして」

「スタッカート」と訳しているが,交響曲第7番の第5楽章にある"kräftig gestoßen"だけは「力強いスタッカートで」という訳が適切でない気もしたので「力強いアーティキュレーションで」としている.
gestrichen[B], [GM]

(≒ stroked, bowed, crossed out / arcato, barrato) 動詞 streichen(撫でる、擦る、線を引いて消す)の過去分詞形
【一般的な意味】
① 引っ張られた,引き出された.
② (線などが)引かれた.
③ (時間や空間が)延ばされた,長く続いた.
④ 育てられた,栽培された.
【音楽用語としての訳例】 「保って」,「引き延ばして」,「(Bruckner において)弓を十分に引いて」,「弓で弾いて」,「削除された」.

その他「オクターブ記号」のことを指すこともある.音名の右肩に付ける「 ′ 」(プライム記号)のことを Strich(線)と呼び,その線が何本引かれているかで,どのオクターブの音かを表現する.例えば,”dreimal gestrichenes C” は「3点ハ」.

【Brucknerにおける "gestrichen" の用法】
"gestrichen" は個々の音の独立性を強調する意味で使われていることが多く,「個々の音を明確に分ける(Detaché:)」のニュアンスが強い."gestrichen" が単独で(ピチカートの後でもないのに)現れる場合,それはしばしば "gebunden"("legato")の対義語として機能している.「一音ごとに弓を返して(あるいは弓を止めて),音の分離を明確にする」 という意味合いをもつ.

【Brucknerにおける "gezogen" の用法】
"gezogen" は線的な流れを強調する意味で使われていることが多く,しばしば "gestrichen"(輪郭・アクセント重視)と対比的に用いられ,弓をたっぷりと使い,滑らかで途切れのない「歌うような(cantabile)」メロデ ィックな流れを強調する際に指示される.そもそもドイツ語の "ziehen"(引く)には「線を描く」「長く伸ばす」というニュアンスがある.Bruckner の交響曲ではしばしば「オルガン的」と言われるが,"gezogen"(または "lang gezogen")という指示は,弦楽器に対して「弓を返す際に音を痩せさせず,オルガンの持続音のように均質なテンションで音を保つこと」を要求している."legato"との違いは単なる "legato"(スラーでつなぐ)以上に,「弓の速度と圧力を一定に保って,音を太く長く引き抜く」という物理的な運動を示唆している.ちなみに[B: 5]においては"gestrichen","gezogen"が同じ場所で指示されている個所もある.

【 GM における "gestrichen" の用法】
GM において,"pizz." や "col legno" の後に現れる "gestrichen" (または "wieder gestrichen") は,ほとんどが「通常奏法("arco")に戻せ」という機能的なリセットの指示である.

【 GM における "gezogen" の用法】
複合語としての使用: "gezogen" が単独で現れることはなく,必ず "lang" (長く) や" breit" (幅広く) と結びつき,"lang gezogen" (長く引き伸ばして) のように音価やフレージングの長さを規定するために使われている.

以上により,Bruckner においてこれらの用語を GM 的な「arco」と混同することは避けたい.簡単に言うと GM では「How to play」,Bruckner では「How it sounds」だろう.
Gestrüpp[RS: Alpen]
(荒れた) 灌木林,茂み,藪
getheilt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ divided, split / diviso)
teilen(旧正書法での theilen)の過去分詞
【一般的な意味】
① 分けられた,分割された,分離した.
② 共有された,分かち合われた.
【音楽用語としての訳例】
「divisi」,「(プルトを)分けて」,「分割して」,「(弦楽器などが)分奏で」
getragen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Hr2]
(≒ sustained, solemn, grave / sostenuto, grave)
tragen の過去分詞
【一般的な意味】
① (荷物などが)運ばれた,(衣服などが)着用された.
② (態度・歩調などが)重々しい,威厳のある,荘重な.
【音楽用語としての訳例】
「音を十分に保って」,「荘重に」,「重々しく」,「(テンポを)遅く保って」

GM では「ゆったりと」と訳している.
Gewalt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ force, power, violence / forza, violenza, potenza)
【一般的な意味】
① (物理的な)力,暴力,腕力.
② (支配的な)権力,権限,支配.
③ (自然などの)猛威,脅威.
【音楽用語としての訳例】
「con tutta la forza」,「暴力的に」,「全力で」,「猛烈な力で」,「(圧倒的な)威力」

GM では”mit Gewalt”は「暴力的に」と訳した.「激しく」と訳した方がよさそうなところもある.
gewichtig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [H: Welt]
(≒ weighty, important, significant / pesante, grave, importante)
【一般的な意味】
① 相当の重さがある,重みのある,分厚い.
② (事柄・態度などが)重要な,意義深い,権威ある,重々しい.
【音楽用語としての訳例】
「重々しく」,「威厳をもって」,「(響きに)重みをつけて」,「重要な意味合いで」
gewidmet
(≒ dedicated / dedicato)
widmen の過去分詞
【一般的な意味】
① (記念碑・著作などを特定の人に)献呈する,捧げる.
② (時間・注意・労力などを特定の目的のために)費やす,当てる.
③ (ある対象に)専念する,身を捧げる.
【音楽用語としての訳例】
「(~に)献呈された」,「~に捧ぐ」
gewinnen[GM], [RW: Oper]
(≒ win, gain, acquire / vincere, ottenere)
【一般的な意味】
① (競争・戦いなどに)勝つ,勝利を得る.
② (利益・物・地位などを)得る,手に入れる.
③ (時間・支持・確信などを)獲得する,増す.

GM では使用例は1か所しかなく,交響曲第9番第1楽章に "Allmählich an Ton gewinnend" とある.これは前の "Schattenhaft" (影のように)から元の状態に戻っていくことを指していると思われるので「(存在感を) 取り戻す」とした.
gewirbelt[GM]
(≒ swirled, whirled, rolled / rullato, turbinato)
wirbeln の過去分詞
【一般的な意味】
① 渦巻いた,旋回した,回転した.
② (砂や雪などが)舞い上がった.
③ (太鼓などが)ロールされた,連打された.
【音楽用語としての訳例】
「(太鼓の)ロールで」,「連打で」,「渦巻くように」,「急速な連続音で」

シンバルを(ティンパニの撥で) ロールする,という意味.実際にはティンパニの撥ではなくサスペンドシンバル用の撥で叩いたりもするようだ.
Gewitter[RS: Alpen]
(≒ thunderstorm) 雷雨,夕立
gewöhnlich[GM]
(≒ usual, ordinary, common / usuale, ordinario, comune)
【一般的な意味】
① いつもの,普段の,通常の.
② ありふれた,平凡な,並の.
③ (副詞として)たいてい,通常は.
【音楽用語としての訳例】
「通常通りに」,「平常のテンポで」

特殊な奏法から通常の奏法に戻る場合に使われている.
gewonnenen[RS: Held]
(≒ won, gained, acquired / vinto, acquisito)
gewinnen の過去分詞 gewonnen の格変化形
【一般的な意味】
① (競争・戦いなどに)勝った,勝利を得た.
② (利益・物・時間などを)獲得した,手に入れた,確立した.
【音楽用語としての訳例】
「獲得した」,「手に入れた」,「(テンポなどが)確立された」

"gewinnen" ならば GM の交響曲第9番にもある."accelerando bis --- fest im gewonnenen,lebhaften Zeitmaß" は,「いきいきとしたテンポになるまでアッチェレランドし,一定のテンポになる」,くらいの意味であろう.
geziert[RW: Oper]
(≒ affected, mannered, unnatural / affettato, lezioso)

【一般的な意味】
① 気取った,もったいぶった,見え張った.
② (装飾などが)飾りの多い,不自然な.

【音楽用語としての訳例】
「気取って」,「もったいぶって」,「わざとらしく」,「不自然に飾った」
gezogen[B], [GM]
(≒ drawn, pulled, sustained / tenuto, trascinato)
動詞 ziehen(引く、引きずる)の過去分詞形.
【一般的な意味】
① 引かれた、引き出された. ② (線などが)引かれた.
【音楽用語としての訳例】
「tenuto」,「portamento」,「音を十分に保って」,「引き伸ばして」

"gestrichen"の項を参照.
glänzend[K: Cap], [RW: Oper]
(≒ shining, brilliant, splendid / brillante, sfolgorante)
glänzen の現在分詞
【一般的な意味】
① 光っている,輝いている,きらめく.
② (成績・結果などが)華々しい,見事な,素晴らしい.
③ (色彩が)鮮やかな,際立った.
【音楽用語としての訳例】
「華々しく」,「きらびやかに」,「輝かしい音色で」,「鮮やかに」
gleich[GM]
(≒ equal, same, immediately / uguale, medesimo, subito)
【一般的な意味】
① 同一の,等しい,同じ.
② すぐに,間もなく,即座に.
③ (形容詞の格変化形として)ちょうど,まさに.
【音楽用語としての訳例】
「直ちに」,「すぐに」,「同様に」,「同度の」

"gleich weiter" = "attacca"
gleich weiter[H: KM6], [H: K48], [H: K49]
(≒ attacca) 「すぐに先へ進む」."sofort weiter" も同じ.
gleichgültig[RS: Till]
(≒ indifferent, apathetic, immaterial / indifferente, apatico)
【一般的な意味】
① 無関心な,無頓着な,どうでもよい.
② 平凡な,つまらない,取るに足らない.
③ (化学などが)中性の,不活性な.
【音楽用語としての訳例】
「無関心に」,「無感情に」,「淡白に」
gleichmässig[GM]
(≒ uniform, even, regular / uniforme, regolare)
Gleichmaß の格変化形と形容詞の複合形
【一般的な意味】
① 均等な,均一な,むらのない.
② 一様な,規則正しい,均整のとれた.
【音楽用語としての訳例】
「均一に」,「一様に」,「規則正しく」,「一定のテンポで」
Gletscher[RS: Alpen]
氷河
glissando über die ganze Griffbrett[H: KM1-1]
指板全体にわたるグリッサンド
glissando über die ganze Klaviatur[H: KM1-1]
全鍵盤を使ったグリッサンド
glühen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ glow, burn, be fervent / ardere, fiammare)
【一般的な意味】
① 熱して赤くなる,白熱する,燃える.
② (感情が)燃える,熱狂する,熱心である.
③ (色が)赤く輝く,鮮烈である.
【音楽用語としての訳例】
「燃えるように」,「熱烈に」,「情熱的に」

GM では「燃え立つように(輝くように)」と訳している.
Grablegung[H: Mat]
埋葬
Grablied[RS: Zara]
墓場の歌
Graf[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ count, earl / conte)
【一般的な意味】
伯爵(ヨーロッパの貴族の位階の一つ).
grausam[RS: Oper]
(≒ cruel, atrocious, terrible / crudele, atroce)
【一般的な意味】
① 残酷な,むごい,非道な.
② 凄まじい,ひどい,恐ろしい.
Grausen[GM], [RW: Oper]
(≒ dread, horror, shudder / orrore, paura)
【一般的な意味】
① 恐怖,戦慄(せんりつ),ぞっとすること.
② 嫌悪,いとわしさ.
③ 恐ろしいこと,恐ろしいもの.
【音楽用語としての訳例】
「恐怖をもって」,「ぞっとして」,「戦慄して」,「おののいて」

GM では子供の魔法の角笛 "Der Tamboursg'sell" にのみ使用例がある."mit Grausen"は「戦慄して」と訳している.
grell[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shrill, harsh, glaring / stridulo, aspro)

【一般的な意味】
① (音が)甲高い,耳障りな,金切り声の.
② (色が)けばけばしい,目に痛い,どぎつい.
③ (照明が)まぶしい,きつすぎる.

【音楽用語としての訳例】
「耳障りな」,「甲高い(音で)」,「きつく」

「けたたましく」「甲高く」と訳している.RW,RSのオペラでは「金切り声で」でもよいだろう.
Griffbrett[GM]
(≒ fingerboard / tastiera)
【一般的な意味】
① (弦楽器の)指板,フレットボード.
② (比喩的に)楽器の演奏技術.

"am Griffbrett" 等は「指板の近くで」と訳しているが,もちろん "sul tasto" である.
grimmig[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ grim, fierce, stern / feroce, burbero)
【一般的な意味】
① 恐ろしい,凄まじい,荒々しい.
② (表情・態度などが)いかめしい,厳しい,険しい.
③ (天候などが)厳しい,荒れた.
【音楽用語としての訳例】
「恐ろしく」,「凄まじく」,「厳めしく」,「険しい表情で」,「苦々しげに」,「険しく」
grob[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ rough, coarse, crude / ruvido, rozzo)
【一般的な意味】
① 粗い,きめの粗い,ざらざらした.
② (態度・言動などが)粗野な,ぞんざいな,下品な.
③ (数量・見積もりが)大まかな,概略の.
【音楽用語としての訳例】
「荒々しく」,「粗野に」,「大まかな(リズムで)」

GM では交響曲第3番第3楽章にのみ使用されている.「粗野に」と訳している.
groß[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ large, big, great, important / grande, vasto, importante)
【一般的な意味】
① 大きい,巨大な,広大な.
② (程度が)高い,ひどい,大変な.
③ 重要な,偉大な,主要な.
④ (名詞 Große として)大人,偉人.

いろんな意味があって,訳出が難しい.GM では"mit großem Ton"などは「豊かな音で」と訳している.「堂々とした音色で」,「力強い響きで」などでも良いかもしれない.
Grund[RS: Qui]
(≒ ground, reason, base, bottom, foundation / ragione, base, fondamento)
【一般的な意味】
① 地面,土地,基礎,土台.
② 根拠,理由,原因.
③ 底部,奥.

「(和声の)根音」の意味もある.
Hab lumbedruwwel mit me lumbeschatz[H: Pitt]
「私の大事なろくでなしとの間にちょっとした問題がある 」.どうやらラインラント地方の方言が使われているようだ.
halbe[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ half, partial / mezzo, metà)
halb の格変化形
【一般的な意味】
① 半分の,部分的な,不完全な.
② 半時間,半分.
【音楽用語としての訳例】
「二分音符」,「halbes Tempo」(半分のテンポ),「halbe Töne」(半音),「半分の(パートで)」,「部分的に」

GM では"Halbe taktieren"は「2つ振り」としているが,これは「2分音符を基準にカウントする」を意訳している.
hallen[GM]
(≒ resonate, echo, boom / risuonare, echeggiare)
【一般的な意味】
① (音などが)響く,反響する,こだま(谺)する.
② (場所が)響きわたる,鳴り響く.
③ (比喩的に)(言葉などが)心に響く.
【音楽用語としての訳例】
「響きわたるように」,「共鳴させて」

GM では "langhallenden" は「長く響く」とした.
hämmernd[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hammering, pounding, emphatic / martellando, battente)
hämmern の現在分詞
【一般的な意味】
① ハンマーで打っている,叩いている,連打している.
② (脈拍や音が)激しく打つ,どきどきする.
③ 執拗に繰り返している.
【音楽用語としての訳例】
「ハンマーで叩くように」,「激しく打って」,「強く連打して」,「執拗に叩くように」
harpeggirt, harpegg.[RS: Zara], [RS: Dom]
アルペジオで. ただし,現代では一般的には"Arpeggiert"との表記らしい.
hart[GM]
(≒ hard, harsh, severe / duro, aspro, severo)
【一般的な意味】
① 硬い,堅固な,頑丈な.
② (音・態度・味などが)厳しい,厳しい,荒々しい,耳障りな.
③ (運命・状況などが)つらい,厳しい,過酷な.
【音楽用語としての訳例】
「硬く」,「厳しく」,「激しい態度で」,「荒々しく」,「(音を)際立たせて」

GM では打楽器に対する指示で①の意味で使われている.
hässlich[RS: Oper]
(≒ ugly, nasty, hideous / brutto, sgradevole, orrendo)
【一般的な意味】
① (外見が)醜い,見苦しい,ひどい.
② (性質・行為が)意地の悪い,憎らしい,不愉快な.
【音楽用語としての訳例】
「醜く」,「不快に」,「耳障りな音で」,「嫌悪感を催すように」
Hauch[GM], [RS: Oper]
(≒ breath, whiff, trace / soffio, alito, traccia)
【一般的な意味】
① 息,呼気,吐息(といき).
② (風などの)そよぎ,微風.
③ かすかな気配,ほんのわずかなもの,気味.
【音楽用語としての訳例】
「息づかい」,「かすかに」,「極めて弱く」,「微かに」

GMでは「かすかな気配のように」と訳している.
Hauptzeitmaß[GM]
メインのテンポで,最初のテンポで.

GM で曲の中でテンポが変動した後,その楽章やセクションの「核となる本来の速度」に戻ることを指示するときに使われている.
Haushofmeister[RS: Oper]
(≒ steward, majordomo, butler / maggiordomo, intendente)

【一般的な意味】
① (大家族や宮廷の)家令,執事,差配人.
② (劇場・病院などの)建物全体の管理責任者.
③ (古い用法で)家事一般を取り仕切る人.

以下は RS の Der Rosenkavalier に出てくる使用人たちのまとめ

Almosenier
施し物を管理する役職,聖職者崩れ.元は宮廷や大貴族の邸宅で慈善事業を担当した聖職者の役職名.Ochs 男爵が用いる場合,その古風で大げさな響き自体が,彼の時代錯誤な田舎貴族としての性格を滑稽に描き出す.
【採用した訳】 喜捨係
【階級:低い】Ochs 男爵の個人的な取り巻きの一人.尊大な役職名とは裏腹に,その実態は聖職者崩れの胡散臭い人物であり,元帥夫人の邸宅に仕える正式な使用人たちとは比較にならないほど身分は低い.

Bediente
やや公的・客観的な響きを持つ「使用人」.Dienerよりもフォーマルで,邸宅や主人に雇用されている「職員」というニュアンスが強い.個々の人格よりも集団としてのスタッフという側面が強調される.
【採用した訳】使用人(複数形:使用人たち)
【階級:中〜下位】男性使用人を指す総称的な語.家令や侍僕のような上級職ではなく,主に邸宅の運営を支える一般の働き手を指す.Diener(召使い)とはほぼ同格.

Diener
最も広範で基本的な「仕える者」.特定の職務に限定されず,主人に仕える行為に焦点を当てた語.「召使い」の日本語が持つ個人的奉仕のニュアンスに近い.
【採用した訳】召使い(複数形:召使いたち)
【階級:中〜下位】男性使用人の基本階級.特別な役職名を持たない一般召使い.Bediente(使用人)とほぼ同格.

Dienerschaft
使用人の集団・組織全体.家令を頂点とする統率された組織を指す集合名詞.邸宅の格式はDienerschaftの質と規模に表れる.
【採用した訳】召使いたち(文脈により「お付きの者たち」「屋敷の者たち」)
【階級:構造全体】Diener と揃えて「召使いたち」と訳す.場面により柔軟に訳語を変えた.

Duenna
若い貴婦人の監督・後見役.スペイン宮廷由来の特殊役職.しばしば口うるさく保守的.侍女監督.
【採用した訳】Marianne(Duenna)
【階級:中の上】Sophie専属の監督役.一般の女中より格上で強い権限を持つ.

Hausknecht
宿屋や商家などで働く下働き.力仕事担当で最下級.貴族邸宅の召使いとは別系統.
【採用した訳】下男
【階級:最下位】宿屋の裏方で働く卑俗な下働き.第3幕に登場.

Haushofmeister
大貴族の邸宅全体を統括する家令・執事長.使用人組織の頂点に立ち,儀礼・財務・邸宅運営を統括する.
【採用した訳】家令
【階級:最高位の管理職】邸宅における男性使用人階級の最高位.DienerLakai らを総指揮し格式を体現する重要職.

Kammerdiener
主人の私室に仕える個人的従者.着付け,私物管理,私的雑務を担当し,主人からの信頼が不可欠.
【採用した訳】侍僕
【階級:高い】一般の従僕より格上の専門職.経験豊富で主人への忠誠を示す存在.

Kammerlakai
私室付きの下級従僕.侍僕の補助を行い,雑務を担う.
【採用した訳】部屋付き従僕
【階級:中位】Kammerdiener より下だが,一般の Lakai よりは格上.

Kellner
商業施設(宿屋)で働く給仕.貴族邸宅の使用人ではない.
【採用した訳】給仕
【階級:外部】貴族社会の階級構造の外にいる従業員.

kleiner Neger
衣装の裾持ちなどを担当した黒人少年従者.格式誇示の装飾的存在.現代では差別的語であり注記が必要.
【採用した訳】黒人の小姓
【階級:特殊(下位)】元帥夫人の引き裾を持つ役割.従僕の一形態.

Lakai
邸宅の下級従僕.扉の開閉,来客案内,使い走りなど雑務を担当し,儀礼や見栄えのために配置されることも多い.
【採用した訳】従僕
【階級:下位】BedienteDiener と同等かやや下.侍僕よりは大きく下位に位置する.

Leibjäger
主人専属の猟師兼護衛.田舎貴族が連れ歩く武骨な存在.
【採用した訳】護衛猟師
【階級:特殊(低い)】邸宅の正式使用人ではない.粗野で礼儀に欠ける人物として描かれる.

Leibkammerdiener
主人個人に密着して仕える専属侍僕.最も機密性の高い私室業務を担当する.
【採用した訳】側仕えの侍僕
【階級:非常に高い】Kammerdiener よりもさらに主人との距離が近く,従僕階級の最高位に相当.

Leiblakai
主人個人に仕える従僕.Kammerdiener ほど高位ではないが距離は近い.Ochs 男爵の場合は非嫡出子.
【採用した訳】側仕えの従僕
【階級:特殊(低い)】特別な関係を持つが身分は低い.訓練不足で洗練されない人物.

Leute
Ochs 男爵が田舎から連れてきた私的な随行員(Almosenier, Leibjäger, Leiblakaiら)の総称.ウィーンの洗練された使用人組織とは対照的に,だらしのない態度(mangelhafter Haltung)で描かれる.
【採用した訳】(男爵の)従者たち
【階級:低い/粗野】

Livree
制服またはその制服を着た従僕団.家の権威を象徴.
【採用した訳】制服(または「制服の従僕たち」)
【階級:象徴】仕立ての良し悪しが家格を象徴.Ochs 男爵の「似合わない制服」は象徴的.

Lümmel
粗野な若者・ごろつき.特定役職ではなく侮蔑語.
【採用した訳】ごろつき
【階級:最下層/階級外】Ochs 男爵の取り巻きの粗野さを示す.

Magd
一般の女性使用人.清掃・洗濯などの家事担当.
【採用した訳】女中(複数形:女中たち)
【階級:下位】女性使用人の基本階級.Zofe より低い.

Zofe
貴婦人の身の回りの世話をする侍女.信頼の厚い存在.
【採用した訳】侍女
【階級:高い(女性使用人内)】女中より格段に上位.腹心となる場合もある.

階級順に並べ替えてみると
【最高位の管理職】
Haushofmeister(家令)

【非常に高い(主人個人専属)】
Leibkammerdiener(側仕えの侍僕)

【高い(私室に出入りできる高位使用人)】
Kammerdiener(侍僕)
Zofe(侍女)

【中の上(監督役)】
Duenna(侍女監督)

【中位(私室まわりの下級職)】
Kammerlakai(部屋付き従僕)

【中〜下位(一般の男性使用人)】
Bediente(使用人)
Diener(召使い)
Lakai(従僕)

【下位(一般の女性使用人)】
Magd(女中)

【下位(田舎貴族の取り巻きなど)】
Almosenier(喜捨係)
Leute((男爵の)従者たち)

【特殊(邸宅外,または特別な背景)】
Leiblakai(側仕えの従僕)
Leibjäger(護衛猟師)
kleiner Neger(黒人の小姓)

【外部(貴族邸宅の使用人ではない)】
Kellner(給仕)

【最下層/階級外】
Hausknecht(下男)
Lümmel(ごろつき)
Hausknecht[RS: Oper]
(≒ house servant, porter, handyman / domestico, portiere)
【一般的な意味】
① (家事一般の)男の使用人,家僕,雑役係.
② (古い用法で)旅館などのポーター,荷物運び人.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
heftig[GM]
(≒ vehement, intense, violent / veemente, intenso)
【一般的な意味】
① 激しい,猛烈な,強烈な.
② (性格・感情などが)熱烈な,激しやすい,情熱的な.
③ (病気などが)重い,酷い.
【音楽用語としての訳例】
「激しく」,「猛烈に」,「強烈な感情を込めて」

日本での「ヤバい」に相当するポジティブ・ネガティブ両方の意味を備えているようだ."Das Konzert war heftig!"(あのコンサートはヤバかった!).
Heiligen[H: Mat]
(≒ saint, holy one / santo)
heilig の名詞化形 Heilige(r) の格変化形(複数形など)
【一般的な意味】
① キリスト教などの宗教における聖人,聖者.
② (比喩的に)崇拝の対象となる人.
heimlich[RW: Oper], [RS: Oper], [K: App]
(≒ secret, clandestine, mysterious / segreto, misterioso)
【一般的な意味】
① 秘密の,内密の,隠された.
② (動作が)こっそりとした,人目を忍んだ,ひそかな.
【音楽用語としての訳例】
「misterioso」,「segreto」,「ひそかに」,「内密に」,「秘密めいた響きで」,「人目を忍んで」
heiter[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
"(≒ cheerful, serene, bright / sereno, allegro)
【一般的な意味】
① (気分・雰囲気・空模様などが)快活な,明るい,晴れやかな.
② (性格・人生観などが)楽天的な,陽気な.
③ (天候が)晴れた,澄んだ.
【音楽用語としての訳例】
「快活に」,「陽気に」,「晴れやかに」,「明るい音色で」"

GM では「陽気に」と訳している.
heraus[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ out, forth, outside / fuori, da dentro)

【一般的な意味】
① (内部から外部へ)外へ,出て.
② (比喩的に)公に,明らかになって.
③ (分離動詞の接頭辞として)内部から抽出する,見つけ出す,あるいは識別する意味を加える(例: heraushören 聞き分ける,herausfinden 見つけ出す).
herausgebevorschlag[GM]
(≒ editorial suggestion, proposed reading / proposta editoriale, suggerimento per la pubblicazione)
Herausgabe (出版) と Vorschlag (提案) の複合名詞
【一般的な意味】
① 出版に関する提案,発行案.
② (特定の文章や資料に対する)校訂者・編集者による提案.
herausgestossen[GM]
(≒ ejected, thrust out, uttered abruptly / espulso, proiettato, pronunciato bruscamente)
herausstoßen の過去分詞(herausgestossen は旧正書法またはスイスドイツ語の綴り)
【一般的な意味】
① (内部から外部へ)激しく押し出された,追放された.
② (言葉や音などが)唐突に発せられた,吐き出された.
【音楽用語としての訳例】
「spinto」,「激しく突き出すように」,「鋭く発音して」,「吐き出すように」,「(音を)際立たせて」

GM の交響曲第3番第5楽章のアルトに対する指示.
"heraus"(外へ)+"stoßen"(押す)の過去分詞.「押し出された」,「吐き出された」なので,「勢いよく突き出すように(勢いよく発音して)」とした.
hervortretend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ emerging, prominent, standing out / sporgente, prominente)
hervortreten の現在分詞
【一般的な意味】
① 前に出ている,突き出ている,突出している.
② 際立っている,目立っている,頭角を現している.
③ (比喩的に)生じている,現れている.
【音楽用語としての訳例】
「際立って」,「浮き立って」,「強調して(特に旋律を)」,「目立って」

GM では「目立って」と訳しているが,[RW: Oper],[RS Oper] などの舞台指示では「(舞台)前景に進み出て」の意味になることもある.
hervortritt[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ emerges, steps forward, stands out / emerge, spicca)
hervortreten の現在形三人称単数
【一般的な意味】
① 前に出る,姿を現す,出現する.
② 際立つ,目立つ,頭角を現す.
【音楽用語としての訳例】
「現れる」,「際立つ」,「浮き出る」,「(主題などが)表に出る」,「目立つ」
hervorzubringen[GM], [RW: Oper]
(≒ to produce, to bring forth, to generate / produrre, generare)
分離動詞 hervorbringen の zu-不定詞形
【一般的な意味】
① (結果・産物・音などを)生み出す,作り出す,もたらす.
② (草木などが)実らせる,産出する.

GM では①の意味で使われていて,「音を出す」と訳している.
heuchlerisch[RS: Held], [RW: Oper]
(≒ hypocritical, feigned, sanctimonious / ipocrita, falso)
【一般的な意味】
① 偽善的な,猫をかぶった,見せかけの.
② 誠実さのない,信用できない.
heulend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ howling, wailing, weeping / ululante, lamentoso)
heulen の現在分詞
【一般的な意味】
① 遠吠えしている,吠えている(動物).
② (人が)泣き叫んでいる,わめいている.
③ (風・サイレンなどが)唸っている,鳴り響いている.
【音楽用語としての訳例】
「泣き叫ぶように」,「遠吠えのように」,「唸るように」
Hg.[GM]
"Herausgeber"( ≒ editor) 編集者
hinaufziehen[GM]
"to pull up" "to move up" 「(上への) ポルタメント」.ちなみに"herunterziehen,hinunterziehen" は「(下への) ポルタメント」
hinausziehen[GM]
(≒ to draw out, to pull out, to prolong / prolungare, protrarre)
分離動詞 hinausziehen の不定詞
【一般的な意味】
① (物を)外へ引き出す,引き抜く.
② (時間や期間を)長引かせる,引き延ばす,延期する.
【音楽用語としての訳例】
「引き延ばす」,「長引かせる」,「(テンポや音価を)持続させる」,「ゆったりと引っ張る」
hingerissen[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ enraptured, transported, ecstatic / rapito, estatico)
hinreißen の過去分詞
【一般的な意味】
① (感情や美しさなどに)心を奪われた,恍惚とした,有頂天の.
② (物理的に)引きちぎられた,連れ去られた.
【音楽用語としての訳例】
「恍惚として」,「熱狂的に」,「我を忘れて」,「心を奪われて」
hinter der Scene[RS: Held], [RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Mac]
(≒ behind the scenes, off-stage / dietro le quinte, fuori scena)
(Scene は旧正書法)
【一般的な意味】
① 舞台裏で,背景の奥で.
② (比喩的に)裏で,人知れず.
【音楽用語としての訳例】
「舞台裏で(演奏すること)」,「客席から見えない場所で」,「遠くからの響きとして」
Hintergrund[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ background / sfondo)
【一般的な意味】
① 背景,後景,(舞台などの)書き割り.
② (事件などの)背後関係,隠された事情,理由.
③ (人の)経歴,育ち,バックグラウンド.
【音楽用語としての訳例】
「背景で」,「舞台の後方で」,「舞台奥で」,「遠くで」,「(他の楽器を際立たせるために)背景として」

RW でも RS でも①の意味で用いられている.対義語は "Vordergrund" .
Hinterweltlern[RS: Zara]
現世に背を向ける人々
hitzig[RW: Oper]
(≒ heated, passionate, fiery / focoso, ardente)
【一般的な意味】
① 熱烈な,熱狂的な,激しやすい.
② (議論などが)白熱した,激しい.
③ (疾患などが)熱性の,熱を伴う.
【音楽用語としての訳例】
「熱烈に」,「熱狂的に」,「激しく」
höhnisch[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ scornful, mocking, derisive / beffardo, cinico)
【一般的な意味】
① 嘲笑的な,あざけりの,冷笑的な.
② 侮蔑的な,馬鹿にした.
③ 皮肉な,シニカルな.
【音楽用語としての訳例】
「嘲笑的に」,「あざけって」,「冷笑的に」,「皮肉を込めて」
höllisch[GM]
(≒ hellish, infernal, atrocious / infernale, diabolico)
【一般的な意味】
① 地獄の,地獄のような,悪魔の.
② 恐ろしい,凄まじい,ひどい.
③ (俗語的に)ものすごく,非常に.
【音楽用語としての訳例】
「地獄のように」,「悪魔的に」,「凄まじい力で」,「猛烈に」
hörbar[GM], [B: 8-1], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ audible, perceptible / udibile, percepibile)
【一般的な意味】
① 聞こえる,聞こえるほどの.
② (程度が)知覚できる,はっきりとした.
【音楽用語としての訳例】
「聞こえるように」,「はっきりと(際立たせて)」
horcht[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ listens, hearkens / ascolta)
horchen の現在形三人称単数
【一般的な意味】
① 耳を澄ます,静かに聴く.
② 盗聴する,内通する.
【音楽用語としての訳例】
「耳を澄ませて」,「静かに聴くように」
humorvoll[K: Cap]
(≒ humorous, witty, funny / umoristico, spiritoso)
【一般的な意味】
① ユーモアのある,こっけいな.
② 機知に富んだ,気の利いた.
【音楽用語としての訳例】
「ユーモラスに」,「滑稽に」,「おどけて」
II.Cello am I.Pult mit dem V.Pult[RS: Qui]
チェロの第1プルトの第2奏者は第5プルトといっしょに
Im Anfangszeitmaß[H: KM4]
最初のテンポで
Im gleichen Zeitmaß, mit äußerster Zartheit und sehr ruhig[H: Con]
同じテンポで,極めて優しく繊細に,そして非常に穏やかに
Im Händelschen Allegrozeitmaß (nicht zu brillant) [K: Cap]
ヘンデル風のアレグロのテンポで(過度に華やかにならずに)
Im landläufigen Allegrozeitmaß [K: Cap]
一般的なアレグロのテンポで
Im Stile einer Kadenz[K: Cap]
カデンツァ風に
Imitationen hervortretend[B: 8-1], [B: 8-2]
模倣している(モチーフの)部分は目立って
immer[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ always, constantly, still / sempre, costantemente)
【一般的な意味】
① いつも,常に,絶えず.
② (比較級を伴って)ますます,いよいよ,さらに.
③ (時とともに)なお,今でも.
【音楽用語としての訳例】
「常に」,「絶えず」,「続けて」

GM では以前の奏法,状態などをそのまま保つためにこの用語を使っていることが多くそういう場合は,「変わらず~のままで」とした.また,比較級を伴って②の意味で使われているところも多い.
immer fieberhaft erregt bis zum Schluss[K: App]
終わりまで常に熱狂的に興奮して
immer fort[B: 2], [B: 3], [B: 4-2], [B: 5], [B: 6], [B: 7], [B: 8-2], [RW:Oper]
(≒ continuously, constantly, ceaselessly / continuamente, incessantemente)
副詞 "immer" と "fort" の複合表現(一語または二語で表記するので "immerfort" も同じ)
【一般的な意味】
① 絶え間なく,絶えず,間断なく.
② どんどん先に,ひたすら続けて.
Immer im Charakter heftigen Drängens.[RS: Alpen]
常に激しく急き立てる性格をもって
Immer im gleichen Zeitmaß[H: KM4]
常に同じテンポで
immer noch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ still, yet, continually / ancora, tuttora)
【一般的な意味】
① 今もなお,まだ,引き続き(同じ状態が続いている).
② (強調として)それでもなお,やはり.
【音楽用語としての訳例】
「今なお」,「依然として」,「(前の指示を)そのまま続けて」
In den Orchesterstimmen ist der 4/4 Takt beibehalten.[H: KM2]
オーケストラは4/4拍子を維持する.
In Ermanglung eines englischen Hornes ist diese Stelle vom 1. F Horn zu blasen bis +)[RS: It]
イングリッシュ・ホルンがない場合は,この箇所は第1ホルン(F管)が +) 印まで吹奏すること.
In gleicher Stärke, ohne Anschwellung[B: 7]
一定の強さで,クレッシェンドせずに
IN MEMORIAM![RS: Meta]
(≒ in memory of, to the memory of / in memoria, alla memoria)
ラテン語の成句
【一般的な意味】
〜を追悼して,〜の記念に,〜の思い出に.
【音楽用語としての訳例】
「追悼」,「(故人を)偲んで」,「(失われたものを)記念して」

[RS: Meta] の終結部分にある注記で,この部分で Beethoven: Op.55 の第2楽章の主題が引用されているのは有名だが,もちろん演奏指示ではない.RS が誇りとしていたそれまでのドイツの精神文化,自らの人生と彼が生きた時代に対して捧げた墓碑銘だろう.
Inbrunst[GM]
(≒ ardor, fervor, deep passion / fervore, ardore)
【一般的な意味】
① 熱意,情熱,熱烈な感情.
② (宗教的な)ひたむきな信仰心,敬虔な心.
【音楽用語としての訳例】
「熱情を込めて」,「熱烈に」,「ひたむきに」,「情熱的に」

GM の交響曲第8番第2部にのみ使用例がある."mit Inbrunst" で「情熱をもって」と訳している
innig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ heartfelt, sincere, intimate / intimo, sincero)
【一般的な意味】
① 心からの,心底からの,誠実な.
② 親密な,深い,奥深い.
③ (信仰などが)熱心な,敬虔な.
【音楽用語としての訳例】
「心から」,「誠実に」,「深い感情を込めて」,「内省的に」

GM では「心をこめて」と訳している.
ins[B: 5], [GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ into the, to the / nel, nello, nella)
前置詞 in と定冠詞 das の縮約形
【一般的な意味】
① (動作や方向が)〜の中へ,〜のところへ.
② (状態や領域が)〜の状態へ,〜の範囲へ.
inständig[RW: Oper]
(≒ fervent, earnest, imploring / fervente, supplicante)
【一般的な意味】
① ひたすらな,切実な,熱心な.
② (願いなどが)懇願するような,哀願するような.
【音楽用語としての訳例】
「切に訴えるように」,「切実に」,「ひたむきに」,「懇願するように」
intensiv[K: App]
(≒ intensive, intense / intenso, energico)
【一般的な意味】
① 集中的な,徹底的な.
② 激しい,強烈な,濃密な.
③ (農業などが)集約的な.
【音楽用語としての訳例】
「激しく」,「強烈に」,「濃密な音色で」,「集中して」
Irrwegen[RS: Alpen]
(≒ false paths, astray, devious ways / via sbagliata, in errore)
Irrweg (道に迷うこと,過ち) の複数形(主に3格)
【一般的な意味】
① 間違った道,迷路,回り道.
② (比喩的に)誤り,間違い,過失.
【音楽用語としての訳例】
[RS: Alpen] において,「道に迷って」
Jagd[B: 4-2], , [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hunt, chase / caccia, inseguimento)
【一般的な意味】
① 狩猟,猟.
② 追跡,急追.
③ (比喩的に)追い立てる行為,せきたてる行為.
Jagthörner[RS: Alpen]
(≒ hunting horns) 狩猟ホルン
jäh[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sudden, abrupt, precipitous / improvviso, precipitoso)
【一般的な意味】
① 突然の,出し抜けの,不意の.
② 険しい,断崖絶壁の.
③ (感情などが)激しい,性急な.
【音楽用語としての訳例】
「突然に」,「出し抜けに」,「不意に」,「急激に」
jämmerlich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ wretched, pitiful, miserable / lamentevole, miserabile)
【一般的な意味】
① 哀れな,惨めな,痛ましい.
② (質や状態が)ひどい,みすぼらしい,嘆かわしい.
【音楽用語としての訳例】
「哀れに」,「惨めに」,「痛ましく」,「嘆くように」
je nach[RS: Qui]
(≒ depending on, according to / a seconda di, secondo)
【一般的な意味】
① 〜に応じて,〜次第で.
② 〜に従って,〜に適合して.
je nach dem Grundcharakter der verschiedenen Themen reich zu modificiren.[RS: Qui]
様々な主題の根本的な性格に応じて,豊かに(表現を)変化させること
jeder[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ every, each, everyone / ogni, ciascuno)
【一般的な意味】
① (形容詞として)各々の,一つ一つ全ての.
② (代名詞として)誰でも,皆,各人.
jedes[H: Con]
(≒ every, each / ogni, ciascuno)
jeder の格変化形(中性名詞の主格・対格など)
【一般的な意味】
① 各々の,一つ一つ全ての.
② (時間などが)〜ごとに.
jedoch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ however, yet, nevertheless / tuttavia, eppure)
【一般的な意味】
① しかし,けれども,だが.
② (強調として)確かに,まさしく.
Kammerdiener[RS: Oper]
(≒ valet, personal servant / cameriere personale, valletto)
【一般的な意味】
① 侍僕,近侍(きんじ)の侍者,従僕,従者.
② (古い用法で)上流階級の身の回りの世話をする男の召使.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
Kammerlakai[RS: Oper]
(≒ chamber lackey, footman / lacchè di camera, valletto)
【一般的な意味】
① 特定の主人の身の回りの世話をする従僕,召使い.
② (特に)制服を着た男の召使い,近侍の従者.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
kapriziös[K: Cap]
(≒ capricious, whimsical, moody / capriccioso)
【一般的な意味】
① 気まぐれな,移り気な,思いつきの.
② (芸術などが)奇抜な,異想的な.
【音楽用語としての訳例】
「気まぐれに」,「突飛に」,「風変りに」
kaum[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hardly, scarcely, barely / appena, a stento)
【一般的な意味】
① ほとんど〜ない,やっと〜する,かろうじて.
② (時間的に)〜するとすぐに.

GM の "kaum hörbar" は「ほとんど聞こえないくらいに」と訳している.
keck[GM]
(≒ bold, cheeky, sassy / ardito, sfacciato, vivace)
【一般的な意味】
① 大胆な,向こう見ずな,きっぱりした.
② 生意気な,ずうずうしい,ちゃっかりした.
③ 活発な,元気のいい.
【音楽用語としての訳例】
「活発に」,「大胆に」,「生意気に」,「ちゃっかりと」,「きっぱりと」

いろいろあって訳出が難しい.GM では最大公約数的に「活発に」としているが,場所によっては「茶目っ気をもって」がよさそうなところもあるし,「自由奔放に」がよさそうなところもある.軽やかで遊び心のある表現が求められていそう.ちなみにこの用語は RW,RS にはない.
keifend[RS: Held], [RS: Oper]
(≒ scolding, shrieking, nagging / stridulo, sgridando)
keifen の現在分詞
【一般的な意味】
① 怒鳴っている,わめいている,口論している(特に甲高い声で).
② (音が)金切り声のような,耳障りな.
【音楽用語としての訳例】
「金切り声で」,「わめくように」,「耳障りな音で」,「口論するように」,「口やかましく」

RS でのみ使われている用語.
keinesfalls[B: 4-2]
(≒ by no means, definitely not, under no circumstances / in nessun caso, assolutamente no)
【一般的な意味】
① 断じて〜ない,決して〜ない,絶対に〜ない.
② どんなことがあっても〜ない.
Kellner[RS: Oper]
(≒ waiter, server / cameriere)
【一般的な意味】
① レストランやカフェなどの給仕人,ウェイター.
② (古い用法で)飲み物などを管理する召使い.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
klagend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ lamenting, plaintive, mournful / lamentoso, dolente)
klagen の現在分詞
【一般的な意味】
① 嘆いている,悲しんでいる,愚痴をこぼしている.
② 哀れな,痛ましい,訴えるような.
【音楽用語としての訳例】
「嘆くように」,「悲しげに」,「訴えるように」,「哀調を帯びて」

GM では「悲嘆にくれて」と訳している.
kläglich[GM]
(≒ pitiful, pathetic, miserable / pietoso, patetico)
【一般的な意味】
① 哀れを誘うような,痛ましい,嘆かわしい.
② (程度が)惨めな,みすぼらしい,ひどい.
【音楽用語としての訳例】
「哀れに」,「哀れっぽく」,「嘆くように」,「みすぼらしく」,「頼りなく」
Klammern[B: 4-2], [B: 8-1], [B: 8-2]
(≒ brackets, parentheses, clamps / parentesi, graffe)
Klammer の複数形
【一般的な意味】
① 括弧(かっこ),丸括弧,角括弧,中括弧(数学や文章の記号).
② 留め金,クリップ,クランプ.
【音楽用語としての訳例】
「括弧」,「(校訂上の)補遺や削除された箇所を示す括弧」,「(五線譜をまとめる)ブレース」

[B]においては「括弧」の意味で用いられている.
klangvoll[GM]
(≒ sonorous, resonant, full-toned / sonoro, risonante)
【一般的な意味】
① 響きの豊かな,よく響く,共鳴する.
② (言葉などが)音調の美しい,響きの良い.
【音楽用語としての訳例】
「豊かな響きで」,「豊かな音色で」,「よく響かせて」

GM の子供の死の歌 "Nun will die Sonn' so hell aufgeh'n" にのみ使用例がある.「よく響かせて」と訳している.
Klappe[GM]
(≒ key, flap / chiave, valvola)
【一般的な意味】
① (箱などの)蓋,扉,開閉式のふた.
② (木管楽器の)キー
③ (映画撮影の)カチンコ.

GM で②の意味で用いられている.
Klavierauszug[H: K49]
(≒ piano reduction, piano score, vocal score / riduzione per pianoforte, spartito)
【一般的な意味】
① (オーケストラ譜やオペラ譜を)ピアノ用に編曲・簡略化した楽譜,ピアノスコア.
② (広い意味で)原典から抜き出した抜粋.
【音楽用語としての訳例】
「ピアノ用スコア」,「(オペラなどの)ヴォーカルスコア」

"Auszug" は「抜粋」,「要約」
kleiner Neger[RS: Oper]
黒人の小姓

現代では "Neger" は差別的用語であり,注意が必要である.有名な例では,Claude Debussy の『Golliwogg's Cake-walk』 が,ドイツ語圏の古い楽譜で 『Der kleine Neger』 と訳されていたことがあるが,現在は原題に近い表記や,別の適切な表現に差し替えられている.
Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
klingen[GM], [RS: Oper]
(≒ sound, ring, resonate / suonare, risuonare)
【一般的な意味】
① 音が出る,鳴る,響く,反響する.
② (言葉や話などが)〜のように聞こえる,〜の感じを与える.
【音楽用語としての訳例】
「響く」,「鳴り響く」,「音を出す」,「(音色が)〜のように聞こえる」
Klöppel[GM]
【一般的な意味】
(打楽器の) 撥,マレット,(鐘の内側にある) 舌(ぜつ)

GM の交響曲第7番第1楽章の Glockenspiel に "mit Klöppel" とあり,そこでは「マレットで」という訳にしているのだが,現代的な感覚からすれば Glockenspiel を「マレットで」叩くのは当たり前である.ただ,GM の時代にはメジャーではなかったにせよ「鍵盤グロッケン(Tastenglockenspiel)」というものがまだ残っており,交響曲第7番でも鍵盤グロッケンが前提となっている可能性が高い(たとえば Mozart の《魔笛》の No.20 のアリア(Bärenreiter p.258)には "Strumento d'acciaio (Glockenspiel)" (「鋼鉄の楽器」)という記載があり重音や速いパッセージが多く含まれていることからこれは現代の Glockenspiel ではなく鍵盤グロッケンであることは明らかである).その意味で言えば「鍵盤」ではなく「マレット」で演奏しなさい,という指示も納得がいく.
Kluft[RW: Oper]
(≒ chasm, gulf, gap, rift / abisso, baratro)
【一般的な意味】
① (地面などの)裂け目,割れ目,深い溝,谷間.
② (比喩的に)隔たり,溝,大きな相違,亀裂.
knapp[H: Con], [RS: Oper]
(≒ scarce, tight, brief / scarso, stretto, breve)
【一般的な意味】
① 不足した,乏しい,ぎりぎりの.
② (服などが)きつい,ぴったりした.
③ 簡潔な,手短な,そっけない.
【音楽用語としての訳例】
「短く」,「簡潔に」,「ぎりぎりのテンポで」

[H: Con] ではおそらく③の意味
Knappe[RW: Oper]
(≒ squire, page, apprentice / scudiero, apprendista)
Knappen は Knappe の複数形または格変化形
【一般的な意味】
① (中世における)見習い騎士,従者,小姓.
② (鉱山における)見習い鉱夫,徒弟.
Knix[RS: Oper]
(≒ curtsey / inchino)
Knick(ひざを折ること)の別綴り,あるいは口語的な表現.
【一般的な意味】
① お辞儀,会釈(特に女性が膝を軽く曲げて行う礼).

単なる "Verbeugung"「お辞儀」とは違ういわゆる「カーテシー」であるが,「お辞儀」と訳している.
kokett[K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ coquettish, flirtatious, teasing / civettuolo, vezzoso)
【一般的な意味】
① (女性が)色っぽい,魅惑的な,(異性の気を引こうと)おどける.
② 軽薄な,優雅な,しゃれた.
【音楽用語としての訳例】
「色っぽく」,「おどけて」,「媚びるように」,「魅力的に」
Kondukt[GM]
(≒ procession, escort, funeral procession / corteo, processione)
【一般的な意味】
① 葬列,葬送行列.
② 案内,先導,護衛.
③ (物理的な)伝導,輸送.

GM においては①の意味
Kontrabässe u. Celli deutlich pizz.[B: 5]
コントラバスとチェロははっきりとしたピチカートで.
Kopfstimme[GM]
(≒ head voice, head register / voce di testa, registro di testa)
【一般的な意味】
① (声楽における)頭声,頭声区(頭部の共鳴を利用した高音域).
② (比喩的に)高い声域,軽い声.
【音楽用語としての訳例】
「頭声区で」,「軽い声で(高音部を)」,「ファルセット(に近い)声で」

[GM] の交響曲第3番,第8番,嘆きの歌に使用例がある.「頭声で」と訳している.力んだドラマティックな胸声ではなく,響きを上へ移した軽い声で歌ってほしい,というニュアンスだろう.
kräftig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ strong, powerful, robust / forte, vigoroso)
【一般的な意味】
① 力強い,頑丈な,体力のある.
② (音・色・味などが)強烈な,濃い,濃厚な.
③ (数量が)かなりの,相当な.
【音楽用語としての訳例】
「力強く」,「たくましく」,「相当な音量で」

GM では「力強く」と訳している.
kreischen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shriek, screech, yell / strillare, gridare)
【一般的な意味】
① 金切り声を出す,悲鳴をあげる.
② (機械などが)キーキー,ギーギーという耳障りな音を出す.
【音楽用語としての訳例】
「金切り声で」,「鋭い悲鳴のように」,「キーキーと耳障りな音で」

GM では交響曲第7番第3楽章にのみ使用例があり,"kreischend"は「金切り声を上げるように」と訳している.
kriegerisch[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ martial, warlike, aggressive / marziale, guerresco)
【一般的な意味】
① 戦いの,戦争に関する,軍事的な.
② 好戦的な,闘争的な,勇猛な.
【音楽用語としての訳例】
「勇ましく」,「好戦的に」,「戦いのように」
künftigen[B: 5]
(≒ future, coming, subsequent / futuro, successivo)
künftig の格変化形
【一般的な意味】
① 将来の,今後の,未来の.
② 後に続く,次の,後続の.
kurz[RW: oper], [GM], [RS: Oper]
(≒ short, brief, concise / breve, corto)
【一般的な意味】
① 短い(長さ,距離,時間などが不足している,あるいは限定的であること).
② 簡潔な,手短な(表現や内容が省略されていること).
③ 直前の,間近の(時間的・空間的に非常に近いこと).
【音楽用語としての訳例】
「短く」,「スタッカート気味に」
Lady Macbeth. O, eile! Eile her! damit ich meinen Geist in deinen giesse, durch meine tapfere Zunge diese Zweifel und Furchtgespenster aus dem Felde schlage, die dich wegschrecken von dem goldnen Reif, womit das Glück dich gern bekrönen möchte.[RS: Mac]
Macbeth の第1幕第5場 における Shakespeare の原文は以下の通り.

Lady Macbeth:
Hie thee hither,
That I may pour my spirits in thine ear,
And chastise with the valour of my tongue
All that impedes thee from the golden round,
Which fate and metaphysical aid doth seem
To have thee crown’d withal.

おお,急いで! 早く来て!
そうすれば私は,あなたの中に私の意志を注ぎ込み,
この勇ましい言葉の力で,
あなたを黄金の冠(王位)から遠ざける,
あらゆる疑いと恐怖の亡霊を打ち払ってみせるのに.
その王冠で,運命(幸福)があなたを喜んで戴冠させようとしているのだから.

魔女の予言を記したマクベスの手紙を読んだ Lady Macbeth が,「夫は優しすぎて王になる決断ができない」と見抜き,自分がその“意志”を注ぎ込み,ためらいを言葉で叩き出す役を担うと決意する場面である.ここでの「Geist(精神)」は勇気・胆力・冷酷な決断力を意味し,「tapfere Zunge(勇ましい舌)」は,人を操る言葉の力を武器とする自覚を示している.「goldner Reif(黄金の輪)」は王冠の婉曲表現であり,「Glück(幸福)」は罪への誘惑を運命の祝福のように正当化する危うい言い回しである.
Lakai[RS: Oper]
(≒ lackey, footman, flunkey / lacchè, servitore)

【一般的な意味】
① 従僕,召使い,(特にお仕着せを着た)家来.
② (蔑称として)おべっか使い,へつらう者,盲従する人.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
landläufigen[K: Cap]
(≒ common, prevalent, conventional / comune, diffuso)
landläufig の格変化形
【一般的な意味】
① 世間一般に広まっている,普通の,一般的な.
② 慣習的な,従来の,通俗的な.
Ländler[GM]
(≒ Ländler, country dance / Ländler, danza campestre)
【一般的な意味】
① オーストリアやバイエルン地方発祥の,三拍子(3/4)の素朴な民族舞曲,レントラー.
② (転じて)その舞曲の持つテンポやリズム,田舎風の雰囲気.

貴族的な「ワルツ」の対極にも置かれるが,GM の交響曲第9番第3楽章では両者が並列されている.
langsam[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ slow, gradually / lento, adagio)
【一般的な意味】
① 動作や速度が遅い,緩やかな.
② 慎重に,少しずつ
③ (時間的に)ゆっくりと,徐々に.
【音楽用語としての訳例】
「遅く」,「緩やかに」,「徐々に」

GM ではほとんど①の意味であり「ゆっくりと」,「遅く」などと訳しているが,交響曲第1番第4楽章の”Langsam steigern!”(ゆっくりと盛り上がる!)のように③の意味での使用例もある.
Langsamer; (wie bei der Gesangsperiode im 1. Teile)[B: 4-2]
遅く.(最初の部分の歌謡主題部のように)
launig[K: Cap]
(≒ humorous, witty, whimsical / giocoso, scherzoso, umoristico, spiritoso)
【一般的な意味】
① ユーモラスな,気の利いた,機知に富んだ.
② 上機嫌な,陽気な,快活な.
③ (やや古い用法で)気まぐれな,思いつきの.
laut[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ loud, noisy / forte, rumoroso)
【一般的な意味】
① 音が大きい,騒々しい,うるさい.
② (発言などが)公然とした,明白な.
③ (前置詞として)〜によれば,〜に従って.
【音楽用語としての訳例】
「大声で」,「騒々しく」,「大音量で」
Laute[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ lute, sound / liuto, suono)
名詞 Laute(リュート)または Laut(音)の格変化形,あるいは形容詞 laut の格変化形
【一般的な意味】
① (楽器の)リュート.
② 音,響き(名詞 Laut の複数形など).
③ 形容詞 laut の変化形として「大きな音の」.
lautet[GM]
(≒ reads, states, runs / recita, risulta)
lauten の現在形三人称単数
【一般的な意味】
① (文面・内容が)〜と書いてある,〜を意味する,〜である.
② (音が)鳴り響く(三人称単数).

GM の嘆きの歌第3部で①の意味で使われている.
lebendig[H: Con], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ lively, spirited, vivid / vivace, animato)
【一般的な意味】
① 生きている,生命力のある.
② 生き生きとした,活発な,元気な.
③ (表現などが)真に迫った,鮮やかな.
【音楽用語としての訳例】
「生き生きと」,「活発に」,「元気に」,「躍動感をもって」
lebhaft[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ lively, brisk, animated / vivace, animato)
【一般的な意味】
① 活発な,元気のいい,生き生きとした.
② 賑やかな,騒がしい.
③ (記憶・感情などが)鮮やかな,強い.
【音楽用語としての訳例】
「活発に」,「生き生きと」,「快活に」,「早めのテンポで」

"allegro" にも近いだろう.
leere[H: KM3]
(≒ empty, vacant, hollow / vuoto, vacante)
leer の格変化形
【一般的な意味】
① 空の,中身のない,空虚な.
② 誰もいない,欠員の.
③ 無意味な,内容のない.

弦楽器では"leere Saite" は「開放弦」の意味で使われる.
Leibjäger[RS: Oper]
(≒ personal huntsman, royal hunter / cacciatore personale)
【一般的な意味】
① (君主などに仕える)個人的な猟師,狩猟係,護衛猟師.
② (古い用法で)猟場管理官.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
Leibkammerdiener[RS: Oper]
(≒ personal valet, privy chamber attendant / cameriere personale)
【一般的な意味】
① (君主や貴族に仕える)専属の近侍,身の回りの世話をする従者(ヴァレット).
② (特に)主人の寝室など私的な部屋の世話をする執事.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
Leiblakai[RS: Oper]
(≒ personal lackey, footman / lacchè personale)
【一般的な意味】
① (君主などに仕える)専属の従僕,召使い.
② (特に)制服を着た近侍の男の召使.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
leicht[GM], [RS: Tod], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ light, easy, slight / leggero, facile)
【一般的な意味】
① 軽い,軽量の.
② 容易な,簡単な,楽な.
③ わずかな,軽い(病気など),軽い(風など).
④ (女性が)軽薄な,貞操観念の薄い.
【音楽用語としての訳例】
「軽く」,「軽快に」,「容易に」,「(奏法が)楽に」

GM では「軽やかに」などと訳している.
leichtfertig[RS: Till], [RS: Held], [RS: Oper]
(≒ frivolous, reckless, careless / frivolo, sconsiderato)
【一般的な意味】
① 軽率な,軽薄な,思慮に欠ける.
② 不注意な,無謀な,向こう見ずな.
【音楽用語としての訳例】
「軽率に」,「軽薄に」,「無謀に」
leichthin[K: Cap], [RS:Oper]
(≒ lightly, casually, nonchalantly / facilmente, con noncuranza)
【一般的な意味】
① 軽々しく,軽薄に,いい加減に.
② さりげなく,そっけなく,ぞんざいに.
③ 簡単に,苦もなく.
【音楽用語としての訳例】
「con leggerezza」,「facilmente」,「軽やかに」,「さりげなく」,「ぞんざいに」,「簡単そうに」
leidenschaftlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ passionate, fervent, ardent / appassionato, ardente)
【一般的な意味】
① 情熱的な,熱烈な,激しい.
② (性格などが)感情の起伏が激しい,熱しやすい.
【音楽用語としての訳例】
「情熱的に」,「熱烈に」,「激情を込めて」
Leidenschaftlich, treibend (rasche ganze Takte) [K: Cap]
情熱的に,駆り立てるように (速い小節単位で)
leise[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ soft, quiet, low / piano, sommesso)
【一般的な意味】
① (音量が)小さい,静かな,低くささやくような.
② (行動・態度が)ひそかな,内密の,そっとした.
【音楽用語としての訳例】
「静かに」,「弱く」,「ひそひそと」,「控えめに」,「小声で」

GM では「静かに」,「静かな」と訳してはいるが,「控えめに」でもよいかもしれない.
Leise bewegt, doch nicht brillant.[K: Cap]
控えめな動きで,華やかにならずに
Lesearten[H: KM6]
(≒ variant readings, textual variants / lezioni varianti)
Leseart の複数形
【一般的な意味】
① (テキストや文献における)読み方,解釈の仕方.
② (特に校訂学において)異読,異文,伝承資料間で見られるテキストの相違点.
Leute[RS: Oper]
(≒ people / gente)
【一般的な意味】
人々,衆人,世間の人.
【音楽用語としての訳例】
「(合唱やオペラにおける)群衆」,「エキストラ」,「(特定の場面に登場する)人々」

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
liebeglühend[RS: Till]
(≒ glowing with love, ardently loving / ardente d'amore, appassionato)
Liebe (愛) と glühen (燃える) の現在分詞 glühend の複合形容詞
【一般的な意味】
愛に燃える,熱烈に愛している,情熱的な.

【音楽用語としての訳例】
「愛に燃えて」,「情熱に輝いて」,「愛の炎に包まれて」
liebenswürdig[RS: Held], [RS: Oper]
(≒ amiable, lovable, charming / amabile, affabile)
【一般的な意味】
① 愛想の良い,感じの良い,親切な.
② (性格などが)愛すべき,可愛らしい.
③ 魅力的な,人を引きつける.
【音楽用語としての訳例】
「愛らしく」,「優しく」,「魅力的に」
liebevoll[RS: Held], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ loving, affectionate, tender / affettuoso, dolce, tenero)
【一般的な意味】
① 愛情のこもった,愛に満ちた.
② 優しい,思いやりのある,親切な.
③ 心を込めた,丁寧な.
【音楽用語としての訳例】
「愛情を込めて」,「優しく」,「心を込めて」
lieblich[K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ lovely, sweet, charming, delightful / dolce, amabile, grazioso)
【一般的な意味】
① 愛らしい,可愛らしい,魅力的な.
② (音・香り・味が)心地よい,甘美な,優しい.
【音楽用語としての訳例】
「愛らしく」,「優美に」,「甘美な音色で」
Lindlein[H: Sch]
(≒ little lime tree, little linden / piccolo tiglio)
Linde (菩提樹) の縮小形
【一般的な意味】
① 小さな菩提樹(リンデン).
② (詩的な文脈で)静寂,安息,郷愁の象徴.
Livree[RS: Oper]
(≒ livery, uniform / livrea, uniforme)
【一般的な意味】
① (貴族や裕福な家に仕える召使の)制服,仕着せ.
② (比喩的に)特定の組織や職業の統一された服装.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
locker[K: Cap]
(≒ loose, relaxed, easy, nimble / sciolto, disinvolto)
【一般的な意味】
① 緩んだ,締まりのない,固定されていない.
② (態度や気分が)くつろいだ,リラックスした,気軽な.
③ (動きや動作が)軽快な,巧みな,柔軟な.
【音楽用語としての訳例】
「リラックスして」,「柔軟に」,「軽快に」,「気楽に」
Luft[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ air, atmosphere, breath, space / aria, respiro, spazio)
【一般的な意味】
① 空気,大気,空.
② 呼吸,息,息づかい.
③ 空間,余裕,余地.
Luftpause[GM]
(≒ breath pause, caesura / pausa, respiro)
【一般的な意味】
① 息継ぎのための短い休止,一息.
② (比喩的に)短い中断.
【音楽用語としての訳例】
「ブレス(息継ぎ)」,「短い休止(リズムを乱さずに)」,「句読点の休止」
Lümmel[RS: Oper]
(≒ lout, rogue, ruffian, boor / mascalzone, zotico)
【一般的な意味】
① だらしのない男,ごろつき,ならず者.
② 怠け者,無作法者,悪ガキ.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
lustig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ funny, amusing, merry / divertente, allegro, giocoso)
【一般的な意味】
① おかしい,こっけいな,滑稽な.
② 陽気な,快活な,楽しい.
③ (古い用法で)粋な,洒脱な.
【音楽用語としての訳例】
「滑稽に」,「陽気に」,「快活に」,「面白おかしく」
m.d.[GM]
( ≒ mano destra) 「右手」.これはイタリア語
m.s.[GM]
( ≒ mano sinistra) 「左手」.これはイタリア語
Macht[GM], [RW: Oper]
(≒ power, force, might, authority / potere, forza, autorità)
【一般的な意味】
① 力,強さ,勢力,威力.
② 権力,権能,支配力,権威.
【音楽用語としての訳例】
「力強く」,「権威をもって」,「猛烈な力で」

GM では "machtvoll" は「力強く」と訳している.
mächtig[GM], [RS: Oper], [RW: Oper]
(≒ mighty, powerful, enormous, huge / potente, possente, imponente)
【一般的な意味】
① 強力な,力強い,権力のある,支配力のある.
② 巨大な,莫大な,広大な.
③ (口語で)非常に,とても.
【音楽用語としての訳例】
「力強く」,「巨大な響きで」,「威厳をもって」,「大音量で」
Magd[RS: Oper]
(≒ maid, servant girl / cameriera, serva)
【一般的な意味】
① 女中,家政婦,お手伝いさん.
② (古い用法で)乙女,娘.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
majestätisch, majestätische[H: KM3], [H: KM4], [H: KM6]
(≒ majestic, stately, regal / maestoso, regale)
majestätische は majestätisch の格変化形
【一般的な意味】
① 威厳のある,荘厳な,堂々とした.
② 雄大な,雄々しい,壮麗な.
【音楽用語としての訳例】
「威厳をもって」,「荘厳に」,「堂々と」
markant[RS: Tod]
(≒ striking, prominent, distinctive / marcato, distintivo)
【一般的な意味】
① 際立った,目立つ,特徴的な.
② 印象的な,はっきりした,(顔立ちなどが)彫りの深い.
【音楽用語としての訳例】
「際立って」,「明確に」,「特徴的に」
markieren, markiert, marcirt, markirt[B: 1], [B: 7], [RS: Held]
(≒ marked, emphasized / marcato)
markiert, marcirt, markirt は markieren の過去分詞(marcirt, markirt は古い綴り)
【一般的な意味】
① 印をつけられた,示された.
② 強調された,際立った.
【音楽用語としての訳例】
「強調して」,「際立たせて」,「明確に」
markig[GM], [B]
(≒ pithy, robust, vigorous / robusto, vigoroso)
【一般的な意味】
① 髄のある,実質のある,内容のある.
② 強健な,力強い,活力のある.
【音楽用語としての訳例】
「robusto」,「vigoroso」,「力強く」,「たくましく」,「充実した響きで」

GM では「重厚に」,「力強く」などと訳しているが,「角立てて」,「ごつごつと」,「芯のある音で」,「骨太に」などでもよいだろう.
音楽文脈では
●発音・発音様式が角ばっている
●アクセントが明確
●音の芯が硬く,前に出る
●英雄的・粗野・土臭いニュアンスを帯びる
という含意を持つが,Bruckner の場合は「角立てて」,「ごつごつと」と言ったニュアンスは薄く,金管コラールなどと結びついていることが多いので,「重厚に力強く」とした方が無難.
mässig[GM], [RS: Oper], [RW: Oper]
mäßig の項を参照.
mäßig[GM], [RS: Oper], [RW: Oper]
(≒ moderate, temperate, fairly / moderato, temperato)
【一般的な意味】
① 適度の,中庸の,穏やかな.
② (程度が)そこそこの,まあまあの,少々の.
③ (行動が)節度のある,控えめな.
【音楽用語としての訳例】
「moderato」,「適度に」,「中くらいの速さで」,「穏やかに」,「控えめに」

「適度の」,「中くらいの速さで」( ≒ moderato) のほかに,"mäßigen" には「抑える」,「鎮める」,「慎む」などの意味もあり,訳出が難しい.GM では概ね「穏やかに」と訳しているが,「自制して」,「抑えて」,「控えめに」などが適切かもしれないと思われる部分もある.ほかにも"...mäßig" には「~的な」,「~風の」,「~の性質の」,「~に合った」の意味もある.
Mäßige Viertel[K: Cap]
4分音符を基準としたほどよい速さで
mäßigen[GM], [RW: Oper]
(≒ moderate, temperate, restrained / moderato, temperato)
【一般的な意味】
① 適度の,中庸の,穏やかな.
② (程度が)そこそこの,控えめな.
③ (形容詞として)抑制された.
【音楽用語としての訳例】
「moderato」,「適度な」,「中くらいの(速さで)」,「穏やかな」

GM では「抑えて」と訳している.
matt[RS: Dom], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ dull, matt, faint, weak / fioco, smorto)
【一般的な意味】
① (光沢がなく)つや消しの,マットな,くすんだ.
② (音や光が)弱い,かすかな,ぼんやりした.
③ (人が)疲れた,活気のない,ぐったりした.
【音楽用語としての訳例】
「つやのない」,「くすんだ音色で」,「弱々しく」,「精彩なく」

[RS: Dom] では「弱々しく」くらいの意味であろう.
Mediator[GM]
「マンドリン用のピック(プレクトラム)で」演奏するように,というハープに対する指示.

GM の交響曲第3番,第6番,第7番,大地の歌にこの指示があるが,ピックを使って演奏するには困難な場所もあるようだ.
mehr[GM]
(≒ more, several / più, maggiore)
【一般的な意味】
① より多く,もっと多く,一層.
② (形容詞として)数多くの,いくつかの.
③ (否定文で)もはや〜ない.
Mehr langsam, Misterioso[B: 3]
Bruckner交響曲第3番第1楽章の指示.直訳すると「もっと遅く,神秘的に」であるが,"mehr"には比較のニュアンスを持たない場合もある."langsam, Misterioso"を強調する(性格を強める)ために "mehr" が使われているのだろう.
Mehr schnell[B: 2]
Bruckner交響曲第2番第4楽章の指示.直訳すると「もっと速く」であるが,"mehr"には比較のニュアンスを持たない場合もある."schnell " を強調する(性格を強める)ために使われているのだろう.
mehrfach[RW: Oper], [GM]
(≒ multiple, manifold, repeated / molteplice, ripetuto)
【一般的な意味】
① 数回の,繰り返された,再三の.
② 多重の,何倍もの,複数の要素から成る.
【音楽用語としての訳例】
「複数の奏者で」,「(パートが)複数に分かれた」,「divisi で」,「数回繰り返して」

[GM] では "mehrfach besetzt" で「複数の奏者で」,「複数配置で」などとなる.
merklich[GM], [RS: Oper], [RW: Oper]
(≒ noticeable, perceptible, apparent / percettibile, evidente)
【一般的な意味】
① 気づかれるほど,はっきりと,著しく.
② (程度が)かなり,相当に.
【音楽用語としての訳例】
「はっきりと」,「著しく(変化させて)」,「顕著に」
Militärmarsches[H: KM5]
軍楽マーチ
mindestens[GM]
(≒ at least / almeno)
【一般的な意味】
① 少なくとも,最低限.
② どんなに少なく見積もっても.
mit Bogen geschlagen[GM]
「弓で叩く」は弓の弦の部分で叩くのか,木の部分で叩くのか迷うが,交響曲第3番第3楽章に "col legno geschlagen" とあり,こちらは木の部分で叩く,と判断できるので,"mit Bogen geschlagen" は「弓(の弦の部分) で叩く」とした.
mit breitem Strich[RS: Alpen]
幅広く弓を使って
mit breitem Ton[K: Cap]
幅広く豊かな音で ,ゆったりと豊かな音で
mit durchweg spitzigem Ton[K: Cap]
(≒ con tono pungente) 終始一貫して鋭い音で
mit einem Male[GM], [RS: Oper]
(≒ suddenly, all at once, abruptly / subito, di colpo)
前置詞 mit と数詞 einem および名詞 Mal の複合表現
【一般的な意味】
① 突然に,出し抜けに,急に.
② 一度に,一挙に,一瞬にして.
mit freiem Vortrage[RS: Hr1]
自由な表現で,(テンポや抑揚を)演奏者の裁量に任せて
mit großem Wurf[K: Cap]
壮大なスケールで,大きな勢いをもって.

"Wurf"は一般的には「勢い」,「投げること」といった意味.
mit großer Ruhe[H: KM4]
(≒ molto tranquillo) 非常に落ち着いて
mit ironischem Ausdruck[K: Cap]
(≒ ironico) アイロニーをもって,皮肉を込めた表現で
Mit Kraft, mäßig schnell Viertel, ohne Pathos und stets lebendig[H: Con]
力強さをもって,四分音符を基準とした中庸の速さで進め,大げさな感傷(パトス)を避け,常に活発さを保つこと.
mit vollausladendem Ton[K: Cap]
豊かな響きを十分に発揮して
Mit vollster Kraft, im Tempo etwas verzögernd (und auch so bleiben bis Tempo I)[B: 1]
最大限の力をもって,テンポをいくらか遅らせ(緩め),その遅くしたテンポを(曲の)最初のテンポに戻るまで維持し続けること.
modificiren[RS: Qui]
(≒ to modify, to change, to adjust / modificare, cambiare)
動詞 modifizieren の不定詞(modificiren は旧正書法)
【一般的な意味】
① 修正する,変更する,調整する.
② (性質・構造などを)改変する,変形させる.
möglicherweise[GM]
(≒ possibly, perhaps, maybe / forse, possibilmente)
【一般的な意味】
① おそらく,もしかすると,ひょっとすると.
② (形容詞として)可能な,あり得る.
möglichst G Saite[B: 8-1]
できる限りG線で
mühelos[RS: Qui]
たやすい,苦労のない
munter[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
( ≒ lively) ,元気のよい,活発な,快活な
murmeln[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ murmur, mumble, ripple / mormorare, bisbigliare)
【一般的な意味】
① ささやく,つぶやく,ぼそぼそ言う.
② (小川などが)せせらぎの音を立てる,とつとつと流れる.
【音楽用語としての訳例】
「ささやくように」,「つぶやくように」,「せせらぎのように」
mürrisch[RS: Dom], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ grumpy, sullen, morose / scontroso, imbronciato)
【一般的な意味】
① 不機嫌な,むっつりした,むっつり屋の.
② ぶっきらぼうな,気難しい.
【音楽用語としての訳例】
「不機嫌そうに」,「むっつりと」,「ぶっきらぼうに」
nach dem Trio[B: 2]
トリオの後で
Nach einem alten Volkslied[H: K49]
古い民謡による
Nach I folgt das Trio. Der Herausgeber[B: 2]
I のあとトリオに進む.編集者(による注)
nach und nach[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ gradually, little by little, by degrees / poco a poco, gradualmente)
【一般的な意味】
① 徐々に,次第に,少しずつ.
② 一つずつ,順を追って.
Nachahmung[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ imitation, mimicry / imitazione)
【一般的な意味】
① 模倣,まね,見習うこと.
② (芸術作品の)複製,コピー.
【音楽用語としての訳例】
「模倣」,「反復(主題の)」,「(対位法的な)追唱」

[RW: Oper], [RS: Oper] ともに①の意味で用いられている.
nachfolgenden[RS: Tod]
(≒ following, subsequent / seguente, successivo)
nachfolgen の現在分詞 nachfolgend の格変化形
【一般的な意味】
① 後に続く,後続の,次の.
② (時間的に)その後の,後の.
nachgeben[GM]
(≒ yield, give way, slacken, relent / cedere, rallentare)
【一般的な意味】
① (圧力や要求などに)譲歩する,屈服する,折れる.
② (弾力があり)沈む,へこむ,たわむ.
【音楽用語としての訳例】
「テンポを緩める」,「譲歩する」

GM では「緩めて」,あるいは(合唱に)「引き渡す」と訳している.
nachlassen[GM], [RW: Oper]
(≒ slacken, diminish, abate, decrease / diminuire, allentare, calando)
【一般的な意味】
① (強度・速度・痛みなどが)弱まる,低下する,緩む.
② (努力などを)怠る,手を抜く.
【音楽用語としての訳例】
「diminuendo」,「calando」,「弱める」,「勢いを失う」,「テンポを緩める」
Nachschlag[GM]
(≒ after-note, grace note / nota di risoluzione, completamento)

【一般的な意味】
① 後から追いかけて支払うこと,追徴金,追加注文.
② (ボクシングなどの)追い打ち,(一般的に)後から付け加えること.
③ 食後のデザート,お代わり.
【音楽用語としての訳例】
「後打音(トリルの終わりに付けられる装飾音など)」

対義語は "Vorschlag". "o. Nachschalg" は "ohne Nachschlag" の略で「後打音なしで」.ちなみにドイツ語の日常生活で "Nachschlag" とは「食事のお代わり」を指すことが多いようだ.
Nachtstück[H: KM4]
夜曲
Nachtwanderlied[RS: Zara]
夜のさすらいの歌
nadelscharf[K: Cap]
(≒ affilato, precisissimo) 針のように鋭く,精密に
naiv[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ naive, artless, innocent / ingenuo, naïf)
【一般的な意味】
① 世間知らずの,うぶな,純真な.
② (芸術などが)素朴な,作為のない.
【音楽用語としての訳例】
「無邪気に」,「素朴に」,「純粋に」

GM では子供の魔法の角笛 "Der Tamboursg'sell" にのみ使用例がある.
nämlich[GM]
(≒ namely, in fact, because / cioè, infatti, perché)
【一般的な意味】
① すなわち,つまり,詳細には.
② (理由を述べて)なぜなら,実は.
③ (形容詞的に)同じ,同上の.
näselnd[RS: Oper]
(≒ nasal, twangy, pinched / nasale, sferzante)
näseln の現在分詞
【一般的な意味】
① 鼻にかかった声で話す,鼻声の.
② (音色などが)鼻に抜けるような,甲高い.
【音楽用語としての訳例】
「nasale」,「鼻にかかった音色で」,「ツンと抜けるように」,「鼻声で」,「(音色が)不快な響きで」

RS の Feuersnot において Oboe に対する指示としてある.
Naturlaut[GM]
(≒ sound of nature, natural sound / suono della natura)
【一般的な意味】 ① 自然界の音(鳥の声,風の音,せせらぎなど). ② 未分化な叫び声,本能的な発声.

GMの交響曲第1番,第3番で用いられている.「自然の音(自然界の響き)」 であるが,交響曲第1番の "Wie ein Naturlaut" (「自然の響きのように」と訳している)では,単なる “自然描写” ととらえるべきではなく 「人為的に整えられた楽音ではないもの」 というニュアンスが強い.音楽が始まる前からそこで「鳴っていた」かのような,外部(自然界)由来の響き,「環境音」を要求している.また,交響曲第3番の Oboe に対する指示で "hinaufziehen"「上へポルタメント」と併用されている場合は,「環境音」というよりも人工的ではない自然の音が混じるような効果を想定しているだろう.
NB[GM]
(≒ Note well, take notice / nota bene)
【一般的な意味】
① 注意せよ,特記せよ(ラテン語 nota bene の略).
② (古い用法で)注意書き,備考.
NB 2te Trompete und 1tes 2tes Horn immer marcirt bis zum legato[B: 7]
注意: 2ndトランペットと1st,2ndホルンは常にレガートに近いマルカートで
NB Bei den Streichern sind die Stricharten genau einzuhalten[B: 8-1], [B: 8-2]
注意: 弦楽器はボウイング(の指示) を正確に守ること
NB Das dritte und vierte Hörnerpaar Übernehmer die Tuben[B: 8-2]
注意: ホルンの3組目および4組目(要するに5,6,7,8thホルン)はワーグナーテューバに持ち替え
NB Die erste Trompete Kann im Notfalle auch die unteren Noten nehmen.[B: 8-2]
1stトランペットはやむを得ない場合には下の(小音符の)音で演奏してもよい.
NB Nach dem Trio bleibt bei (der) wiederholung des Scherzo der letzte Takt weg. und (man) geht gleich (weiter) auf --- (die) Koda.[B: 2]
注意: トリオの後スケルツォを繰り返す際には,最後の小節をカットしてすぐにコーダに進む.
NB: violen et Celli I ohne anschwellung.[B: 8-1], [B: 8-2]
注意: ヴィオラとチェロの1stはクレッシェンドなしで
Neapolitanisches Volkslied[RS: It]
ナポリ民謡
Nebel[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ fog, mist, haze / nebbia, foschia)
【一般的な意味】
① 霧,もや,かすみ.
② (比喩的に)ぼんやりとした状態,混乱.

[RS: Alpen] の"Nebel steigen auf"は「霧が立ち昇る」
neckisch[K: Cap]
(≒ teasing, playful, mischievous / scherzoso, malizioso, giocoso)
【一般的な意味】
① からかうような,おどけた,ふざけた.
② いたずらな,悪戯っぽい.
③ (魅力が)かわいらしい,魅惑的な.
nicht das leere A nehmen[H: KM3]
開放弦のAは使わない
nicht mehr[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ no longer, not anymore / non più, mai più)
【一般的な意味】
① もはや〜ない,もう〜ない.
② (否定を強調して)二度と〜ない,決して〜ない.
Nicht schleppen, ohne jedes Pathos[H: Con]
(速度やリズムを)引きずることなく,そして一切の感傷(パトス)を抜きにして.
Nicht zu schnell. Keinefalls schleppend[B: 4-2]
速すぎず.決して引きずらないで
nie[GM]
(≒ never, not ever / mai)
【一般的な意味】
① 決して〜ない,一度も〜ない,これまで〜ない.
② (強調として)断じて,絶対に.
noch[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ still, yet, in addition / ancora, inoltre)
【一般的な意味】
① (時間的に)まだ,今もなお.
② (比較級を強めて)さらに,もっと,いっそう.
③ (付け加えて)その上,さらにまた,それに加えて.
④ (否定文で)〜もまた(〜ない).
noch einmal[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ once more, again, another time / ancora una volta, di nuovo)
【一般的な意味】
① もう一度,再度,再び.
② さらに,もう一つ(付け加えて).
noch immer[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ still, yet, continually / ancora, persistentemente)
【一般的な意味】
① 今もなお,まだ,引き続き(粘り強く状態が続いていることの強調).
② それでもなお,やはり.
【音楽用語としての訳例】
「今もなお続けて」,「依然として」,「(前の指示を)粘り強く保って」

"immer noch" も同じである.
noch mehr[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ still more, even more, furthermore / ancora più, ancora di più)
【一般的な意味】
① さらに多く,もっと多く.
② 一層,いっそう(程度が上であること).
Notfall[GM], [RS: Oper]
(≒ emergency, necessity / emergenza, necessità)
【一般的な意味】
① 緊急事態,非常時.
② 差し迫った必要,止むを得ない事情.
③ (法的な)緊急避難.
nötig[GM]
(≒ necessary, requisite / necessario, richiesto)
【一般的な意味】
① 必要な,入用の,なくてはならない.
② 避けられない,必然的な.
nun[GM]
(≒ now, well then / ora, ebbene)
【一般的な意味】
① (時間的に)今,現在,もはや.
② (接続的な副詞として)さて,ところで,それでは.
③ (心態詞として)いったい,さて,まさか.
Nun laube, Lindlein, laube![H: Sch]
さあ,葉を茂らせておくれ,小さな菩提樹よ
nur ruhig bewegt[B: 7]
ただ穏やかに動きをもって
oder 8 bassa[B: 6]
あるいは1オクターブ低く
ohnmächtig[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ unconscious, faint, powerless / svenuto, impotente)
【一般的な意味】
① 意識を失った,気絶した. ② 無力な,力のない,(感情などに)抗いようのない.
【音楽用語としての訳例】
「気を失ったように」,「無力に」,「(息が絶え絶えになるほど)弱々しく」,「抗いようのないほど激しく」

「(息が絶え絶えになるほど)弱々しく」,「抗いようのないほど激しく」は矛盾しているようにも読み取れるが,"ohnmächtig" という用語に「コントロールを失っている」というニュアンスが中心にあると考えるとそれほど矛盾しているわけでもない.ただ,RW でも RS でも①の意味でしか用いられていない.
p stets sehr deutlich und knapp[H: Con]
p だが常に非常に明瞭に,かつ短く(タイトに)音を出すこと.
Paar[GM]
(≒ pair, couple / paio, coppia)
【一般的な意味】
① 一対,一組,ペア,二人連れ.
② (男女の)カップル,夫婦.
③ わずか二つ,少数.

GM では交響曲第6番に "2 Paar Pauken"「2組のティンパニ」という使われ方をしている.
pastos[K: App]
(≒ mellow, rich, velvety, thick / pastoso)
【一般的な意味】
① (絵具などが)ペースト状の,練り物の,粘り気のある.
② (音色・色彩などが)まろやかな,豊かで柔らかな,厚みのある.
【音楽用語としての訳例】
「まろやかな音色で」,「豊かで柔らかく」,「厚みのある響きで」,「ベルベットのように」
Pathos[H: Con], [B: KM3], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ pathos, passion, deep emotion / pathos, passione)
【一般的な意味】
① (文学・演説・芸術における)深い感情,激情,感動性.
② (否定的なニュアンスで)大げさな表現,過剰な感傷.
【音楽用語としての訳例】
「深い感情を込めて」,「情熱的な表現」,「(ohne Pathos で)感傷的にならずに」
pikiert[RS: Oper]
(≒ piqued, offended, annoyed / offeso, risentito)
pikieren の過去分詞
【一般的な意味】
① (軽蔑や無視などで)気分を害した,ムッとした,不快感を露わにした.
② (古い用法で)刺激された,興味をそそられた.
【音楽用語としての訳例】
「気分を害して」,「ムッとして」,「不快感を露わに」,「立腹して」
plötzlich[RW: oper], [GM], [RS: Oper]
(≒ suddenly, abruptly / improvvisamente, di colpo)
【一般的な意味】
① 突然の,急な,不意の.
② (予期せぬ変化が)だしぬけに起こる様子.
【音楽用語としての訳例】
「突然」,「急に」,「(前触れなくテンポやダイナミクスを)一変させて」
plötzlich leidenschaftlich anschlagend[K: App]
突然情熱的に始める
plump[RS: Oper]
(≒ clumsy, crude, awkward, coarse / goffo, rozzo)
【一般的な意味】
① 不器用な,ぶざまな,鈍重な.
② 粗野な,ぞんざいな,下品な.
③ (言葉などが)露骨な,あからさまな.
【音楽用語としての訳例】
「不器用に」,「粗野に」,「鈍重に」,「ぶっきらぼうに」
pompös[RS: Oper], [RS: Bur]
(≒ pompous, grandiose, showy / pomposo, grandioso)
【一般的な意味】
① 華麗な,豪華な,壮大な.
② (態度などが)もったいぶった,仰々しい,尊大な.
【音楽用語としての訳例】
「華麗に」,「壮大に」,「仰々しく」

[RS: Oper] では②の意味で使われている.[RS: Bur] にもイタリア語で pomposo という指示がある.この場合も②の意味の可能性がある.
Posaunensätze[RS: Tod]
トロンボーンのパッセージ
Potpourri[H: KM2], [RS: Oper]
(≒ potpourri, medley, mixture / pot-pourri, miscellanea)
【一般的な意味】
① (ドライフラワーや香料の)ポプリ,匂い袋.
② 寄せ集め,雑多な混成品,メドレー.
【音楽用語としての訳例】
「メドレー」,「混成曲」,「(主題の)寄せ集め」,「雑多な曲集」

なお,収録してはいないが RS の Die schweigsame Frau も冒頭は "Potpourri" である.
präcis[B: 1]
(≒ precise, exact, accurate / preciso, esatto)
【一般的な意味】
① 正確な,精密な,厳密な.
② (言葉などが)的確な,明確な.
prägnant[GM]
(≒ concise, pregnant, striking / conciso, pregnante)
【一般的な意味】
① 簡潔で力強い,的確な,要領を得た.
② 印象的な,際立った,はっきりした.
③ (古い用法で)妊娠した.

GM では子供の魔法の角笛 "Trost im Unglück" にのみ使用例がある.「際立たせて」と訳している.
prickelnd[K: Cap]
(≒ tingling, sparkling, stimulating / frizzante, stimolante)
【一般的な意味】
① ピリピリする,ちくちくする(感覚).
② (飲み物などが)泡立つ,発泡性の.
③ (雰囲気などが)刺激的な,ぞくぞくするような.
【音楽用語としての訳例】
「刺激的に」,「(音色が)ピリピリとした」,「弾けるように」
proportioniert[B: 5]
(≒ proportioned, balanced, measured / proporzionato, misurato)
proportionieren の過去分詞
【一般的な意味】
① 均整のとれた,釣り合いの取れた,均等の.
② (寸法などが)比例した.

[B: 5]では①の「均整のとれた」であろう.
Pult[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ stand, desk, lectern / leggio, atril)
【一般的な意味】
① (書見台や講義用の)台,卓,演壇.
② (机の)斜面台,書字台.
【音楽用語としての訳例】
「譜面台」,「(弦楽器奏者の)プルト」
pultweise[RS: Zara], [RS: Qui], [RS: Oper]
プルトごとに
Quelle[GM]
(≒ source, spring, origin / fonte, origine)
【一般的な意味】
① (水の)源泉,泉,水源.
② (情報・権力・起源などの)源,根源,出所,出典.
【音楽用語としての訳例】
「(楽譜の)原典資料」,「出所」,「(原典版における)資料源」

GM の "Anmerkung in der Quelle" は「自筆譜における注意」とした
Rand[H: Con]
(≒ edge, rim, border, margin / bordo, margine)
【一般的な意味】
① 縁(ふち),端(はし),へり,枠.
② (本などの)余白,欄外.
【音楽用語としての訳例】
「(ドラムやシンバルの)縁(ふち)」
rasend, rasender[RS: Held], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ raging, frantic, extremely fast / furioso, frenetico, velocissimo)
rasend は rasen の現在分詞,rasender は rasen の格変化形
【一般的な意味】
① 激怒している,狂乱した,熱狂した.
② 猛スピードで走っている,突進している.
③ (副詞として)ものすごく,非常に.
【音楽用語としての訳例】
「狂乱して」,「激怒して」,「猛スピードで」
rauschend[GM]
(≒ rustling, roaring, surging / fremente, frusciante)
rauschen の現在分詞
【一般的な意味】
① (水や風が)ごうごうと音を立てる,とどろく.
② (絹の衣擦れや木の葉の動きなどによる)さらさらという微かな音,ざわめき
③ (比喩的に)華々しい,賑やかな.

【音楽用語としての訳例】
「ごうごうと轟くように」,「さらさらと音を立てて」,「ざわめいて」,「喧噪的に」

GM の交響曲第8番第2部にのみ使用例がある.②の意味で「ざわめくように」と訳している.
recht[GM]
(≒ right, correct, quite, rather / giusto, corretto, piuttosto)
【一般的な意味】
① 正しい,正当な,適切な.
② (程度が)かなり,相当に,なかなか.
③ 右の,右側の.
④ (副詞的に)ちょうど,まさに.
Reich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ realm, empire, kingdom, domain / regno, impero, dominio)
【一般的な意味】
① 帝国,王国,領土,支配領域(国家や政治的な領域).
② (比喩的に)領域,圏,世界,分野.
reich[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ rich, copious, ample / ricco, abbondante)
【一般的な意味】
① 金持ちの,裕福な,豊富な.
② (内容・種類などが)豊かな,富んだ,豊富にある.
③ 価値のある,貴重な.
reichlich[K: Cap]
(≒ ample, copious, generous / abbondante, copioso)
【一般的な意味】
① 豊富な,十分な,たっぷりある.
② (程度が)かなり,十分に.
【音楽用語としての訳例】
「豊かに」,「十分に」,「たっぷり(時間をかけて)」
rein[GM]
(≒ pure, clean, absolute, accurate / puro, assoluto, preciso)
形容詞/副詞(または herein の短縮形)
【一般的な意味】
① 純粋な,混じりけのない,清らかな.
② (比喩的に)全くの,絶対的な,それ自体で.
③ (口語・副詞として)中へ,中に入れて.
【音楽用語としての訳例】
「純粋に」,「清らかに」,「(音程が)正確に」,「完全に」,「完璧に」

GM では "rein stimmen","rein gestimmt" は「正確に調律して」と訳している.
rep.[B: 1]
(≒ Reprise) 繰り返し,再現部
Resonanz[GM]
(≒ resonance, reverberation, echo / risonanza, eco)
【一般的な意味】
① (音響の)共鳴,反響,響き.
② (物理・電気)共振.
③ (比喩的に)共感,反響,世論の反響.

GM ではハープにその指示がある.そこではハープの「共鳴板(のすぐ近くで弾く)」と訳している.より硬く,金属的で,立ち上がりの速い音を目指していると考えられる."Resonanztisch"は"tisch"が「テーブル」,「平面」のことを指すのでこれも「共鳴板」である.
rezitativisch frei[K: Cap]
(≒ recitativo libero) レチタティーヴォ風に自由に演奏する
Riesen[RW: Oper]
① 巨人
② 非常に大きなもの,巨大な存在
③ (比喩)大物,重要人物
riesen- の形で「ものすごく〜」「非常に〜」(口語強調)
名詞として「巨人」の意味で用いられているのは Das Rheingold にしかない.
riesenhaft[RW: Oper]
(≒ gigantic, colossal, immense / gigantesco, colossale)
【一般的な意味】
① 巨人なみの,巨大な,莫大な.
② (比喩的に)途方もない,驚くべき,並外れた.
【音楽用語としての訳例】
「巨大な(響きで)」,「圧倒的なスケールで」,「怪物的に」,「威圧的に」
Ritter[RS: Qui], [RW: Oper]
(≒ knight, cavalier / cavaliere)
【一般的な意味】
① 騎士,騎兵.
② (歴史的な)特定の勲章や騎士団の団員.
③ (比喩的に)勇敢な人物,紳士.
ritterlich[RS: Qui], [RW: Oper]
(≒ chivalrous, knightly, valiant / cavalleresco, valoroso)
【一般的な意味】
① 騎士らしい,勇敢な,勇ましい.
② (態度が)礼儀正しい,慇懃な,紳士的な.
【音楽用語としての訳例】
「騎士道的に」,「勇ましく」,「高潔に」,「気高い」,「気品のある」
roh[GM]
(≒ raw, crude, rough, coarse / rozzo, crudo)
【一般的な意味】
① 生の,未加工の,未熟な.
② 粗野な,ぞんざいな,乱暴な,ぶっきらぼうな.
③ (材料などが)荒削りの,粗悪な.
【音楽用語としての訳例】
「粗野に」,「荒々しく」,「生々しく」,「洗練されずに」,「(音色を)硬く」

GM では②の意味で使われている.「荒っぽく」と訳している.
RONDO Allegro ma non troppo (in cominciando un poco esitendo)[RS: Duett]
ロンド.節度のあるアレグロで,冒頭は少しためらうように
Rücksicht[GM]
(≒ consideration, regard, deference / riguardo, considerazione)
【一般的な意味】
① 考慮,配慮,思いやり,遠慮.
② (視線や態度が)振り返ること,注意を向けること.

GMでは "ohne Rücksicht" という使われ方がほとんどである.これは「無視して」と訳している.
Ruf[GM], [RS: Oper]
(≒ call, shout, cry / chiamata, grido)
【一般的な意味】
① 叫び声,呼ぶ声,鳴き声.
② 評判,声望,世評.
③ (比喩的に)召集,要求.

GM の交響曲第1番第1楽章では「鳴き声」と訳している.
rufen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ call, shout, cry, summon / chiamare, gridare)
【一般的な意味】
① (人間や動物が)呼ぶ,大声で叫ぶ,(鳥などが)鳴く.
② 召集する,招集する,要求する.
③ (比喩的に)~と呼ばれる.
【音楽用語としての訳例】
「叫ぶように」,「呼びかける」,「(トランペットなどで)信号を鳴らす」,「強調して演奏する」
ruhevoll[GM]
(≒ peaceful, restful, tranquil / tranquillo, sereno)
【一般的な意味】
① 平穏な,落ち着いた,静かな.
② (休息や安らぎに)満ちた.
【音楽用語としての訳例】
「安らかに」,「穏やかに」,「静穏に」,「落ち着き払って」

GM では「安らぎに満ちて」と訳しているが「静かに」,「非常にくつろいで」などの意味もあるので,一意に訳すのもよくないかもしれない.
ruhig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Hr2]
(≒ calm, quiet, peaceful / calmo, tranquillo)
【一般的な意味】
① 静かな,音のない,無言の.
② 落ち着いた,平静な,穏やかな.
③ (天候などが)穏やかな,凪いだ.
【音楽用語としての訳例】
「静かに」,「穏やかに」,「落ち着いて」,「平静を保って」
Rundfunk[H: Trau]
ラジオ放送,ラジオ,放送局
sämmtlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
"sämtlich" の旧正書法.”sämtlich" の項を参照.
sämtlich[GM], [RW: Oper]
(≒ all, entire, collectively / tutti, intero)
"sämmtlich" は旧正書法.
【一般的な意味】
① 全ての,一切の,全部の.
② (形容詞として)総計の,一括の.
【音楽用語としての訳例】
「(奏者が)全員で」

例えば「ベートーヴェンの交響曲全集」は "Sämtliche Symphonien von Beethoven".
Sämtliche Streicher die 3 letzten Noten des Themas immerfort abwärts gestrichen[B: 5]
すべての弦楽器は主題の最後の3つの音は down で弾く.
sanft[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ soft, gentle, mild / dolce, mite)
【一般的な意味】
① 柔らかな,優しい,穏やかな.
② (音や光が)かすかな,静かな.
③ (傾斜などが)緩やかな.
【音楽用語としての訳例】
「優しく」,「穏やかに」,「かすかに」,「柔らかな音色で」

GM では「穏やかに」と訳している.ちなみに”mäßig”も「穏やかに」と訳している.それにしても "sanft",”weich”,"zart" は訳し分けが難しい.
Scalen[RS: Qui]
(≒ scale, range, series / scala, gamma)
Skala (または Scala) の複数形
【一般的な意味】
① (物事の)段階,目盛り,尺度.
② (数学・物理学の)スケール,等級.
【音楽用語としての訳例】
「音階」,「音域」,「段階」

[RS: Qui] では「音階」だろう.
Schallbecher[RS: Tod]
(≒ bell of wind instrument / padiglione)
【一般的な意味】
① (管楽器の)朝顔(ベル).
② (古い用法で)音響を増幅する筒状の部位.

木管楽器や金管楽器の管の末端部,および一部のオルガンのリード管の開口部を指す一般名.Schalltrichter,Schallstück とほぼ同義の語である.とりわけホルンの文脈では,右手を入れてストップ奏法や音色調整を行う部分として Schallbecher という語が頻繁に用いられる.
Schalltrichter[GM], [RW: Oper]
(≒ bell of wind instrument, sound funnel / padiglione, imbuto sonoro)
Schallbecher と同義.
【一般的な意味】
① (管楽器の)朝顔(ベル).
② 音響を増幅する円錐状の部位,メガホン.

“Schall”は「音」,「響き」.
「ベルアップ」は,mit aufgehobenem Schalltrichter,Schalltr. auf,Schalltrichter in die Höhe などさまざまな表現がある.“aufgehoben” はこの場合「持ち上げられた」,“in die Höhe” は「上へ,高く」の意.
なお,ベルは Schallbecher とも呼ばれ,調べている範囲においては GM では使用例はないが版によっては存在する.[RW: Oper] においては Tristan und Isolde にのみ使用例がある.
scharf[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sharp, acute, keen, severe / acuto, tagliente, severo)
【一般的な意味】
① (刃物などが)鋭利な,よく切れる.
② (味やにおいが)辛い,刺激的な,強烈な.
③ (音・光・感覚などが)鋭い,厳しい,手厳しい.
④ (カーブなどが)急な.
【音楽用語としての訳例】
「鋭く」,「明確に」,「辛辣に」,「(スタッカートなどを)際立たせて」
scharrend[RS: Oper]
(≒ scraping, scratching, shuffling / raschiando, strisciando)
scharren の現在分詞
【一般的な意味】
① (鳥や馬などが足で)地面を掻いている,土を掘り返している.
② (物を)擦っている,引っ掻いている,かき集めている.
【音楽用語としての訳例】
「(打楽器を)擦って」,「ざらついた音色で」,「(足で)地面を掻くように」,「引っ掻くように」
Schattenhaft[GM]
(≒ shadowy, spectral, phantom-like / spettrale, ombroso)
【一般的な意味】
① 影のような,幽霊のような,実体のない.
② ぼんやりとした,不明瞭な,曖昧な.
【音楽用語としての訳例】
「影のように」,「幽霊のように」,「幻影的に」
schaudernd[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shuddering, trembling, horrifying / rabbrividendo, orrido)
schaudern の現在分詞
【一般的な意味】
① (恐怖・嫌悪・寒さなどで)身震いしている,ぞっとしている.
② 恐ろしい,ぞっとするような,戦慄すべき.
【音楽用語としての訳例】
「ぞっとして」,「戦慄して」,「身震いするように」,「恐ろしい響きで」
schauerlich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ terrifying, horrifying, gruesome / spaventoso, orrido)
【一般的な意味】
① 恐ろしい,ぞっとする,身の毛のよだつ.
② 惨たらしい,おぞましい,ひどい.
【音楽用語としての訳例】
「恐ろしく」,「ぞっとするほどに」,「不気味に」,「戦慄的に」
schauern[GM]
(≒ to shudder, to shiver, to rain / rabbrividire, piovere)
【一般的な意味】
① (雨や霰が)降る,(非人称で)にわか雨が降る.
② (恐怖や嫌悪で)身震いする,ぞっとする.
③ (比喩的に)降り注ぐ,降りかかる.
【音楽用語としての訳例】
「ぞっとする」,「身震いする」,「(音が)降り注ぐように」
schäumend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ foaming, frothing, raging / spumeggiante, furente)
schäumen の現在分詞
【一般的な意味】
① 泡立っている,泡を吹いている.
② 激怒している,興奮している,逆上した.
【音楽用語としての訳例】
「激怒して」,「荒れ狂うように」,「泡立つように」,「猛烈な勢いで」

②の意味で「激昂して」などとしている.
schelmisch[RS: Till], [RW: Oper]
(≒ roguish, mischievous, impish / birichino, malizioso)
【一般的な意味】
① いたずらな,悪戯っぽい,わんぱくな.
② ずる賢い,悪知恵の働く.
【音楽用語としての訳例】
「scherzoso」,「birichino」,「いたずらっぽく」,「悪戯的に」,「おどけて」
Schlag
(≒ beat, stroke, pulse / battito, colpo)
【一般的な意味】
① 叩くこと,打撃,衝撃.
② 鼓動,脈拍.
③ 稲妻.
④ (鳥の)さえずり.
【音楽用語としての訳例】
「拍子」,「打点」,「(指揮の)一振り」,「(打撃楽器の)一打」

"Takt" の項も参照のこと.
Schlägelstock[H: Es]
(≒ mallet, drumstick, beater / bacchetta)
【一般的な意味】
① (打楽器の)マレット,バチ,打棒.
② (杖や棒のような)スティック,棒.
【音楽用語としての訳例】
「マレット」,「バチ」,「(叩くための)スティック」
schleichen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ creep, sneak, glide / strisciare, serpeggiare)
【一般的な意味】
① 忍び足で歩く,こっそり行く,(時間が)ゆっくり過ぎる.
② (ものが)滑る,這う,(液体が)染み込む.
【音楽用語としての訳例】
「忍び足で」,「こっそりと」,「滑るように」,「ゆっくりと」

GM では大地の歌第2楽章にのみ使用例がある.「忍び足で」と訳している.
schleifen[RS: Held]
(≒ drag, lag, sharpen, polish / trascinare, levigare)
"schlifen" はおそらく誤植.
【一般的な意味】
① (刃物などを)研ぐ,磨く,研磨する.
② (地面などを)引きずる,引きずって歩く.
③ (制度などを)だらだらと長引かせる,停滞させる.
④ (城壁などを)取り壊す,破壊する.
【音楽用語としての訳例】
「スラーでつなぐ」,「滑らかに滑らせる」,「(音と音の間を)引きずるように繋げる」

[RS: Held] ではポルタメントを指す.
schleppen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ drag, lug, tow / trascinare)
【一般的な意味】
① (重い物を)引きずる,引っ張る,運ぶ.
② (服などが)地面に引きずられる.
③ (時間などが)だらだらと長引く.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポを)引きずる」,「遅くする」,「(リズムが)だらける」,「(nicht schleppen で)テンポを引きずらないように」

GM では "schleppend" は「引きずるように」,"nicht schleppend" は「引きずらないで」としてはいるが,"schleppend"は「緩慢に」,"nicht schleppend"は「緩慢にならないで」,「遅くならないで」,「間延びしないで」と訳した方がよい気もする.
schlicht[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ simple, plain, unadorned / semplice, schietto)
【一般的な意味】
① 簡素な,質素な,飾り気のない.
② 素朴な,誠実な,ありのままの.
③ (論争などが)公正な,公平な.
【音楽用語としての訳例】
「素朴に」,「飾り気なく」,「率直に」,「淡々と」

GM では「素朴に」と訳している.
Schluß der 1. Fassung[B: 2]
第一稿の終結部
schmachtend[RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Held]
(≒ languishing, pining, yearning / languido, sospirando)
schmachten の現在分詞
【一般的な意味】
① (愛情や飢餓などで)思い焦がれている,熱望している,苦しんでいる.
② (声や表情が)哀れを誘う,弱々しい,力のない.
【音楽用語としての訳例】
「恋い焦がれて」,「哀願するように」,「弱々しく」,「甘く切なく」,「憧れるように」,「うっとりとして」
schmeicheln[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ to flatter, to compliment, to soothe / lusingare, accarezzare)
【一般的な意味】
① お世辞を言う,ごまをする,媚びる.
② (感覚的に)心地よい,快い,甘い,うっとりさせる.
【音楽用語としての訳例】
「lusingando」,「お世辞を言うように」,「甘く媚びるように」,「なめらかに(心地よく)」,「おもねって」,「うぬぼれて」,「機嫌をとるように」,「取り入るように」,「愛想よく」

いろいろあって訳出が難しい.GM では「媚びるように」と訳している
schmetternd[GM]
(≒ blaring, brilliant, crashing, resounding / squillante, fragoroso)
schmettern の現在分詞
【一般的な意味】
① (物を)叩きつける,粉砕する.
② (音・声が)鳴り響く,けたたましく鳴る,ぶちまける,鋭く響く.
【音楽用語としての訳例】
「けたたましく」,「鳴り響くように」,「華々しく」

GM では「響き渡るように」あるいは「高らかに」と訳しているが,「けたたましく」でもよいかもしれない.
schmunzelnd[RS: Oper]
(≒ smiling, smirking, grinning / sorridendo, sogghignando)
schmunzeln の現在分詞
【一般的な意味】
① にやにや笑っている,ほくそ笑んでいる,含み笑いをしている.
② (ユーモラスに)くすくす笑っている.
【音楽用語としての訳例】
「ほくそ笑むように」,「にやにやと」,「含み笑いをしながら」,「ユーモアを含んで」

RS の Der Rosenkavalier にのみ使用例があり,①の意味で訳している.
schnarchend[RS: Oper]
(≒ snoring, rattling / russando, rantolante)
schnarchen の現在分詞
【一般的な意味】
① いびきをかいている.
② (音などが)ガラガラと鳴る,荒々しく鳴る.

RS の Die schweigsame Frau にのみ使用例があり,①の意味で訳している.
schnarrend[RS: Held]
(≒ rattling, buzzing, whirring / ronzante, stridente)
schnarren の現在分詞
【一般的な意味】
① (機械などが)ガタガタ,ガラガラと鳴る,ざわめく.
② (声などが)しわがれている,耳障りな.
【音楽用語としての訳例】
「(雑音が混ざって)ガラガラと」,「(音色が)唸るように」,
Schnippchen[RW: Oper]
(≒ trick, prank, snap of the fingers / scherzo, burla)
【一般的な意味】
① (慣用句 ein Schnippchen schlagen で)出し抜き,鼻を明かすこと,一杯食わせること.
② いたずら,からかい.
③ (古い用法で)指を鳴らす音.

陰気な裏切りではなく,軽い狡猾さ・ちょっとした悪戯心,といったニュアンス.「からかう」と意訳している.
schnippisch[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ snappy, pert, saucy, impudent / sfacciato, impertinente)
【一般的な意味】
① (口調や態度が)生意気な,小生意気な,こざかしい.
② 軽薄な,きざな.
【音楽用語としての訳例】
「生意気に」,「小生意気に」,「断定的に鋭く」,「つっけんどんに」,「とげとげしい口調で」
schon[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ already, yet, indeed, quite / già, pure, certamente)
【一般的な意味】
① (時間的に)すでに,もう(予想より早いことを示す).
② (譲歩・強調として)確かに,なるほど,とはいえ.
③ (未来)いつか,そのうちに.

後続する "aber" とともに「なるほど~だが」の意味もある.
schonen[GM]
(≒ to spare, to treat carefully, to conserve / risparmiare, preservare)
【一般的な意味】
① (物や人を)大切にする,いたわる,(負担を)かけない,優しく扱う.
② (資源・時間などを)節約する,出し惜しみする,温存する.
③ (懲罰などを)容赦する,免除する.

GM では②の意味で使われている.
schreien[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ scream, shout, cry out / gridare, urlare)
【一般的な意味】
① 叫ぶ,大声でわめく,金切り声をあげる.
② 激しく泣く,絶叫する.
③ (比喩的に)強く主張する,要求する.
【音楽用語としての訳例】
「叫ぶように」,「金切り声で」,「大声で」
schreitende[H: KM3], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ striding, stepping, pacing / incedente, passo misurato)
schreiten の現在分詞 schreitend の格変化形
【一般的な意味】
① 大股で,または威厳のある歩調で進んでいる.
② (時間が)経過していく.
【音楽用語としての訳例】
「威厳のある歩調で」,「厳かに」,「着実に歩を進めて」,「(ゆったりと)歩いて」
Schritt[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ step, pace, stride / passo, andatura)
【一般的な意味】
① 足取り,歩み,一歩.
② 歩調,歩速,ペース.
③ (階段などの)段,段階.
【音楽用語としての訳例】
「歩み」,「歩調」,「(テンポの)ペース」,「(Tempo di Marcia で)行進の歩調」
schüchtern[GM]
(≒ shy, timid, reserved / timido, riservato)
【一般的な意味】
① 内気な,恥ずかしがりの,人見知りの.
② おどおどした,遠慮がちな,臆病な.
【音楽用語としての訳例】
「内気な感じで」,「恥ずかしげに」,「遠慮がちに」,「おどおどと」

GM の交響曲第5番第3楽章にのみ使用例がある.「遠慮がちに」と訳している.
schwach[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ weak, feeble, faint / debole, fiacco)
【一般的な意味】
① 弱い,力が弱い,虚弱な.
② (音・光・においなどが)かすかな,弱い.
③ (質・成績などが)劣った,不十分な.
【音楽用語としての訳例】
「弱々しく」,「か細く」,「(音量が)弱く」,「力がなく」
Schwanendreher[H: Sch]
「白鳥を串で回して焼く人」

16–18世紀になると「旅回りの料理人」,「行商人」,「放浪の芸人」の意味にも使われた.つまり旅芸人的ニュアンスをもつ語.”Drehen” は「回し焼き」.
schweben[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ float, hover, soar, be suspended / fluttuare, aleggiare)
【一般的な意味】
① 浮かぶ,漂う,宙に浮く.
② (匂い・雰囲気などが)立ち込める,漂う.
③ (危険などが)差し迫っている,懸案になっている.
【音楽用語としての訳例】
「漂うように」,「浮遊して」,「(音を)宙に浮かせる」,「軽やかに」

GM では "schwebend" は「漂うように」と訳した.イタリア語だと "fluttuante" あるいは "con leggerezza" か.この指示が個人的に一番しっくりする場所は,[RS: Zara] の第645小節にある flute に対する指示.
schwer[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ heavy, difficult, severe / pesante, grave, difficile)
【一般的な意味】
① 重い,重大な(物理的な重量).
② 難しい,困難な,苦労を要する.
③ (病気・罪などが)重い,深刻な,ひどい.
【音楽用語としての訳例】
「重々しく」,「難しく」,「(テンポを)重く取って」,「苦労して」
schwerfällig[GM]
(≒ clumsy, ponderous, sluggish / pesante, goffo)
【一般的な意味】
① (動作が)鈍重な,ぎこちない,不器用な,動きの遅い.
② (文体・思考などが)重々しい,もたもたした.
【音楽用語としての訳例】
「鈍重に」,「ぎこちなく」,「重々しく」,「もたもたと」

GM の交響曲第9番第2楽章にのみ使用例がある.「鈍重に」と訳している.
schwermütig[GM]
(≒ melancholic, somber, mournful / malinconico, mesto, triste)
【一般的な意味】
① 憂鬱な,沈鬱な,メランコリックな.
② 重苦しい,陰気な.
【音楽用語としての訳例】
「憂鬱に」,「沈鬱に」,「悲しげに」

GM の歌曲にのみ使用例がある.
Schwert[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sword / spada)
【一般的な意味】
① 剣,刀,刀剣.
② (比喩的に)武力,戦いの力.
Schwingung[H: Es]
(≒ vibration, oscillation, frequency / vibrazione, oscillazione)
schwingen から派生した名詞
【一般的な意味】
① 振動,揺れ,波動(物理的な動き).
② (物理学における)周波数,振幅.
③ (比喩的に)波動,揺らぎ,ムード.
Schwung[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ swing, momentum, spirit / slancio, impeto)
【一般的な意味】
① 勢い,はずみ,弾み.
② 活気,元気,勢い,機嫌の良さ.
③ (比喩的に)勢いのある筆致,優雅な曲線.
【音楽用語としての訳例】
「勢いをもって」,「活気」,「弾み」,「躍動感をもって」

GM では"Schwung"は「活気づいて」と訳している."schwungvoll"は「生気にあふれて」としているが「生き生きと」でもよいかもしれない.また,"Aufschwung"は「高揚して」と訳している.
scioltamente[RS: Oper]
(≒ fluently, easily, loosely)
イタリア語
【一般的な意味】
① なめらかに,よどみなく,流暢に.
② 楽々と,気楽に,気負いなく.
③ 柔軟に,緩やかに.
【音楽用語としての訳例】
「なめらかに」,「よどみなく」,「軽快に」,「柔軟に」
scorrevole[RS: Duett]
(≒ flowing, fluent, gliding / fließend)
イタリア語
scorre(流れる)の現在分詞形容詞形
【一般的な意味】
① (水や液体が)流れるような,淀みのない.
② (文章や話が)流暢な,スラスラとした,読みやすい.
③ (カーテンや扉が)滑りの良い,スムーズに動く.
【音楽用語としての訳例】
「流れるように」,「淀みなく」,「(テンポが)滞らずに」,「滑らかに」

"fließend" とほぼ同義とみてよいだろう.
Sechs Spieler[H: Web]
6人の奏者で
seelenvoll[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ soulful, deeply felt, heartfelt / con anima, con sentimento)
【一般的な意味】
① 魂のこもった,心の底からの,真心のこもった.
② 感情豊かな,感動的な.
【音楽用語としての訳例】
「魂を込めて」,「深い感情を込めて」,「心から」

GM では交響曲第5番第4楽章にのみ使用例がある.「心をこめて」と訳している.
Sehnsucht[RS: Zara], [RS: Held], [RW: Oper]
(≒ longing, yearning, desire / desiderio, struggimento)
【一般的な意味】
① (満たされない状態に対する)切ない憧れ,憧憬,切望,慕情.
② 郷愁,ノスタルジア.
【音楽用語としての訳例】
「憧憬を込めて」,「切望を込めて」,「切なく」
sehnsüchtig[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ longing, yearning, wistful / desideroso, nostalgico)
【一般的な意味】
① 切望している,憧れている,(故郷などに)郷愁を覚えている.
② 物思いに沈んだ,思いにふける.
【音楽用語としての訳例】
「憧れて」,「切望して」,「切なく」,「もの思いにふけって」
sehr[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ very, extremely, much / molto, assai)
【一般的な意味】
① 非常に,大変,極めて,とても.
② (形容詞・副詞を伴って)とても,きわめて.
Sehr dünnen Stahlstab (Stricknadel) an das Instrument halten und mit einem weichen Paukenschlägel in Schwingung versetzen.[H: Es]
非常に細い鋼鉄製の棒(編み針程度のもの)を楽器に当てがい,柔らかいティンパニ・マレットで振動させること.
sehr langsam, frei declamirend, sentimental in Vortrag.[RS: Qui]
たいへんゆっくりと,自由に語るように,感傷的に演奏する
sehr leicht und schwach markieren[B: 1]
軽く,弱く(控えめに)際立たせる
Sehr ruhige und gemessen schreitende Viertel[H: KM3]
非常に穏やかで,威厳をもって厳格な歩調で進む四分音符を基準としたテンポで.
sehr scharf und spitzig[RS: Held]
きわめて鋭く突き刺すように
selig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ blissful, blessed, rapturous / beato, estatico)
【一般的な意味】
① 至福の,幸福な,この上なく喜ばしい.
② (宗教的に)祝福された,神聖な.
③ (口語・古い用法)亡き,故(こ).
【音楽用語としての訳例】
「至福に満ちて」,「幸福に」,「恍惚として」,「神聖な喜びをもって」
seufzend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sighing, groaning, lamenting / sospirando, lamentoso)
seufzen の現在分詞
【一般的な意味】
① 溜息をついている,すすり泣いている.
② (物などが)風に吹かれて唸る.
【音楽用語としての訳例】
「溜息をつくように」,「すすり泣きながら」,「悲しげに」
singend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ singing, cantabile, melodious / cantando, melodioso)
singen の現在分詞
【一般的な意味】
① 歌っている,歌唱している.
② (音色などが)歌うような,メロディアスな.
③ (詩などが)朗詠されている.
【音楽用語としての訳例】
「cantando」,「melodioso」,「歌うように」,「カンタービレで」,「旋律的に」
sinnen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ meditate, ponder, contemplate / meditare, riflettere)
【一般的な意味】
① 熟考する,思いを巡らす,深く考える.
② (古い用法で)~を企てる,~を意図する.
【音楽用語としての訳例】
「深く考え込んで」,「沈思黙考して」,「熟考するように」

GM では大地の歌第5楽章にのみ使用例がある."sinnend"は「思案して」と訳している.
so~als[GM]
(≒ as ... as, both ... and / tanto ... quanto, sia ... sia)
【一般的な意味】
① (比較として)〜と同じくらい(程度・性質).
② (並列として:sowohl/so... als (auch))〜も〜もまた,同様に.
sofort weiter[H: KM1-2], [H: Con], [H: KM4]
(≒ immediately proceed, continue at once / attacca, continuare subito)
【一般的な意味】
① すぐに先に,間髪入れずに継続する.
【音楽用語としての訳例】
「attacca」,「すぐに次に進め」,「間髪入れずに続けよ」

"gleich weiter" も同じ.
sogar[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ even, actually, indeed / anche, perfino)
【一般的な意味】
① さえ,でさえ,〜すらも(驚きや強調).
② その上,さらに,おまけに.
Sollte diese ganze Stelle bis zum a tempo vor O vom Contrafagott nicht wirklich pp ausgeführt werden können, so bittet der Componist; die ganze Stelle vom II. Fagott (das natürlich dann eine Oktave höher klingt) blasen zu lassen; das Contrafagott möge nur dann eintreten, wenn z. B. 13 Takte nach M das zweite Fagott den Bass verdoppelt; ein Takt vor M möge dann die zweite Clarinette die Stelle des zweiten Fagotts übernehmen.[RS: Juan]
ここから練習番号Oの前のa tempoまでのすべてのパッセージにおいて,もしコントラファゴットが現実問題としてppで演奏できない場合には,作曲者は(次のことを)お願いする;全ての箇所を2ndファゴットが演奏してよい(自然と1オクターブ高く響くことになる).コントラファゴットは例えば練習番号Mの第13小節目において2ndファゴットに重ねるときにのみ入る;練習番号Mの1小節前においては2ndクラリネットが2ndファゴットのパートを演奏する.
Solo vom Einem verzutragen[B: 2]
ソロを一人で演奏する
Sonnenaufgang[RS: Zara], [RS: Alpen]
日の出
Sonnenuntergang[RS: Alpen]
日没
sorgfältig[GM]
(≒ careful, meticulous, painstaking / accurato, meticoloso)
【一般的な意味】
① 注意深い,綿密な,細心な.
② 骨の折れる,苦心した.
【音楽用語としての訳例】
「細心の注意を払って」,「綿密に」,「丁寧に」,「入念に」
später[GM]
(≒ later, subsequently, afterwards / più tardi, dopo, poi)
spät の比較級(副詞・形容詞)
【一般的な意味】
① (時間的に)後で,後に,後ほど.
② (形容詞として)後の,後続の.
spielend[RS: Held], [K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ playing, acting, playfully, easily / suonando, facilmente, scherzando)
spielen の現在分詞
【一般的な意味】
① 遊んでいる,興じている,演技している.
② (物事が)たやすく,楽々と(できる).
【音楽用語としての訳例】
「遊ぶように」,「軽やかに」,「たやすく(苦もなく)」,「じゃれて」,「ふざけて」,「楽し気に」
Spitz[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ point, tip, sharp (implied) / punta, acuto, tagliente)
【一般的な意味】
① 尖った部分,先端,頂点.
② (犬種の)スピッツ.

「槍の穂先」の意味にもなるし,弦楽器に対する指示としては「先弓で」ともなる
spitz[RS: Oper]
(≒ sharp, pointed, keen / acuto, tagliente)
【一般的な意味】
① 尖った,鋭利な.
② (音・光・感覚などが)鋭い,強烈な.
③ (言葉・態度などが)辛辣な,皮肉な,機知に富んだ.
【音楽用語としての訳例】
「鋭く」,「尖った音色で」,「突き刺すように」,「(発音を)明確に」

「辛辣に」,「辛辣な」,「とげとげしく」などの意味で使われているのは RS のみ.
spitzig
形容詞 spitz の変化形."spitz" の項を参照.
spottend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ mocking, scornful, derisive / beffardo, derisorio)
spotten の現在分詞
【一般的な意味】
① 嘲笑している,あざけっている,馬鹿にしている.
② (物事が)〜に反している,対立している.
【音楽用語としての訳例】
「嘲笑的に」,「あざけって」,「皮肉を込めて」,「あざ笑って」

直接の嘲笑より弱く,軽蔑・無関心・冷酷さを帯びた嘲笑
Sprachrohr[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ speaking tube, mouthpiece, spokesman / megafono, portavoce)
【一般的な意味】
① (船舶などで使う)伝声管,スピーキングチューブ.
② (意見や思想の)代弁者,広報役,伝達手段.
③ メガホン.

直訳すると「伝声管」であるが,これは
●手に持って叫ぶ「メガホン」(拡声筒)
●船などの「伝声管」(ブリッジから機関室に声を伝える管)
の両方を指す.実物は細長い管の両端にラッパ型の開口部が付いたものや,真鍮製のコーン型メガホンなどである.

RW では Der fliegende Holländer,Die Walküre,Siegfried に,RS では Die ägyptische Helena にその使用についての指示がある.RW や RS の作品では,これが小道具・舞台音響装置として使用され,声を遠くに,あるいは異界的に響かせるために活用された.

★ 当時(19〜20世紀初頭)の使い方
RW,RS の時代には,電気的な拡声装置が存在しなかったため,物理的な管・金属製メガホン・舞台裏の声管を用いて声を方向づけたり反響させたりした.
●Der fliegende Holländer では Steuermann が船から呼びかける場面で,実際の船舶のメガホンに近い道具が使われた.単に手で囲ってメガホンのようにして叫ぶなどで代用したこともあっただろう.
●Die Walküre では,呼びかけや雷鳴の中で遠方から響く声を強調するため,袖・舞台裏から金属管に向けて声を通す方法がとられた.
●Sigfried の Fafner では RW 自身の「durch ein starkes Sprachrohr(強い拡声筒を通して)」の指定に従い,歌手は舞台裏で大型の金属管に向かって歌い,洞窟の怪物の声の“低く歪んだ響き”を作り出した.
●Die ägyptische Helena でも舞台裏からの声・幻影的な響きを強めるために同種の装置が用いられた.
いずれも,声の方向性・距離感・異質性を生の音響で実現するための工夫であり,当時の劇場建築と密接に連動していた.

★現代の使い方
今日では,劇場の音響設備が進化したため,Sprachrohr の扱いはプロダクションにより大きく異なる.
●歴史的再現(アコースティック)派
実際に金属製のメガホンや管を使用し,当時の物理的効果を模倣する.Siegfried では実物の管をセットに組み込み,歌手が内部で歌う例もある.
●電気的処理(マイク・スピーカー)派
歌手を舞台裏に置き,マイクで拾った声をスピーカーから出すことで距離感・反響を演出.Die ägyptische Helenaの幻想的な場面,Die Walküre の遠方から叫びなどで多用される.効果としては“現代版Sprachrohr”だが,舞台上には道具が登場しないことも多い.
●視覚的演出を優先する派
道具としてのメガホンは持たせるが,実際の音は電気処理で補う.演技上の説得力を重視した折衷案である.
sprühend[K: Cap]
(≒ sparkling, effervescent, brilliant / frizzante, brillante)
sprühen の現在分詞
【一般的な意味】
① 火花を散らしている,噴き出している,吹きかかっている.
② (液体が)泡立っている,発泡性の.
③ (活気・機知などが)ほとばしっている,輝いている.
【音楽用語としての訳例】
「きらめくように」,「火花を散らすように」,「活気に満ちて」,「輝かしく」
Sprung[B: 2]
(≒ jump, leap, crack, spring / salto, crepa)
【一般的な意味】
① 跳躍,ジャンプ,飛び跳ねること.
② (比喩的に)急激な変化,飛躍.
③ (陶器などの)ひび,割れ目,亀裂.

[B: 2] では「カット」の意味で用いられている.
Stab[H: KM1-1]
(≒ stick, rod, staff, baton / bastone, bacchetta)
【一般的な意味】
① 杖,棒,さお.
② (軍隊や組織の)参謀,幕僚,職員.
③ (権威の象徴としての)杖,指揮杖.
【音楽用語としての訳例】
「(指揮者の)指揮棒」,「(打楽器の)バチ」

[H: KM1-1] では「音板」の意味で用いられている.
Stahlstab[H: Es]
鉄の棒
stark[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ strong, powerful, intense / forte, vigoroso, intenso)
【一般的な意味】
① (力・強度・体力などが)強い,強力な.
② (影響・程度などが)強烈な,激しい,著しい.
③ (飲食物などが)濃い,(光などが)強い.
【音楽用語としての訳例】
「強く」,「力強く」,「激しく」,「大きな音で」
stärker einsetzen[RS: Alpen]
一層力強く入ること.
Steg[GM]
(≒ bridge, jetty, footbridge / ponticello, pontile)
【一般的な意味】
① 桟橋,ボードウォーク,通路,踏み板.
② (弦楽器の)駒(こま).
③ (衣料品の)ガセット,補強布.

【音楽用語としての訳例】
「(弦楽器の)駒」

”am Steg" は「駒の近くで」と訳しているがこれはもちろん "sul ponticello" である.
steigen[RS: Alpen]
(≒ rise, ascend, climb / salire, ascendere)
分離動詞 aufsteigen の不定詞
【一般的な意味】
① 立ち昇る,上昇する,登る.
② (乗り物などに)乗る,乗り込む.
【音楽用語としての訳例】
「上昇する」,「(音量や音程が)高まる」,「(感情が)高揚する」
steigern[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ increase, raise, intensify, enhance / aumentare, intensificare)
【一般的な意味】
① (量・価格・程度などを)高める,増す,上げる.
② (感情・効果などを)強める,激化させる.
【音楽用語としての訳例】
「強める」,「(音量・表現を)高める」,「盛り上げる」

情感を高めたり,テンポを速めたり,音量を強めたり,全体として盛り上げあたりといろんなニュアンスを含んでいるようなので訳出が難しい.GM において"stergernd" は,「(感情などを)高めて」,「盛り上がって」,「速度を速めて」などとしたが,状況に応じて判断する必要があるだろう.
stetig[GM]
(≒ steady, continuous, constant / costante, continuo, regolare)
【一般的な意味】
① 絶え間ない,不断の,連続的な.
② 安定した,不変の,一定の.
③ (数学)連続の,連続的な.
【音楽用語としての訳例】
「絶え間なく」,「着実に」,「一定の速さで」,「規則正しく」
stets[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ always, constantly, invariably / sempre, costantemente)
【一般的な意味】
① いつも,常に,絶えず.
② 変わらずに,相変わらず.
【音楽用語としての訳例】
「常に」,「絶えず」,「絶え間なく」
stets sehr virtuos, aber ohne Anstrengung[H: Con]
常に非常に熟達した技術で,しかし力みや苦労を見せずに
Stille[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ silence, stillness, quietness / silenzio, quiete)
【一般的な意味】
① 静けさ,静寂,沈黙.
② 落ち着き,平静,安穏.
③ (比喩的に)人知れず,秘密裏に.
【音楽用語としての訳例】
「静寂」,「沈黙」,「休み」
Stöcken[H: Es]
(≒ sticks, mallets, drumsticks / bacchette)
Stock の複数形
【一般的な意味】
① 杖,棒,棒切れ(複数).
② (建物の)階,層(複数).
【音楽用語としての訳例】
「(打楽器の)撥」,「スティック」,「(mit Stöcken で)バチで演奏する」
stolz[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ proud, haughty, majestic / orgoglioso, fiero, maestoso)
【一般的な意味】
① 誇り高い,自慢げな.
② 威厳のある,堂々とした,雄大な.
③ (古い用法で)傲慢な,高慢な.
【音楽用語としての訳例】
「誇り高く」,「威厳をもって」,「堂々と」
straff[GM], [K: Cap]
(≒ tight, taut, strict, disciplined / rigoroso, stretto, teso)
【一般的な意味】
① ピンと張った,ぴんと締まった,たるみのない.
② 厳格な,厳しい,規律正しい.
③ 簡潔な,引き締まった(文体など).
【音楽用語としての訳例】
「引き締めて」,「厳格に」,「(テンポを)揺らさずに」,「硬く」

GM では②の意味で用いられている.
strahlen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ shine, beam, radiate, sparkle / irradiare, splendere)
【一般的な意味】
① 光を放つ,輝く,光線を発する.
② (喜びなどで)輝く,生き生きとする.
③ (熱や放射線などを)発散する.
【音楽用語としての訳例】
「光を放つように」,「輝かしく」,「光彩を放って」,「(音色が)明るく」

GM では交響曲第7番第5楽章にのみ使用例がある."strahlend"は「光り輝いて」と訳している.
strascicando[RS: Oper]
(≒ dragging, trailing, drawing out)
イタリア語
【一般的な意味】
① 引きずっている,だらだらと続く.
② (言葉や動作が)長引いている,遅延している.
【音楽用語としての訳例】
「(テンポを)引きずって」,「だらだらと遅く」,「重々しく」

RS の Elektra でオーケストラに対する指示として使われている.
Streiche[RS: Till]
(≒ pranks, tricks, blows / scherzi, burle, colpi)
Streich の複数形(名詞)
【一般的な意味】
① いたずら,悪ふざけ,悪巧み.
② ひと打ち,一撃,打撃(古い用法).
③ (比喩的に)思い切った行為.

[RS: Till] では①の意味,[RS: Oper] では②の意味で用いられている.
streicheln[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ to stroke, caress, pet / accarezzare)
【一般的な意味】
① 優しくなでる,愛撫する,(ペットなどを)可愛がる.
② (比喩的に)優しく慰める,心を和ませる.
【音楽用語としての訳例】
「優しくなでるように」,「甘く」,「愛撫するように」
Streicher[GM], [RS: Oper]
(≒ string player(s), strings / archi, strumenti ad arco)
【一般的な意味】
① 弦楽器奏者.
② (集合的に)弦楽器セクション.
③ (ペンキなどを)塗る人,塗装工.
【音楽用語としての訳例】
「弦楽器奏者」,「弦楽セクション」
Streicher abwärts Kurz immer die 3 letzten Noten des Themas No.1 (Hauptthema) [B: 5]
弦楽器は第1主題(主要主題) の最後の3つの音は常に短くdownで
Streicher am besten, auch die Achtelnoten sämtlich hier abwärts, Kurz.[B: 5]
弦楽器はできればすべて8分音符も短くdownで(弾く)
Streicher sämtlich alles abwärts gestrichen[B: 3]
弦楽器は全員すべてをdownで弾く.
streng[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ strict, severe, rigorous / rigoroso, strettamente)
【一般的な意味】
① 厳格な,厳密な,厳重な.
② 厳しい,手厳しい,苛酷な.
③ (味・においなどが)きつい,強い.
【音楽用語としての訳例】
「厳格に」,「厳密に」,「(テンポを)厳守して」,「寸分の狂いもなく」
strepitoso[RW: Oper]
(≒ noisy, boisterous, tumultuous)
イタリア語
【一般的な意味】
① 騒々しい,喧騒的な,けたたましい.
② (成果などが)華々しい,驚くべき,目覚ましい.
【音楽用語としての訳例】
「騒々しく」,「喧騒的に」,「けたたましく」,「華々しく(技巧的に)」

RW の Die Feen でオーケストラに対する指示として使われている.
Strich für Strich[GM]
(≒ line by line, stroke by stroke, meticulously / linea per linea, meticolosamente)
【一般的な意味】
① 一行ずつ,一線ずつ,細部にわたって.
② (非常に)几帳面に,几案に,一つ一つ丁寧に.
【音楽用語としての訳例】
「細部にわたって」,「几帳面に」,「(弓を)一音一音丁寧に」

絵を描く際や計画を緻密に進める際など,細部にわたる注意深さを強調する表現.「一音一音丁寧に」,「一音ずつ切って弾く」,「ひと弓ひと弓」などが考えられたが,「一音ごとに弓をかえして」とした.この場合の "für" は「~ごとに」の意味.
Stricharten[B: 8-1]
(≒ types of bowing, bow strokes / tipi d'arco, colpi d'arco)
Strichart の複数形
【一般的な意味】
① ストロークの種類,線の種類.
② (芸術・技法の)流儀,様式.
【音楽用語としての訳例】
「運弓法」,「ボーイング」
Stricknadel[H: Es]
編み針,棒針,かぎ針
Sturm[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ storm, assault, fury / tempesta, furia)
【一般的な意味】
① 嵐,暴風雨,時化(しけ).
② 突撃,急襲(軍事的な攻撃).
③ (感情や情勢の)激動,熱狂,興奮.

[RS: Oper] にのみ "Sturme" を③の意味で使っている個所があるが,それ以外はすべて①の意味である.
stürzt[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ falls, plunges, rushes / precipita, si scaglia)
動詞 stürzen(急落する,突進する,転倒する)の3人称単数現在形,または命令形.
【一般的な意味】
① 転落する,真っ逆さまに落ちる.
② 突進する,勢いよく飛び込む,飛び出す,駆け込む.
③ 覆す,(政権などを)打倒する.

RW でも RS でも②の意味で使われていることがほとんどである.音楽の指示や舞台指示では,「制御できないほどの急激な動き(激しい動き)」を表す.
summend[GM], [RS: Oper]
(≒ humming, buzzing, droning / ronzante, ronzio)
summen の現在分詞
【一般的な意味】
① ハミングしている,鼻歌を歌っている.
② (昆虫などが)ブンブンと羽音を立てている,(機械などが)唸っている.
【音楽用語としての訳例】
「口ずさんて」,「ハミングで」,「鼻歌のように」,「ronzante」,「(ハチの羽音のように)ブンブンと」

GM では「ハミング」の意味で訳している.
tactig[RS: Dom]
(≒ rhythmic, in time / ritmico, a tempo)
taktig の誤記または古風な綴りと推測される(Takt に形容詞語尾 -ig が付いた形)
【一般的な意味】
① 拍子に合った,律動的な,リズムを持つ.
② (古い用法で)機転の利く,機敏な(taktvoll に近い).
【音楽用語としての訳例】
「律動的に」,「拍子に合わせて」,「正確なテンポで」

などであるが,例えば"2 tactig" は「2小節単位で」,「2小節ごとにフレーズを取って」であろう.
Takt
(≒ beat, time, measure / battuta, tempo)
【一般的な意味】
① 小節.
② 拍子,リズム.
③ 指揮のタクト,棒の振り方.
④ (社交上の)機転,配慮.
【音楽用語としての訳例】
「小節」,「拍子」,「イン・テンポで(im Takt)」

"Takt" は「小節」,「拍子」の意味合いが強いだろう(3/4「拍子」などのニュアンス).
"Schlag" にも「拍子」という意味があるが,この用語は打撃を語源とするため,物理的に「打つ」瞬間を指すことになる.「1拍子(1拍振り)で」と言うときは In einem Schlag となり,これは「1小節を1回で振る」という動作に基づいた表現.
Tal[H: Sch], [RW: Oper]
(≒ valley, dale / valle, vallata)
【一般的な意味】
① 谷,谷間,渓谷.
② (比喩的に)低地,深い場所,苦難.
täppisch[GM], [RS: Oper]
(≒ clumsy, awkward, inept / goffo, impacciato)
【一般的な意味】
① 不器用な,ぶざまな,下手な.
② (行動や態度が)野暮ったい,鈍重な.
【音楽用語としての訳例】
「不器用に」,「ぶざまに」,「鈍重に」「不器用な」,「ぎこちない」,「野暮ったい」,「間が悪く洗練されていない」

この用語は現代のドイツ語ではほとんど見かけない用語のようだ.GM の交響曲第9番第2楽章では「ぎこちなく」と訳している.
thätig[GM]
(≒ active, busy, energetic / attivo, operoso)
tätig の古い綴り
【一般的な意味】
① 活動的な,動いている,活動中の.
② 職に就いている,従事している.

J.S.Bach などの古いドイツ語の文献や楽譜において、楽器のストップや機構が「機能している(オンになっている)」状態を指すこともある.GM の交響曲第2番における "1. 2. 3. 4. Horn in F in der Ferne; sind an den in der Partitur bemerkten Stellen mit im Orch. thätig." では,「最初は舞台裏や遠くで吹いているホルン奏者たちが,曲の途中の特定のタイミングからは舞台上のオーケストラ席に戻って,他の楽器と一緒に合奏に加わる.」という配置上のルールを説明している.
tobend[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ raging, roaring, tempestuous / furente, tempestoso, furioso)
toben の現在分詞
【一般的な意味】
① (人が)荒れ狂っている,激怒している,わめいている.
② (嵐・海などが)荒れ狂う,猛威を振るう.
③ (子供などが)騒ぎ立てる,飛び跳ねる.
【音楽用語としての訳例】
「荒れ狂って」,「激怒して」,「猛烈な勢いで」
Ton[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tone, sound, pitch, manner / tono, suono, nota)

【一般的な意味】
① 音,音色,音調.
② (声の)調子,語調,態度.
③ (音楽の)音,音高(ピッチ).

GM には,「Ton」という語を核とする一連の指示 "Ton!","mit Ton!","viel Ton!","großer Ton!","offener Ton" などが頻出する.これらは「豊かな音で」などで一義的に訳しているが,GM にとって Ton とは,おそらく物理的な音量にとどまらない,音楽的なニュアンスが込められているようである.そもそもドイツ語の ”Ton" は本来多義的で,
●音高・音程(音の高さ)
● 音そのもの(物理現象)
● 音色・響き(Klang に近い)
● 表情・口調(Redeweise, Sprechton)
● 芸術的トーン・雰囲気(emotional tone)
などの意味がある.19世紀後半から20世紀初頭の音楽語法では,"Ton" = "sonority” あるいは “tone quality” という意味合いで使われることが多く,特に Schumann, RW, Brahms, Bruckner,そして GM においては,音の「性質」,「密度」,「精神的な響き」を指す語として機能しているようだ.

1. 声楽における "Ton"
子供の魔法の角笛 ”Der Schildwache Nachtlied” にある ”Den Ruf der Schildwachen nachahmen offner Ton!" における "offener Ton" は,単に「声を張る」という意味ではなく,「 闇の中で響く歩哨の声」,「 切り裂くような警戒の声」という状況を音声として再現するための指示と理解できる.「開放的で良く響いた(声で)」と訳している.

2. 管楽器における "grosser Ton"
交響曲第7番第1楽章冒頭の Tenorhorn に対する ”großer Ton!"で求められているのは「f で吹くこと」,「力強く鳴らすこと」だけではなく,むしろ音の「重量感」, 音の「存在感」,「質感」と考えられる.この意味で "grosser Ton" はおそらく音量指示だけの意味ではないだろう.

3. 弦楽器における "Ton!"
GM には単独で ”Ton!"と書かれている箇所が多数存在する.特に弦楽器のレガート部分において目立つ.ここでの "Ton" は演奏者に対する注意喚起に近い.GMにとって危険なのは,正確ではあるが無表情な演奏,旋律を構造としてだけ処理する演奏だと思われる.

4. "viel Ton"
交響曲第5番第4楽章の "Viel Ton!" はしばしば「たくさんの音」「音量を増やせ」と誤解されやすいが,実際には「音の密度」,「音の厚み」,「音の充実度」を要求する語であろう.「充実した響き」を求めていると考えられる.
Tongebung[GM]
(≒ intonation, tone production, sound emission / emissione del suono, timbro)
【一般的な意味】
① (声・音の)出し方,発音,発声法.
② (比喩的に)語調,話し方,抑揚.
【音楽用語としての訳例】
「音の出し方」,「発声法」,「音色」,「アタックの質」

GM では「イントネーション」と訳している.
tonlos[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ toneless, flat, lifeless / senza suono, sordo)
【一般的な意味】
① 音のない,音調のない,無声の.
② (声や表情が)抑揚のない,単調な,無表情な.
【音楽用語としての訳例】
「音色がなく」,「無気力に」,「無表情に」

GM では大地の歌第6楽章にのみ使用例がある.「抑揚のない声で」と訳している.
träumend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper], [RS: Held]
(≒ dreaming, dreamy, musing / sognante, fantasticando)
träumen の現在分詞
【一般的な意味】 夢を見ている,夢見心地の,ぼんやりとした,空想にふけっている.
【音楽用語としての訳例】 「夢見るように」,「夢想的に」,「うっとりと」
traurig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sad, sorrowful, mournful / triste, malinconico)
【一般的な意味】
① 悲しい,悲しそうな,憂鬱な.
② 嘆かわしい,みじめな,ひどい.
【音楽用語としての訳例】
「悲しげに」,「憂鬱に」,「嘆くように」

GM ではさすらう若人の歌 "Wenn mein Schatz Hochzeit macht"にのみ使用例がある.「悲しんで」と訳している.
treibend[K: Cap]
(≒ driving, urging, propelling / incalzando, spingendo)
treiben の現在分詞
【一般的な意味】
① 推進している,駆り立てている,押し進めている.
② (波や風などに)漂っている.
【音楽用語としての訳例】
「駆り立てるように」,「激しく押し進めて」,「テンポを加速しながら」
trocken[GM]
(≒ dry, arid, crisp / secco, asciutto)
【一般的な意味】
① 乾いた,乾燥した,水気のない.
② (ユーモアなどが)辛口の,そっけない,無味乾燥な.
③ (ワインなどが)辛口の,ドライな.
【音楽用語としての訳例】
「ドライに」,「(音を)短く切って」,「そっけなく」,「無味乾燥に」

GM ではティンパニの指示で使われていて,「乾いた」と訳しているが「ドライに」でも良いかも.もちろんRW,RSのオペラでは歌唱部分に多数の使用例がある.そこでは「そっけなく」,「事務的に」などと訳している.
Trommelst., Trommelstöcken[H: Es]
太鼓の撥
trotz[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ despite, in spite of, defiance / nonostante, malgrado, ostinazione)
【一般的な意味】
① (前置詞として)〜にもかかわらず,〜をよそに.
② (名詞 Trotz として)反抗,意地,我意,ふてくされ.
【音楽用語としての訳例】
「(~にも)かかわらず」,「(mit Trotz で)反抗的に」,「意地になって」,「ふてくされて」
trotzig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ defiant, stubborn, obstinate / ostinato, caparbio)
【一般的な意味】
① 反抗的な,強情な,意地っ張りな.
② ふてくされた,むくれた.
【音楽用語としての訳例】
「反抗的に」,「強情に」,「ふてくされて」,「決然と」

GM では交響曲第9番第3楽章にのみ使用例がある.
TrV[RS]
Trenner-Verzeichnis の略

Richard Strauss Werke – Thematisches Verzeichnis:Franz Trenner による Richard Strauss 作品主題目録

「作品主題目録」とは,単なる「作品目録」とは違い各作品に 冒頭主題(incipit) を付したもの.同名作品・改訂稿・断片の識別が可能で音楽学的同定を目的としている.学術的に最も広く使われている.標準的カタログ番号で作品番号(Op.)を持たない後期作品を整理するためのもの.

例:
Sonatine Nr.1 → TrV 288
Metamorphosen → TrV 290
Oboe Concerto → TrV 292

"AV" の項も参照.
Tumult[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tumult, uproar, commotion, riot / tumulto, clamore)
【一般的な意味】
① 喧騒,騒ぎ,騒動,騒乱.
② (感情の)激しい動揺,混乱.

RS の Die Schweaigsame Frau にはオーケストラに対する指示として "tumultuoso" の指示がある(これはイタリア語)
Tür[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ door / porta)
【一般的な意味】 ① 扉,ドア. ②(比喩的に)入り口,道.

RW,RSに出てくる "Tür" は以下.
Ausgangstür:出口の扉
Eingangstür:入り口の扉
Falltür:落とし戸,跳ね上げ戸
Flügeltür:両開き戸,観音開きの扉
Haustür:玄関の扉,表戸
Hoftür:中庭への扉
Kammertür:小部屋の扉,寝室の扉
Ladentür:店の扉
Mitteltür:中央の扉
Schiebtür:引き戸
Tapetentür:隠し扉(壁紙を貼って壁に見せかけた扉)
über~hinaus[GM]
(≒ beyond, further than, exceeding / oltre, al di là di)
【一般的な意味】
① (空間的・比喩的に)~を越えて,~の向こうに,~の範囲外に.
② (程度的に)~以上に,~を上回って,~に加えて.
übergehen[GM], [RW: Oper]
(≒ transition, pass into, merge, omit / passare, sfumare, omettere)
不可分または可分の動詞(不定詞)
【一般的な意味】
① (不可分)移行する,移る,受け継がれる.
② (不可分)見過ごす,省略する,口に出さない.
③ (可分)向こう側へ行く,転向する.
【音楽用語としての訳例】
「passare a」,「sfumare」,「(切れ目なく)移行する」,「(次のセクションに)移る」,「融合する」,「省略する」

GM では①の意味で使われている.
überhetzt[GM]
(≒ overly rushed, frantic, breathless / troppo affrettato, frenetico)
überhetzen の過去分詞
【一般的な意味】
① 慌てすぎた,急ぎすぎた,ひどくせかされた.
② (疲労困憊するほど)無理をさせられた.
【音楽用語としての訳例】
「急ぎすぎて」,「(テンポが)せわしなく」,「息切れするように」,「慌ただしく」,「せかせかして」

ちなみに,GMにはないが" überhitzt" となるとこれは違う意味になる.テンポとは関係なく感情や音楽の表現が高まりすぎている状態のこと.この場合は「感情的に過熱して」「熱に浮かされたように」「激しすぎるほどに」などとなる.
übermüthig[GM]
übermütig の項を参照.
übermütig[GM], [RS: Oper]
(≒ exuberant, high-spirited, boisterous / esuberante, vivace)
übermüthig は旧正書法
【一般的な意味】
① 元気がよすぎる,はしゃぎすぎた,ハイテンションな.
② (それが原因で)向こう見ずな,無謀な,生意気な.
③ 快活な,陽気な.
【音楽用語としての訳例】
「はしゃぎすぎて」,「元気に満ちて」,「浮かれ騒いで」,「遊び戯れるように」
übernehmen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ to take over, to take on, to assume / assumere, farsi carico di)
【一般的な意味】
① 引き受ける,(任務などを)担当する,(責任などを)負う.
② (他人の考えや習慣などを)受け入れる,採用する,借用する.
③ (地位・権限などを)引き継ぐ,乗っ取る.
④ (sich übernehmenの形で)無理をする,力を出しすぎる.

【音楽用語としての訳例】
「(先行する楽器から旋律やリズムを)引き継いで」,「(他のパートを)肩代わりして演奏する」,「(合唱などで特定のパートを)受け持つ」

GM で ”ubernimmt”(直接法現在三人称単数形)は「持ち替える」「引き受ける」など,"übernommen"(過去分詞)は「受け持つ」と訳した. RW,RS では「引き継ぐ」という意味で用いられている.
übernimmt[GM], [RS: Oper]
übernehmen の項を参照.
übernommen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
übernehmen の項を参照.
überreicht[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ handed over, presented, delivered / consegnato, presentato)
überreichen の過去分詞
【一般的な意味】
① (物を)手渡した,差し出した,贈呈した.
② (書類などを)提出した,交付した.

「手渡して」.「差し出して」,「渡して」などと訳している.
überstürzend[K: Cap], [K: App]
(≒ to rush, to precipitate, to hurry / precipitare, affrettare)
【一般的な意味】
① (行動や決定などを)あまりに急ぐ,性急に行う,早まる.
② (再帰代名詞とともに:sich überstürzen)物事が立て続けに起こる,(事態が)急展開する,(言葉などが)もつれる.
【音楽用語としての訳例】
「急き立てる」,「(拍を)追い越すように急ぐ」,「なだれ込むように速める」,「(フレーズを)積み重ねるように急がせる」

"sich überstürzend"が [K: Cap] に,"überstürzt" が [K: App] にある.「慌てるように」,「慌ただしく」,「(テンポを)前へ急いで」のような意味になるだろう.
übrig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ left over, remaining, surplus / restante, superfluo)
【一般的な意味】
① 残りの,余りの,残っている.
② (否定的な文脈で)余計な,不必要な.
Umstand[GM], [RS: Oper]
(≒ circumstance, condition, trouble (pl.) / circostanza, condizione)
【一般的な意味】
① 状況,事情,環境,なりゆき.
② (主に複数形 Umstände で)面倒,手間,煩わしさ.

"unter keinen Umständen" は,「いかなる状況でも~ない」,「どんな場合でも絶対に~しない」
umstimmen[B: 6], [RS: Juan], [RS: Tod], [RS: Zara], [RS: Held]
(≒ retune, persuade, change mind / riaccordare, convincere)
【一般的な意味】
① (楽器を)再調律する,音程を変える.
② (人の意見・態度を)変えさせる,説得する.
【音楽用語としての訳例】
「(楽器を)再調律する」,「音程を変える」,「(ハープのペダルを)設定し直す」

ティンパニの指示に多い.”G nach Fis umstimmen" 「GをFis に」など.
ungeduldig[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ impatient, restless / impaziente, irrequieto)
【一般的な意味】
① 我慢できない,短気な,せっかちな.
② 待ちきれない,切望する.
【音楽用語としての訳例】
「我慢できずに」,「短気に」,「せき込んで」.「しびれを切らして」,「もどかしげに」
ungefähr[GM]
(≒ approximately, about, roughly / circa, approssimativamente)
【一般的な意味】
① およそ,だいたい,約.
② 概略の,大まかな.
③ (形容詞として)大体の,並の.
ungeheuer[RS: Tod], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ enormous, monstrous, tremendous / enorme, mostruoso)
【一般的な意味】
① 巨大な,恐ろしい,怪物のような.
② (程度が)ものすごい,途方もない,莫大な.
③ (副詞として)非常に,ひどく.

[RS: Oper] では②の意味で用いられている.
unheimlich[GM]
(≒ uncanny, sinister, immense / sinistro, immenso)
【一般的な意味】
① 気味の悪い,不気味な,ぞっとする.
② (口語で)ものすごい,途方もない,莫大な.
③ (形容詞として)途方もない,ひどい.
【音楽用語としての訳例】
「不気味に」,「気味悪く」,「ものすごく(強調として)」

GM では子供の魔法の角笛 "Das irdische Leben" にのみ使用例がある.
unmerklich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ imperceptible, unnoticeable / impercettibile, inavvertibile)
【一般的な意味】
① 知覚できない,感じられない,気づかないほどの.
② 微々たる,取るに足らない.
【音楽用語としての訳例】
「気付かれないように」,「かすかに」,「目立たずに」,「さりげなく」

GM では概ね「さりげなく」としている.
Unmut[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ displeasure, annoyance, resentment / malumore, irritazione)
【一般的な意味】
① 不機嫌,不満,不快感.
② いらだち,立腹.
【音楽用語としての訳例】
「不機嫌に」,「不満そうに」,「いらだちを込めて」
unruhig[RS: Dom], [K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ uneasy, restless, agitated / inquieto, agitato)
【一般的な意味】
① 落ち着きのない,そわそわした,不安な.
② 騒がしい,(群衆などが)動揺した.
③ (天候などが)荒れた,穏やかでない.
【音楽用語としての訳例】
「不安げに」,「落ち着きなく」,「そわそわして」
unsichtbar[RS: Qui], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ invisible, unseen / invisibile)
【一般的な意味】
① 目に見えない,不可視の.
② 隠された,隠れた,姿を消した.
【音楽用語としての訳例】
「(舞台裏で)見えないように」,「(音が)聞こえないほどに弱く」,「極めてかすかに」

[RW: Oper]においては
"unsichtbar hinter der Scene" 「舞台裏の見えないところで」
"außerhalb, unsichtbar"「舞台の外で,見えないところから」
"draußen, unsichtbar"「外で,姿は見えない」
などとしている.
unterbrechen[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ interrupt, break off, suspend / interrompere, sospendere)
【一般的な意味】
① (会話や進行を)中断する,遮る,口を挟む.
② (行動や活動を)一時停止する,休止する.
Unterbrechung[GM]
(≒ interruption, break, pause / interruzione, pausa, cesura)
【一般的な意味】
① 中断,休止,(会話などの)口出し.
② 途切れ,不連続.
【音楽用語としての訳例】
「中断」,「休止」,「(演奏の)切れ目」
untersagen[GM]
(≒ prohibit, forbid, interdict / proibire, vietare)
【一般的な意味】
① 禁じる,禁止する,差し止める.
② (法的に)規制する,禁制する.

GM の交響曲第8番第1部に"Es ist absolut untersagt, daß sich die Vertreter der Solostimmen bei dieser Unisonostelle 'schonen'."(独唱者たちが、このユニゾンの箇所で「手加減」することは絶対に禁止)と強い調子で書いてあるのが面白い.リハのときにソリストが手抜きして GM がブチ切れたに違いない.
unwillkürlich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ involuntary, unintentional, spontaneous / involontario, spontaneo)
【一般的な意味】
① 不随意の,無意識的な,思わずの.
② 自然発生的な,自発的な.
③ 必然の,避けられない.
【音楽用語としての訳例】
「無意識的に」,「思わず」,「本能的に」,「自然発生的に」
ursprüngliche, ursprüngliches[B: 3], [B: 5], [H: KM3]
(≒ original, initial, fundamental / originale, iniziale)
【一般的な意味】
① 最初の,元の,初期の,本来の.
② 独創的な,根源的な,根本的な.
【音楽用語としての訳例】
「元の」,「最初の」,「(Tempo につけて)元のテンポで(Tempo primo)」
Variante[H: KM5], [RW: Oper]
(≒ variant, version, variation / variante, variazione)
【一般的な意味】
① 変種,異形,別案.
② (テキストや文献の)異文,異読.
Variationen "Seid ihr nicht der Schwanendreher"[H: Sch]
変奏曲「あなたがたは旅芸人(白鳥を串焼きにする料理人)ではないのですか?」

Schwanendreher” の項を参照
vehemenz[GM]
(≒ vehemence, intensity, passion / veemenza, impeto)
【一般的な意味】
① 激情,熱情,猛烈さ,激しさ.
② (行動の)強引さ,強さ.
【音楽用語としての訳例】
「激情を込めて」,「猛烈な勢いで」,「強引に」

GM の交響曲第5番第1楽章,第2楽章にのみ使用例がある.
Verbeugung[RW: Oper], [RW: Oper]
(≒ bow / inchino) 動詞 sich verbeugen(お辞儀をする)の名詞形.
【一般的な意味】 ① お辞儀,礼.

"Knix"(女性の膝を折る礼)とは異なり,主に腰から上を曲げる動作を指す.
verbreitern[H: KM2], [H: KM5], [H: K50], [H: Mat], [H: Sch], [H: Fl], [H: Tanz], [H: Es], [H: Welt]
(≒ to widen, to broaden, to expand / allargare, ampliare)
【一般的な意味】
① 広くする,広げる,幅を広げる.
② 拡大する,拡張する,(視野などを)広げる.
【音楽用語としての訳例】
「allargando」,「(テンポを)徐々に広げるように遅くしていく」,「(表現を)雄大にする」
verdüstert[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ darkened, gloomy, clouded / oscurato, cupo, tetro)
verdüstern の過去分詞
【一般的な意味】
① 暗くなった,薄暗くなった,曇った.
② 陰鬱になった,憂鬱になった,沈んだ.
【音楽用語としての訳例】
「暗く」,「陰鬱に」,「(音色を)暗く沈ませて」
verdutzt[RS: Oper]
(≒ perplexed, baffled, astonished / perplesso, sbalordito, confuso)
verdutzen の過去分詞
【一般的な意味】
① 面食らった,あっけにとられた,驚いた.
② 戸惑った,途方に暮れた.
【音楽用語としての訳例】
「呆然として」,「面食らって」,「あっけにとられて」,「戸惑いがちに」,「突然驚いて」
vereinigt[GM]
(≒ united, joined, combined / unito, congiunto)
vereinigen の過去分詞
【一般的な意味】
① 統一された,結合された,合同の.
② 結婚した,提携した.
【音楽用語としての訳例】
「ユニゾンで」,「統一して」,「結合して」,「一つにまとまって」
Verfügung[GM]
(≒ disposal, availability, order, decree / disposizione, ordine)
verfügen の名詞化
【一般的な意味】
① 自由な使用,利用,処分,自由裁量.
② 命令,指示,決定,裁定.

"zur Verfügung stehen" は「利用可能である」,「意のままにできる」
verhallend, doch straff im Tempo[K: Cap]
消え入るように,しかしテンポは引き締めて.
verhalten[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ restrained, subdued, reserved / contenuto, sommesso)
verhalten の過去分詞
【一般的な意味】
① 抑制された,抑えられた,控えめな.
② (声・光などが)かすかな,静かな.
③ (態度や行動が)〜された.
【音楽用語としての訳例】
「抑制して」,「控えめに」,「静かに」,「内面的な表現で」
verklingend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ dying away, fading out / morendo, smorzando)
verklingen の現在分詞
【一般的な意味】
① (音や響きが)次第に弱まって消える,鳴りやむ.
② (比喩的に)忘れ去られる,消えていく.
【音楽用語としての訳例】
「morendo」,「smorzando」,「perdendosi」,「消え入るように」,「次第に弱く」
Verlangsamen[H: KM5], [H: K50], [H: Es]
(≒ to slow down, to retard, to decelerate / rallentare, ritardare)
動詞 verlangsamen の不定詞
【一般的な意味】
① (速度を)遅くする,減速させる.
② (過程や進行を)遅らせる,妨げる.
【音楽用語としての訳例】
「rallentando」,「ritardando」,「(テンポを)次第に遅くする」,「減速する」
Verlauf[GM], [RW: Oper]
(≒ course, progress, development / corso, sviluppo)
【一般的な意味】
① (時間的・空間的な)経過,流れ,進行.
② (物事の)成り行き,過程,発展.

"im Verlaufe" は「~が進んでいく中で」,「~のうちに」
Verlegers[H: KM1-1]
(≒ publisher, editor / editore)
Verleger の単数所有格(または複数形)
【一般的な意味】
① (書籍・楽譜・雑誌などの)出版者,発行者,出版社.
② (古い用法で)資金提供者.
verlöschen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ to die out, to fade away, to become extinct / estinguersi, spegnersi)
(≒erlöschen, verschwinden)
【一般的な意味】
① (火・光・生命などが)消える,尽きる,絶える.
② (音や響きが)次第に弱まり,消滅する.
③ (法律・権利などが)失効する,無効になる.
【音楽用語としての訳例】
「morendo」,「perdendosi」,「(響きが)消滅する」,「絶え入るように」,「鳴りやむ」
vernehmbar[B: 4-2], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ audible, perceptible, discernible / udibile, percepibile)
【一般的な意味】
① 聞こえる,聞き取れる,感知できる.
② (程度が)はっきりとした,明確な.
vernehmlicher[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ more audible, clearer, more perceptible / più udibile, più distinto)
vernehmlich の比較級
【一般的な意味】
① 前よりも聞き取りやすい,より明瞭な.
② よりはっきりと知覚できる.
Verschiebung[H: KM1-1]
(≒ shift, displacement, postponement, una corda / spostamento, ritardo, una corda)
verschieben の名詞化
【一般的な意味】
① 移動,転位,配置換え,変位.
② 延期,繰り延べ,遅延.
【音楽用語としての訳例】
「una corda」(ピアノの弱音ペダル)

"mit Verschiebung" は「ピアノの左ペダル(ソフトペダル/una corda)を使う」という意味.
verschwinden[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ disappear, vanish, fade away / sparire, svanire)
(≒erlöschen, verlöschen)
【一般的な意味】
① 姿を消す,見えなくなる,消え去る,なくなる.
② (徐々に)しぼむ,衰える.
【音楽用語としての訳例】
「morendo」,「perdendosi」,「svanire」,「消え入るように」,「姿を消すように」,「(音が)途絶える」
versehen[GM]
(≒ provided, furnished, wrong (adv) / fornito, provvisto)
versehen の過去分詞
【一般的な意味】
① 備えられた,供給された,付与された.
② (副詞的に)誤って,間違って,勘違いして.
③ (義務・職務などを)遂行した.

GM では①の意味で用いられている.
versetzen[H: Es]
(≒ transpose, displace, transfer / trasporre, spostare)
【一般的な意味】
① (場所・職務などを)移す,配置換えする,転任させる.
② (感情・状態などを)〜に変える,〜の状態に置く.
③ (学校で)進級させる.

"in Schwingung versetzen" は「振動する状態に置く」,すなわち「振動させる」でよいだろう.
verstört[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ disturbed, bewildered, distraught / turbato, confuso, sconvolto)
verstören の過去分詞
【一般的な意味】
① 混乱した,動揺した,気が動転した.
② 狼狽した,ひどく不安な.
【音楽用語としての訳例】
「混乱して」,「動揺して」,「取り乱して」,「不安げに」
versucht[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tried, attempted, tempted / provato, tentato)
versuchen の過去分詞または三人称単数現在形
【一般的な意味】
① 試みられた,努力された,試された.
② 誘惑された,魅了された.
③ (三人称単数現在形として)試みる,誘惑する.
Versuchung[H: Mat]
(≒ temptation, enticement, trial / tentazione, seduzione)
【一般的な意味】
① 誘惑,惑わし,誘い.
② (倫理的・精神的な)試練,誘惑を受けること.
vertraulich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ confidential, intimate, familiar / confidenziale, intimo)
【一般的な意味】
① 内密の,秘密の,機密の.
② 打ち解けた,親密な,気心の知れた.
③ (態度が)図々しい,馴れ馴れしい.
【音楽用語としての訳例】
「内密に」,「親密に」,「打ち解けた調子で」
Vertreter[GM]
(≒ representative, delegate, agent, substitute / rappresentante, sostituto)

【一般的な意味】
① 代表者,代議員,代理人.
② (芸術・思想などの)支持者,代弁者.
③ (学校などの)教師の代理,代行者.

GM の交響曲第8番第1部においては「独唱者」のことを指している.
verwegen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ daring, audacious, reckless / audace, temerario)
【一般的な意味】
① 大胆な,向こう見ずな,無謀な.
② 勇気のある,勇敢な.
【音楽用語としての訳例】
「大胆に」,「向こう見ずに」,「恐れ知らずに」,「図々しく」
verwehen[GM]
(≒ to blow away, to drift away, to scatter / svanire, dissipare)
【一般的な意味】
① 風で吹き払う,吹き散らす,吹き飛ばす.
② (比喩的に)消え去る,忘れ去られる.

GM の嘆きの歌第3部にのみ用いられている.
verzögern[B: 1], [H: KM5]
(≒ to delay, to postpone, to slow down / ritardare, rallentare)
【一般的な意味】
① (時間や期限を)遅らせる,延期する,延滞させる.
② (進行を)遅くする,減速させる.
【音楽用語としての訳例】
「ritardando」,「rallentando」,「(テンポを)次第に遅くする」,「減速する」,「遅らせる」
verzweifelt[K: App], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ desperate, despairing, heartbroken / disperato, affranto)
verzweifeln の過去分詞
【一般的な意味】
① 絶望した,自暴自棄の,悲嘆に暮れた.
② (必死の)最後の手段の,無謀な.
【音楽用語としての訳例】
「disperato」,「affranto」,「絶望して」,「自暴自棄に」,「悲嘆に暮れて」
Verzweiflung[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ despair, desperation, anguish / disperazione, angoscia)
verzweifeln の名詞化
【一般的な意味】
① 絶望,悲嘆,落胆.
② 自暴自棄,極度の苦悶.
vgl.[B: 7], [H: KM3]
(=vergleiche) ~を参照せよ
Vgl. Kritischer Bericht: Bewertung[H: KM3]
「(詳しいことは)批判校訂報告の《評価》の項を参照」
(資料のどれを信用してこの形になったか,その判断理由は別冊で説明してある,という意味)
なお,”Vgl."は "Vergleiche" の略.”Bewertung“ は資料(自筆譜,初版,パート譜など)の信頼度や優先度を評価する節を指す.
Vgl. Kritischer Bericht: Lesaerten[H: KM6]
「(詳しいことは)批判校訂報告の《異文一覧》の項を参照」
(この箇所には他の資料では別の音などがあり,その異文は別冊にまとめてある,という意味)
なお,”Vgl."は "Vergleiche" の略."Lesaerten"は正しくは "Lesarten" で,意味は「読みの違い」「異文」,つまり他の写本や初版などに見られる「異なる音・リズム・表記」の一覧
vide[B: 2]
(≒ see, refer to, (in musicology) skip / vedi, vedasi)
ラテン語 videre(見る)の命令形
【一般的な意味】
① (ラテン語で)見よ,参照せよ.
② (転じて)〜を参照のこと.
【音楽用語としての訳例】
「参照せよ」,「(vi-de や V-de の形で)カットせよ(省略せよ)」
viel[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ much, a lot, many, often / molto, tanto, assai)
【一般的な意味】
① たくさんの,多量の,多くの.
② (副詞として)しばしば,たびたび.
③ (強調として)非常に,大いに.
【音楽用語としての訳例】
「たくさん(〜する)」,「大いに」,「非常に」,「(viel Ausdruck で)豊かな表現を込めて」
Viertel[GM]
(≒ quarter, fourth part / quarto)
【一般的な意味】
① 四分の一,四分の一の部分.
② (時間)四半期,四半時(15分).
③ (都市の)地区,街区,界隈.
【音楽用語としての訳例】
「(音符の)四分音符(semiminima)」

「4拍子で」の意味の場所もある.GM では ”Viertel geschlagen” は「4つ振り」としているが,これは「4分音符を基準にカウントする」を意訳している.
Viertelnote länger[B: 4-2]
4分音符は長めに
Violin Solo von Dreien[B: 8-2]
3人によるヴァイオリンのソロ
virtuos[H: Con]
(≒ virtuoso, brilliant, skillful / virtuoso, brillante)
【一般的な意味】
① 技巧の優れた,名手的な,妙技を披露する.
② (形容詞として)見事な,華々しい.
Vision[RS: Alpen]
(≒ vision, apparition, foresight / visione, apparizione)
【一般的な意味】
① 幻影,幻視,幻想.
② (将来の)展望,構想,予見.
③ 視覚,視野(古い用法).
visionär[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ visionary, imaginative / visionario, fantastico)
【一般的な意味】
① 幻影的な,幻想的な,夢のような.
② 洞察力のある,先見性のある.
【音楽用語としての訳例】
「幻影的に」,「幻想的に」,「幻を見るかのように」
Volkslied[H: K49]
(≒ folksong, folk tune / canto popolare)
【一般的な意味】
① 民謡,民族歌謡,フォークソング.
② (比喩的に)素朴で単純な旋律.
voll Sehnsucht[RS: Held]
切なる思いに満ちて,憧れに満ちて
vollausladendem[K: Cap]
(≒ fully expansive, broadly resonating / ampiamente risonante) voll(いっぱいの)+ ausladend(張り出した、広がりのある)の合成語の格変化形.
【一般的な意味】
①(空間的に)大きく張り出した,幅の広い.
②(動きが)ゆったりと大きな,ダイナミックな.
【音楽用語としての訳例】
「最大限に響きを広げて」,「たっぷりと幅を持たせて」,「ゆったりと雄大な動きで」
vollendet[GM]
(≒ complete, finished, perfect, consummate / compiuto, perfetto)
vollenden の過去分詞
【一般的な意味】
① 完成された,終了した,済んだ.
② 完璧な,非の打ちどころのない,熟達した.
volles Werk[GM]
(≒ full organ / organo pieno, grand choeur)
"volles Werke" も同じ.
【一般的な意味】
① 充実した作品,完璧な著作物.
② (オルガン用語として)全音栓(ストップ)を用いた状態,フル・オルガン.
【音楽用語としての訳例】
「フル・オルガンで」,「(その楽器の)全ストップを引いて」,「トゥッティ(Tutti)で」

オルガンの主要な音栓(ストップ)をすべて,あるいは大部分引き出し,最も力強く輝かしい音響を出す状態を指す.単に音が大きいだけでなく,低音から高音の混合音栓(ミクスチャー)までが含まれた,オルガン特有の重厚な響きを要求するもの.GM の交響曲第2番,第8番に使用例がある.
Volles Zeitmass[RS: Till]
(≒ full tempo)
「(いよいよ)本来のテンポで」,「完全なテンポで」ということで,テンポを引き締めて基準となる本来の速さに達する,くらいのニュアンスだろう.
vollkommen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ complete, perfect, absolute / perfetto, completo, assoluto)
【一般的な意味】
① 完全な,完璧な,非の打ちどころのない.
② (程度が)全く,完全に,きわめて.
vollständig[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ complete, entire, full / completo, intero)
【一般的な意味】
① 完全な,全部揃った,全体的な.
② (数などが)満たされた,満ちた.
vom 1. u. 2.Pult[RS: Qui]
第1および第2プルトの(うちの)
von allen die Hälfte[RS: Alpen]
全体のうちの半数で
von Dreien zu spielen[B: 8-1]
3人で演奏する
vor sich[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ in front of oneself, ahead, privately / davanti a sé, tra sé)
【一般的な意味】
① 自分の目の前に,前方に,今後.
② (人に聞かれぬよう)ひそかに,内密に,独り言のように.

直訳すると「自分の前で」
行為が “外に向かって” 現れている(独り言や小声含むが外部化されている)
「独り言のように」,「自分に向かって(声を出して)」など.
一方で,"für sich" は直訳すると「自分のために」
行為が “内側に閉じている”(他人に聞こえない,完全に内的)
「心の中で」,「ひとりで」,「密かに」など.

どちらも「独り言のように」と訳してしまっていることが多い.
vorangehen[H: KM4], [H: KM5], [H: Tanz], [H: Welt], [RW: Oper]
(≒ to go ahead, to precede, to lead the way / precedere, avanzare)
【一般的な意味】
① 先に行く,先行する,道案内をする.
② (物事が)先に進む,順調に進展する.
【音楽用語としての訳例】
「accelerando」,「stringendo」,「先に進む」,「前進する」,「(テンポを)速める」
Vordergrund[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ foreground / primo piano)
【一般的な意味】
① 前景,(舞台などの)最前部.
② 最前面,目立つ場所,重要視される地位.
【音楽用語としての訳例】
「前景で」,「最前部で」,「舞台の前面で」,「(他の楽器よりも)際立って」,「前面に押し出して」

対義語は "Hintergrund"
vorher[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ before, previously, earlier / prima, in precedenza)
【一般的な意味】
① 以前に,先に,前もって.
② (時間的に)〜よりも前に.

”wie vorher” で「前のように」,「以前のように」
vorherigen[H: Welt], [RW: Oper]
(≒ previous, preceding, former / precedente, anteriore)
(≒ vorigen)
vorherig の格変化形
【一般的な意味】
① 以前の,先の,前述の.
② 先行する,先行する.
【音楽用語としての訳例】
「以前の(テンポや指示)」
vorigen[RS: Tod], [RS: Till], [RS: Zara], [RS: Held], [RW: Oper]
(≒ previous, last, former / precedente, scorso)
(≒ vorherigen)
vorig の格変化形
【一般的な意味】
① 前の,先の,前述の.
② 先行する,過ぎ去った.
【音楽用語としての訳例】
「前の(テンポや指示)」
vorliegenden[H: KM3]
(≒ present, existing, current / presente, attuale)
vorliegend の格変化形
【一般的な意味】
① (目の前に)ある,提出されている,存在する.
② 現在の,当面の問題の.
Vorschlag[GM], [RS: Oper]
(≒ proposal, suggestion, grace note / proposta, abbellimento)
【一般的な意味】
① 提案,提議,申し出.
② (音楽)装飾音,前打音.
③ (建築の)張り出し.
【音楽用語としての訳例】
「前打音」

対義語は "Nachschlag".
Vortrag[GM], [RS: Alpen]
(≒ performance, execution, lecture, delivery / esecuzione, interpretazione)
【一般的な意味】
① 発表,講演,講義.
② 演奏,歌唱,(芸術作品の)表現,演技.
③ (公的な)報告,陳述.
【音楽用語としての訳例】
「表現」,「演奏」,「(歌唱の)歌い方」,「(mit freiem Vortrag で)自由に演奏して」

GM では「表現」と訳している.
vorwärts[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ forward, onward, ahead / avanti, in avanti)
【一般的な意味】
① 前へ,前方へ,先に.
② (時間的に)今後,将来.
③ (比喩的に)前進して,進歩して.
【音楽用語としての訳例】
「前進して」,「先に進んで」,「(テンポを)速めて」

GM の場合,"ritardando"の直後に"vorwärts"が記載されることも多く,"ritardando"の後でテンポを元に戻し、流れを取り戻すよう求める指示でもあるだろう.「前進感をもって」,「勢いをつけて」でもよいかもしれない.
vorwurfsvoll[RW: Oper ], [RS: Oper]
(≒ reproachful, accusing / rimproverante, accusatorio)
【一般的な意味】
① 非難に満ちた,とがめるような.
② 責めるような,咎めるような.
【音楽用語としての訳例】
「非難がましく」,「責めるように」,「とがめるように」
vorzutragen[B: 2], [RW: Oper]
(≒ to be performed, to be presented / da eseguire, da presentare)
分離動詞 vortragen の zu-不定詞形
【一般的な意味】
① 上演する,演奏する,歌う.
② (意見・報告などを)述べる,提出する.
③ (病気などを)患っている,抱えている.
【音楽用語としての訳例】
「演奏されるべき」,「提示すべき」,「(表情をもって)歌われるべき」
wahnsinn[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ madness, insanity, frenzy / follia, pazzia)
【一般的な意味】
① 狂気,発狂,精神錯乱.
② (俗語的に)途方もないこと,素晴らしいこと.
【音楽用語としての訳例】
「狂気」,「発狂して」,「錯乱したように」,「猛烈な勢いで」
Wald[RS: Alpen]
(≒ forest, woods / foresta, bosco)
【一般的な意味】
① 森,森林,林.
② (比喩的に)密集したもの,林立するもの.
Wanderung[RS: Alpen]
(≒ wandering, migration, hike / peregrinazione, escursione)
【一般的な意味】
① 徒歩旅行,散策,ハイキング,山歩き.
② (人や動物の)放浪,移動,移住.
③ (比喩的に)彷徨,旅.
Wanderung neben dem Bache[RS: Alpen]
小川のそばの散策
warm[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ warm, cordial, affectionate / caldo, cordiale, affettuoso)
【一般的な意味】
① 温かい,暖かい,温暖な.
② (感情が)温かい,親切な,愛情深い.
③ (色が)暖色の,温かみのある.
【音楽用語としての訳例】
「温かく」,「愛情を込めて」,「柔らかな音色で」
Wärme[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ warmth, heat, affection / calore, tepore)
【一般的な意味】
① 暖かさ,温もり,熱.
② (心の)温かさ,愛情,親愛の情.
【音楽用語としての訳例】
「温かさ」,「(mit Wärme で)温かい感情を込めて」,「暖かみのある響き」
Wasserfall[RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ waterfall, cascade / cascata, cateratta)
【一般的な意味】
① 滝,瀑布(ばくふ),カスケード.
② (比喩的に)勢いよく流れ落ちるもの.
wechseln[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ change, exchange, switch / cambiare, scambiare)
【一般的な意味】
① 変える,取り替える,交換する.
② (場所や方向を)移る,変更する.
③ (通貨を)両替する.
【音楽用語としての訳例】
「(楽器やパートを)持ち替える」,「(音色やテンポを)変える」,「交代する」
weg[H: KM3], [RS: Till], [RS: Zara], [RS: Qui], [RS: Held], [RS: Alpen], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ away, gone, vanished / via, andato)
【一般的な意味】
① 離れて,去って,遠くへ.
② なくなって,消えて,終わって.
③ (接頭辞として)〜し尽くす,〜し去る.
【音楽用語としての訳例】
「(弱音器などを)外して(senza sordino)」,「消えて」,「去って」

"Dämpfer weg"は「弱音器を外して」(≒ remove mute)
weglassen[RS: Dom], [RS: Oper]
(≒ to leave out, to omit, to skip / omettere, tralasciare)
【一般的な意味】
① (物や事柄を)省く,省略する,カットする,除外する.
② (行動などを)控える,やめる.
wehmütig, wehmütiger[H: Welt], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ melancholic, wistful, mournful / malinconico, mesto)
wehmütiger は wehmütig の比較級 (あるいはその格変化形)
【一般的な意味】
① 物悲しい,哀愁を帯びた,憂鬱な.
② (比較級として)より物悲しい,さらに哀愁を帯びた.
【音楽用語としての訳例】
「malinconico」,「mesto」,「物悲しく」,「哀愁を帯びて」,「感傷的に」,「(比較級で)より悲しげに」
weich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ soft, mild, gentle / dolce, tenero, mite)
【一般的な意味】
① 柔らかい,軟らかい,軟質の.
② (音・光・態度などが)優しい,穏やかな,柔和な.
③ (水が)軟質の.
【音楽用語としての訳例】
「優しく」,「柔らかく」,「穏やかに」,「柔らかな音色で」

GM では「柔らかく」と訳している.それにしても "sanft",”weich”,"zart" は訳し分けが難しい.
weiches Arpeggio (vom oben nach unten) [H: KM6]
柔らかいアルペジオ(上から下への)
weinerlich[GM], [RS: Oper]
(≒ whining, tearful, whimpering / piagnucoloso, lamentevole)
【一般的な意味】
① 泣き言を言う,泣きべそをかく,めそめそした.
② (声などが)すすり泣くような,泣き声の混じった.
【音楽用語としての訳例】
「泣き言を言うように」,「めそめそと」,「すすり泣きながら」

GM では子供の魔法の角笛 "Verlorne Müh'!" にのみ使用例がある."weinerlichem"は「めそめそした」と訳している.
weit[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ wide, far, broad, extensive / ampio, vasto, lontano)
【一般的な意味】
① 広い,広大な,幅の広い.
② (時間的・空間的に)遠い,遙かな,長い.
③ (程度が)大いに,著しく.

GM では交響曲第9番第1楽章でのみ使用例があるが,ここでは「大きく」と訳している.
weiter[GM]
(≒ further, onward, continued / avanti, più oltre)
【一般的な意味】
① さらに遠くへ,もっと先へ.
② (時間的に)その後,引き続き.
③ (比較として)さらに〜,もっと〜.
【音楽用語としての訳例】
「さらに先へ」,「続けて」,「前進して」

GMには使用例はないが,"gleich weiter"や"sofort weiter"は"attacca"のこと.
Wenn der Sprung gemacht wird, so sind die Takte 520 bis 527 in beiden Violinen acht Töne tiefer zu spielen, erst von den beiden letzten Noten Takt 527, an in der höheren Oktavlage. Der Herausgeber[B: 2]
このカット(vi-de) を行う場合,1stおよび2ndヴァイオリンは第520小節から第527小節までを1オクターブ低く演奏し,第527小節の最後の2つの音のみ1オクターブ高く(つまり記譜通りに )演奏する.編集者(による注)
Wenn die Pauke nicht genau auf die Höhe des obern Fis zu bringen, dann die Stelle ganz weglassen![RS: Dom]
ティンパニが高い Fis を正確に出せない場合には,すべてカットする.
Wenn Kontrabaß mit C-Saite: eine Oktave tiefer[H: KM2]
コントラバスが C 線を備えている場合は,1オクターブ低く
wie früher sehr leicht und schwach[B: 1]
以前のように,非常に軽く弱い音で
wie ganz von ferne[RS: Held]
まるで遠くからのように
Wieder ins erste Zeitmaß gehen[H: KM4]
再び最初のテンポに戻る
Wiederholung[B: 2]
(≒ repetition, recurrence, replay / ripetizione, replica)
wiederholen の名詞化
【一般的な意味】
① 繰り返し,反復,再現.
② (学校の)復習.
【音楽用語としての訳例】
「繰り返し」,「反復」,「再現」
wiegend[RS: Oper]
(≒ swaying, rocking, cradling, undulating / dondolando, ondeggiante)
wiegen の現在分詞
【一般的な意味】
① 揺り動かしている,揺らしている,(リズムが)揺れている.
② (重さを)量っている,重さがある.
【音楽用語としての訳例】
「揺れるように」,「揺りかごのように」,「優しく揺らして」
Wiegenlied[RS: Dom]
(≒ lullaby, cradle song / ninna nanna, culla)
【一般的な意味】
① 子守唄,揺りかごの歌.
② (転じて)安らぎ,静穏.
【音楽用語としての訳例】
「子守唄風に」,「揺りかごのように(優しく)」
wiehernd[RS: Oper]
(≒ neighing, whinnying, braying / nitrendo, nitrito)
wiehern の現在分詞
【一般的な意味】
① (馬が)いなないている,ひひーんと鳴いている.
② (人が)馬鹿笑いしている,哄笑している.
【音楽用語としての訳例】
「馬がいななくように」,「下品な哄笑のように」,「(音色が)粗野に」

RS の Elektra でオーケストラに対する指示として使われている.
Wiesen[RS: Alpen]
(≒ meadow, pasture, lawn / prato, pascolo)
【一般的な意味】
① 牧草地,草地,野原.
② (古い用法で)野原の草.
wild[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ wild, savage, frantic / selvaggio, furioso, feroce)
【一般的な意味】
① 野生の,未開の,野蛮な.
② 荒々しい,乱暴な,激しい.
③ (比喩的に)とてつもない,途方もない.
【音楽用語としての訳例】
「荒々しく」,「猛烈に」,「野性的に」,「激しく」

GM では「荒々しく」と訳している.
wirklich[RS: Juan], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ really, truly, actually / veramente, davvero)
【一般的な意味】
① 現実の,本当の,事実の.
② (副詞として)本当に,実際に.
Wissenschaft[RS: Zara]
(≒ science, scholarship, knowledge / scienza, dottrina)
【一般的な意味】
① 科学,学問,研究.
② 知識,技能.
wohl vernehmbar[B: 4-1]
十分に聴こえるように
womöglich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ possibly, perhaps, conceivably, if possible / forse, magari)
【一般的な意味】
① おそらく,もしかすると,ひょっとすると.
② 可能であれば,できれば(if possibleのニュアンス).
③ (強い疑念を込めて)まさか,ひょっとして.

主に②の意味で用いられている.
Womöglich unsichtbar aufzustellen![RS: Qui]
できれば(客席に)見えないところに配置する!
wuchtig[GM]
(≒ weighty, massive, powerful, forceful / massiccio, pesante, robusto)
【一般的な意味】
① 巨大な,かさばった,重い.
② 力強い,猛烈な,勢いのある.
③ (動きが)鈍重な,ぶざまな.
【音楽用語としての訳例】
「重々しく」,「強烈な衝撃をもって」,「巨大な力で」

GM では「重々しく」と訳している
Wurf[K: Cap]
(≒ throw, cast, launch / lancio, gettata)
【一般的な意味】
① 投げること,投擲(とうてき),発射.
② (スポーツにおける)投球,投打.
③ 一度に産み落とされた仔の群れ,一腹.
【音楽用語としての訳例】
「( mit großem Wurf で)大きな投擲(のように)」,「大きなジェスチャー」
Wut[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ rage, fury, anger / furia, rabbia)
【一般的な意味】
① 激しい怒り,激昂,憤慨.
② 激情,熱狂.
③ (比喩的に)猛威,荒々しさ.
【音楽用語としての訳例】
「激怒」,「猛烈な怒りをもって」,「荒れ狂って」

交響曲第6番第1楽章(ここでは wütend),交響曲第9番第1楽章にある.「怒り狂って」と訳している.
wütend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ furious, enraged, raging / furioso, infuriato)
【一般的な意味】
① 激怒した,憤慨した,怒り狂った.
② (感情や行動が)猛烈な,激しい.
【音楽用語としての訳例】
「furioso」,「furente」,「激怒して」,「荒れ狂って」,「猛烈な勢いで」

GM では交響曲第6番第1楽章にある.「怒り狂って」と訳している.
z. B.[RS: Juan]
(=zum Beispiel) 例えば
zaghaft[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hesitant, timid, shy / esitante, timido)
【一般的な意味】
① ためらいがちな,おずおずした.
② 臆病な,おびえた.
③ (行動が)決心がつかない.
【音楽用語としての訳例】
「ためらいがちに」,「おずおずと」,「自信なさげに」
zahlreich[GM], [RW: Oper]
(≒ numerous, abundant, many / numeroso, abbondante)
【一般的な意味】
① 非常に多い,数多い,多数の.
② 豊富な,多量の.
zart[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tender, delicate, soft / tenero, delicato, dolce)
【一般的な意味】
① 柔らかな,繊細な,デリケートな.
② 優美な,か弱い,傷つきやすい.
③ (味や色が)淡い,優しい.
【音楽用語としての訳例】
「優しく」,「繊細に」,「か細く」,「柔らかな音色で」

GM では「柔らかく」と訳そうかとも思ったが,大地の歌第6楽章第245小節に "zart und weich" の記述があるので,"zart" は「優しく」,"weich" は「柔らかく」とした.「優しく」ではなく「繊細に」あるいは「優美に」でも良いかもしれない.それにしても "sanft",”weich”,"zart" は訳し分けが難しい.
zärtlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ tenderly, affectionately, delicately / teneramente, con tenerezza)
【一般的な意味】
① 優しく,愛情を込めて,優しく扱う.
② 繊細に,細やかに.
【音楽用語としての訳例】
「優しく」,「愛情を込めて」,「繊細に」
Zeichen[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ sign, mark, symbol / segno, simbolo)
【一般的な意味】
① 記号,符号,符丁.
② 合図,しるし,兆候,徴候.
③ (比喩的に)象徴,標識.
Zeit lassen[GM], [RW: Oper]
(≒ to take one's time, not to rush / non affrettare, prendersi tempo)
【一般的な意味】
① 時間をかける,急がない,ゆっくりやる.
② (人に)時間を与える,猶予を与える.

【音楽用語としての訳例】
「急がない」,「十分に間をとって」,「ゆったりと」

GM では「時間をかけて」と訳した.「たっぷりと」,「急がずに」,「フレーズに余裕をもって」でも良いかもしれない.
Zeitmaß[GM]
(≒ tempo, time measure, rhythm / tempo, misura)
【一般的な意味】
① 時間の単位,時間的尺度.
② (比喩的に)物事の進め方,ペース.
【音楽用語としての訳例】
「テンポ」,「拍子」,「速さ」,「拍節感」
zerstreut[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ scattered, dispersed, distracted / sparso, distratto)
zerstreuen の過去分詞
【一般的な意味】
① 散らばった,散乱した,分散した.
② (精神的に)ぼんやりした,上の空の,心ここにあらずの.
③ 気晴らしをした,憂さ晴らしをした.
【音楽用語としての訳例】
「ぼんやりと」,「上の空で」
ziemlich[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ quite, rather, fairly / piuttosto, abbastanza)
【一般的な意味】
① かなり,相当に,なかなか.
② (形容詞として)まともな,ちゃんとした.

GM では「かなり」と訳している.
zierlich[H: Welt], [K: Cap], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ graceful, dainty, elegant / grazioso, delicato)
【一般的な意味】
① 優美な,繊細な,優雅な.
② (体が)きゃしゃな,小柄な.
③ (古い用法で)気取った,もったいぶった.
【音楽用語としての訳例】
「優美に」,「繊細に」,「きゃしゃに」,「上品に」
Ziffer[GM], [RS: Oper]
(≒ figure, digit, numeral, rehearsal mark / cifra, numero)
【一般的な意味】
① 数字,算用数字,(古い)記号.
② (暗号)暗号.
【音楽用語としての訳例】
「(オーケストラ楽譜の)リハーサル番号」
zischend[RS: Held], [RS: Oper]
(≒ hissing, sizzling, whizzing / sibilando, sfrigolando)
zischen の現在分詞
【一般的な意味】
① シューシュー(蒸気など)と音を立てる,シューッと鳴る.
② (声が)ヒス音を発する,歯擦音を出す.
③ (比喩的に)不満を漏らす,悪口を言う.

[RS: Held] の場合は「(批評家のように)チクチクと,刺々しく」,RS の Elektra では「(蛇のように)シューッと威嚇して」など.
オペラの文脈によっては「鋭くささやいて」「吐き捨てるように」「(声が)鋭く擦れるように」などでもよいだろう.
Zitat[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ quote, citation / citazione)
【一般的な意味】
① 引用,引用文,抜粋.
② (比喩的に)盗用,模倣.
Zofe[RS: Oper]
(≒ maid, lady's maid, attendant / cameriera, damigella)
【一般的な意味】
① (特に貴族の娘などに仕える)侍女,女中,(寝室係の)婦人従僕.
② (演劇・オペラでの)ヒロインに仕える女中役.

Der Rosenkavalier の使用人たちについては "Haushofmeister" の項を参照.
zögernd[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ hesitant, delaying, wavering / esitando, titubante)
zögern の現在分詞
【一般的な意味】
① ためらっている,躊躇(ちゅうちょ)している.
② 遅延している,長引かせている.
【音楽用語としての訳例】
「ためらいがちに」,「躊躇して」,「(テンポを)遅らせて」
zornig[RS: Held], [RS: Dom], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ angry, wrathful, furious / irato, furioso)
【一般的な意味】
① 怒っている,激怒している,憤慨した.
② (比喩的に)猛烈な,荒々しい.
【音楽用語としての訳例】
「怒って」,「激怒して」,「荒々しく」
zu[GM]
(≒ to, at, too, closed / a, da, troppo, chiuso)
【一般的な意味】
①(前置詞として)~へ,~に,~において.
②(副詞として)あまりに~すぎる.
③(副詞として)閉じて,閉まって.
【音楽用語としての訳例】 「~の状態で」,「あまりに~すぎる」,「~に(対して)」

音楽の指示において zu は,その後に続く言葉によって役割が大きく変わる.

1. 程度を表す(too / troppo)
形容詞の前に置かれ,否定的なニュアンスを含んだ「~すぎる」という意味で使われる.
"Nicht zu schnell":速すぎないように(Non troppo allegro).
"Nicht zu mäßig":控えめになりすぎないように.

2. 人数や楽器の数を指定する
"Zu 2 (Zu zwei)": 2つの楽器で(ユニゾンで),あるいは2人で.(イタリア語の a 2 に相当).
"Zu 3 (Zu drei)": 3つの楽器で.

3. 状態や方法を指定する
"Zu Ende":終わりまで.
"Mund zu":口を閉じて(ハミングなどで).

4. 特定の奏法への指示
"Dämpfer zu":弱音器(ミュート)を付けて(③の意味).この場合,対義語は "Dämpfer auf" となるのであるがこれが GM の場合ややこしくなる."Dämpfer auf" の項を参照.
Zug[RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ pull, drag, train, feature / tratto, tiro, treno)
【一般的な意味】
① 引くこと,牽引.
②(一吹きの)呼吸,(一飲みの)喉ごし.
③ 特徴,顔立ち(Gesichtszug).
④ 列車,行列.

RW でも RS でも④の意味で使われているが,音楽の文脈では
●トロンボーン(Zugposaune)の伸縮させる部分そのもの
●オルガンで音色を切り替えるために「引き出す」レバー(ストップ)
を指したりもする.
また,"In einem Zug" と書かれている場合,「一気に」「中断せずに(一息で)」演奏することを意味する.
Zungenschlag[RS: Qui]
(≒ tonguing, tongue-stroke / colpo di lingua)
【一般的な意味】
① (舌の動きによる)発音,話し方,口調.
② (特定の地方特有の)なまり,方言のアクセント.
③ (動物などが)舌を動かすこと,舌で打つこと.
【音楽用語としての訳例】
「タンギング」,「アタック」

GM には使用例はない.この用語が使用されている [RS: Qui] の第2変奏で,羊の群れの鳴き声を模倣している箇所では「フラッター」の意味であろう(金管楽器はともかくとして,クラリネットにも p あるいは pp で同じ要求をしているのが鬼畜である).ちなみにオーケストラのフルートで「フラッター」の指示が初めて現れるのは Tchaikovsky の「くるみ割り人形」においてである."Zungenstoß" の項も参照.
Zungenstoß[GM]
(≒ tonguing / colpo di lingua)
【一般的な意味】
① 舌で突くこと
② (フェンシングなどの)突き(Stoß)の動作に類する舌の動き.
【音楽用語としての訳例】
「(標準的な)タンギング」,「アタック」

GM では「鋭いタンギングで」と訳している.GM の交響曲第2番第5楽章においては「フラッター」と解釈する向きもあるが,そもそも GM では「フラッター」を意味する場合は「Flatterzunge」とはっきり記していることから「Zungenstoß」は「鋭いタンギングで」が妥当であろう.優れた指揮者でもあり各楽器の奏法を熟知していた GM が,フラッターでの演奏が困難なリード楽器群にそれを要求していた可能性は極めて低い.標準的なタンギングの枠を超えた「過激な」タンギングを要求していたものと思われるが,該当箇所は大音響だし,別に血まなこになってやる必要もないのでは?という気がしなくもない.
zurück~[GM]
(≒ back, backward, return, retro- / indietro, ritorno, retro-)
分離動詞の接頭辞
【一般的な意味】
① 元へ戻って,後ろへ,後方へ.
② 返して,逆に,報いて.
③ 引きこもって,控えて.
zurückhaltend[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ reserved, restrained, cautious / riservato, trattenuto)
zurückhalten の現在分詞
【一般的な意味】
① 控えめな,遠慮深い,慎重な.
② 抑制した,自制した.
③ (発展・進展などを)妨げている,引き止めている.
【音楽用語としての訳例】
「控えめに」,「遠慮がちに」,「(テンポを)抑えて」,「抑制された音で」

GM では前と比べてテンポが遅くなる場合に主に使われているので,「速度を緩めて」と訳した.単に「遅く」と訳すのはやや不正確ではないだろうか.どちらかというと"rallentando","ritardando"よりも"ritenuto"の方が適切な気がする.ちなみにRW,RSの舞台指示の場合,「控え目に」,「制止して」,「抑制的に」などの意味になることもある.
zurückkehren[GM], [RW: Oper], [RS: Oper]
(≒ to return, to go back, to revert / ritornare, tornare)
【一般的な意味】
① 戻る,帰る,帰宅する.
② (以前の状態に)立ち返る,復帰する.
【音楽用語としての訳例】
「Tempo I」,「(前のテンポに)戻る」,「復帰する」,「(主題などが)回帰する」
zus.[GM]
(≒ together, jointly, collectively / insieme, unito)
zusammen の略記
【一般的な意味】
① 一緒に,共に,共同で.
② (数学などで)全部で,合計で.
【音楽用語としての訳例】
「共に」,「一緒に」,「(弦楽器の)分奏(divisi)を解除して斉奏(unisono)に戻る」

GM では「一緒に」と訳している.
Zusatz[B: 8-2]
(≒ addition, supplement, appendix / aggiunta, supplemento)
【一般的な意味】
① 付加物,追加,補遺,サプリメント.
② 添え書き,追伸.

【音楽用語としての訳例】
「付記」,「補遺」,「付加的な(指示や楽器)」
Zwei Holztrommeln von verschiedener Größe[H: Welt]
異なる大きさの2つの木製ドラム
Zweitaktig, zweitaktig[RS: Juan], [RS: Dom]
「2小節単位で」. GM では"2 taktig" のように表記されている.
Zwischen Berg und tiefem Tal[H: Sch]
山と深い谷とのあいだで

(*)は特記すべきドイツ語はなし
[RW]:Richard Wagner
[RW: Oper]Die Feen WWV 32
Das Liebesverbot WWV 38
Rienzi, der Letzte der Tribunen WWV 49
Der fliegende Holländer WWV 63
Tannhäuser (Dresden) WWV 70
Tannhäuser (Paris) WWV 70
Lohengrin WWV 75
Das Rheingold WWV 86A
Die Walküre WWV 86B
Siegfried WWV 86C
Götterdämmerung WWV 86D
Tristan und Isolde WWV 90
Die Meistersinger von Nürnberg WWV 96
Parsifal WWV 111
[B] : Anton Bruckner
(*)Symphonie No.0 Fassung von 1869 "Nullte"
[B: 1]Symphonie No.1 Fassung von 1865/66 "Linzer Fassung"
[B: 2]Symphonie No.2 Fassung von 1877 (L.Nowak)
[B: 3]Symphonie No.3 III. Fassung von 1889 (L.Nowak)
[B: 4-1]Symphonie No.4 I. Fassung von 1874
[B: 4-2]Symphonie No.4 II. Fassung von 1878/80 (L.Nowak)
[B: 5]Symphonie No.5 Originalfassung (L.Nowak)
[B: 6]Symphonie No.6 Originalfassung (L.Nowak)
[B: 7]Symphonie No.7 (L.Nowak)
[B: 8-1]Symphonie No.8 I. Fassung von 1887
[B: 8-2]Symphonie No.8 II. Fassung von 1890 (L.Nowak)
(*)Symphonie No.9 (L.Nowak)
[GM] : Gustav Mahler
[RS] : Richard Strauss
[RS: Oper]Guntram Op.25
Feuersnot Op.50
Salome Op.54
Elektra Op.58
Der Rosenkavalier Op.59
Ariadne auf Naxos Op.60
Die Frau ohne Schatten Op.65
Intermezzo Op.72
Die ägyptische Helena Op.75
Arabella Op.79
Die schweigsame Frau Op.80
Friedenstag Op.81
Daphne Op.82
Die Liebe der Danae Op.83
Capriccio Op.85
[RS: Hr1]Konzert für Waldhorn und Orchester Nr.1 in Es-Dur Op.11
(*)Konzert für Violine und Orchester d-Moll Op.8
[RS: Bur]Burleske in d-Moll für Klavier und Orchester TrV 145
[RS: It]Aus Italien Op.16
[RS: Juan]Don Juan Op.20
[RS: Mac]Macbeth Op.23
[RS: Tod]Tod und Verklärung Op.24
[RS: Till]Till Eulenspiegels lustige Streiche Op.28
[RS: Zara]Also sprach Zarathustra Op.30
[RS: Qui]Don Quixote Op.35
[RS: Held]Ein Heldenleben Op.40
[RS: Dom]Symphonia domestica Op.53
[RS: Alpen]Eine Alpensinfonie Op.64
[RS: Hr2]Konzert Nr. 2 für Horn und Orchester Es-Dur, TrV 283
(*)Sonatine Nr. 1 in F-Dur für 16 Bläser "Aus der Werkstatt eines Invaliden", TrV 288
[RS: Son-2]Sonatine Nr. 2 in Es-Dur für 16 Bläser "Fröhliche Werkstatt", TrV 291
[RS: Meta]Metamorphosen – Studie für 23 Solostreicher, TrV 290
(*)Konzert für Oboe und kleines Orchester D-Dur, AV 144, TrV 292
[RS: Duett]Duett-Concertino für Klarinette und Fagott mit Streichorchester und Harfe, TrV 293
(*)Vier letzte Lieder, TrV 296
[H] : Paul Hindemith
[H: KM1-1]Kammermusik No.1 for 12 solo instruments Op.24/No.1 (1922)
[H: KM1-2]Kleine Kammermusik für fünf Bläser Op.24/No.2 (1922)
[H: KM2]Kammermusik No.2 Piano Concert Op.36/No.1 (1924)
[H: KM3]Kammermusik No.3 for obbligato Cello and 10 Solo Instruments Op.36/No.2 (1925)
[H: KM4]Kammermusik No.4 Violin Concerto Op.36/No.3 (1925)
[H: Con]Concerto for Orchestra Op.38 (1925)
[H: KM5]Kammermusik No.5 Viola Concerto Op.36/No.4 (1927)
[H: KM6]Kammermusik No.6 for Viola d'amore and Chamber Orchestra Op.46/No.1 (1927)
(*)Kammermusik No.7 for Orgue and Chamber Orchestra Op.46/No.2 (1927)
(*)8 Stücke für Flöte allein (1927)
[H: K48]Konzertmusik für Solo-Bratche und größeres Kammerorchester Op.48 (1930)
[H: K49]Konzertmusik für Klavier, Blechbläser, und Harfen Op.49 (1930)
[H: K50]Konzertmusik für Streichorchester und Blechbläser Op.50 (1930)
[H: Mat]Symphonie "Mathis der Maler" (1934)
[H: Sch]Der Schwanendreher (1935)
[H: Trau]Trauermusik (1936)
[H: Fl]Sonate für Flöte und Klavier (1936)
[H: Tanz]Symphonische Tänze für Orchester (1937)
(*)Nobilissima Visione (1938)
[H: Es]Symphonie in Es für großes Orchester (1940)
[H: Web]Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber for Orchestra (1943) ほとんど英語とイタリア語である.
[H: Sere]Symphonia Serena (1946) 英語とイタリア語しかない.ドイツ語は1語のみ.
(*)Sinfonietta in E (1949) 英語とイタリア語しかない.
[H: Welt]Symphonie "Die Harmonie der Welt" (1950-51)
(*)Symphony in B flat for Concert Band (1951) 英語とイタリア語しかない.
[H: Pitt]Pittsburgh Symphony (1958) 英語とイタリア語しかない.ただ,1か所だけ謎のドイツ語が...
[K] : Sigfrid Karg-Elert
[K: Cap]30 Caprices for flute Op.107
[K: App]Sonata (Appassionata) Op.140
略記一覧
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